あまりの人気に受注停止。プレスリリース配信から1年経っても注文殺到の「ニャン鑑」が継続的にテレビ露出できるわけとは

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株式会社城山博文堂
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  • 新商品のターゲットは「ねとらぼ」読者。記事化を狙ってPR TIMESを利用
  • 発売当日の注文は5本前後。翌日にPRしたら、10日間で1年分の注文が入る
  • 1年近く、月1~2回のテレビ露出。話題性、視聴者の反応、Twitterでの継続的な人気が要因か

大阪市此花区に店舗を構え、事務用品の販売、印刷、印鑑の通信販売を手掛ける株式会社城山博文堂。代表取締役の城山謙一氏を含めて数名ほどで経営している店舗を訪れてみると、一見、街の文房具店と変わらないように見えます。

しかし、店舗奥の作業スペースで作られている印鑑、名前の一部が猫になっている「ニャン鑑」は、知る人ぞ知るヒット商品。猫好きの間で話題になり、「注文がこれ以上入っても約束の期日までに納品できない」という理由から、普段は受注を停止しているほど。発売開始から1年経った今でも、注文受付を再開すると、わずか数時間のうちに販売予定件数を上回る注文が入るのだとか。

人気商品になった「ニャン鑑」は、発売から1年近く、毎月1~2度はテレビ局から「番組で紹介させてくれないか」と依頼が舞い込むなど、数多くのメディアでの露出に成功してきました。

それだけメディアからの注目を勝ち取った背景には、ニャン鑑自体の魅力はもちろん、城山氏が戦略的に仕掛けたPR活動の影響もあったようです。

果たして城山氏は、どのような戦略をもってニャン鑑のPRを展開したのでしょうか。詳しく話を聞いてきました。

本業の事務用品・印刷で苦戦。新しい商売を検討し、印鑑にたどり着いた

――「ニャン鑑」を作っているはんこ屋さんと思って伺いましたが、貴社では事務用品の販売も手掛けているのですね。

 もともとは事務用品の販売と印刷業が中心でした。

 ところが、アスクルなどの事務用品の通信販売が広まり、パソコンが普及してプリンタで簡単に資料を印刷できるようになってしまった。売上が落ち込み続けることになり、12年ほど前に「何か新しい商売はできないだろうか」と考えるようになりました。

 最初は名刺印刷なども試してみたのですが、同業者が多くて価格競争が厳しかった。「これまでに扱ったことがある商品の中で、価格競争に巻き込まれず、独自色を打ち出せそうなものがないか」と検討してみた結果、印鑑を取り扱おうと決めたわけです。

犬・猫をあしらった印鑑が話題に。ニーズを引き出そうと新商品を続々と開発

――独自色という意味では、確かに貴社サイトでは多彩な印鑑を販売しています。

 最初に作った印鑑は2003年に発売した「ワンポイントはんこ」でした。印鑑にワンポイントで犬のイラストを刻み込んだものになります。

 そうした犬・猫のデザインを施した印鑑の新商品を発売していくうちに、ペットの専門雑誌が取り上げてくれたのだと思いますが、犬・猫好きの方から注文してもらえるようになってきました。

 一般的な印鑑を売るだけでは、1人のお客様に1回くらいしか買ってもらえません。ですが、犬・猫をあしらった印鑑を作れば、犬・猫好きな人から新しいニーズを引き出して、何回も買ってもらえるようになるかもしれません。

 そう考えるようになりまして、お客様から「この犬種のデザインも追加してほしい」「こんな犬・猫の印鑑ができないか」という要望に応えていくうちに、対応する犬・猫の品種が増え、新商品のアイデアがいくつも浮かぶようになりました。

第1弾商品からプレスリリースでPR。以来12年間、書き方を工夫してきた

――PRに取り組むようになったのは、いつごろからでしょうか。

 最初に作ったワンポイントはんこのときからプレスリリースを作成しています。

 商品ができたので宣伝方法を考えてみたのですが、新聞・雑誌などに広告を出そうと思ったら、少なくとも数十万円は必要になります。私たちくらいの規模の会社が簡単に出せる金額ではないので、見送ることにしました。

 それで「もっと手軽に利用できるPR手段はないだろうか」と探していたら、当時、たまたまプレスリリースの作成・配信方法を学べる講習会が近くで開催されることを知りました。その講習会に参加しまして、早速実践してみたのです。

 初めてプレスリリースを作成したときから、書籍などを読んで書き方を勉強してきました。少しずつ工夫してきましたから、最初のものと比べると、最新のものでは動画を掲載しているなど、ずいぶん内容を改善できたのではないでしょうか。

 プレスリリース配信後にメディア関係者から問い合わせがあったときにも、「今回の内容のどんなところに興味を持ってもらえたのでしょうか?」と質問するようにしています。

 「印鑑業界の豆知識を紹介する」「開発経緯をストーリー仕立てで紹介する」といった要素をプレスリリースに盛り込むようになったのも、メディア関係者の意見を反映したからですね。

プレスリリース配信代行サービスを利用するも、次第に頭打ち感を覚えるように

――長年、PRに取り組まれてきたわけですね。そしてニャン鑑発売のプレスリリース配信時に、初めてPR TIMESをご利用いただくことになりました。

 実は過去に、PR TIMES以外のプレスリリース配信代行サービスをいくつか試していたのです。

 確かに一定の成果は得られていたのですが「ここを使い続けていても、これ以上の成果は得られないかもしれない。頭打ちだ」と感じるようになってきました。

 それなら、別の配信代行サービスを利用してみようと。恐らく配信代行サービスごとに、プレスリリース配信するメディア関係者のリストが違うだろうから、得られる成果も違ってくるはずだと考えたのです。

大手ニュースサイト、特にねとらぼでの記事化を狙ってPR TIMESを利用

――乗り換え先として、PR TIMESを選んだ理由は?

 PR TIMESで配信したプレスリリースなら、大手ニュースサイトに記事として取り上げてもらえる確率が高くなりそうだと感じたからです。

 数あるニュースサイトの中でも、特に「ねとらぼ」での記事化を狙っていました。

 「ねとらぼ」は日々のやわらかいネタをニュースにしていて、読者数が多く、猫関連の話題も多い。「ねとらぼに掲載してもらえたら、猫好きの人に知ってもらえるのではないか」と見込んでいたのです。

ねとらぼ掲載後、わずか10日間で1年分の注文が入った

――実際に配信してみたところ、見事狙いどおり、ねとらぼで記事になりました。

 掲載後、ねとらぼの記事がTwitterで爆発的に拡散されたようですね。Twitterで話題になっているキーワードとして「ニャン鑑」が登場しまして、それを見て知ったテレビ局やラジオ局から取材依頼が入るようになりました。

 過去12年間、印鑑の新商品を年2~3回ほど発売しては、プレスリリース配信してきました。そのたびに配信後の反響を追ってきましたが、ニュースサイトで記事化されて大きく扱われると、テレビや新聞、雑誌などから取材が入りやすくなると経験則から分かっていました。

 その意味で狙いどおりの流れではあったのですが、今回は予想以上の反響でしたね。テレビなどで取り上げられる前から、注文が殺到することになりました。

 発売の翌日にプレスリリース配信したのですが、ニャン鑑を発売した当日の売上は5本前後。それが配信後10日間で、前年1年間分の注文が入ってきたのです。

 結局、「これ以上注文いただいても、お約束した納期までにニャン鑑を届けられない」と判断しまして、受注停止するしかありませんでした。

受注再開するたびにTwitterで話題に。発売後も長期的にメディアからの注目集める

――ニャン鑑はその後も長期間にわたって、継続的にテレビ露出することに成功しています。

 そうですね。2014年8月に発売したのですが、2015年春ごろまで毎月1~2回はテレビ番組で取り上げられ、秋になってもまだ取材依頼が届きます。

 これだけ長期間取り上げられたのは初めてのことです。私なりに考えてみますと、大きく3つの要因があったと思います。

 まずはそもそも発売時に、これまでと比べものにならないほど大きな話題になったからでしょう。

 次に、ニャン鑑のことを知ったときの視聴者・読者の反応が良かったことが挙げられると思います。

 少し時間が経ってからも取材依頼が入ってきたので、テレビ局の方などに「なぜ取材してくれたのでしょうか?」と尋ねてみました。すると「街頭インタビューで歩いていた人に感想を求めてみたら、非常に反応がよかった。だからもう1度、取材をお願いしたい」という回答が返ってきたのです。

 そして最後に、狙ったわけでなく、お客様には申し訳ないことなのですが、ニャン鑑の注文受付を再開するたびに、Twitterなどで話題になり、「#ニャン鑑」というハッシュタグが人気になることも理由なのでしょう。

 発売後、2~3カ月後に受注再開したときにはわずか4分、1年経った今でも数時間で販売予定数を上回る注文が入り、そうなったら受注を停止しています。

 すると、Twitter利用者が「話題のニャン鑑が手に入った!」「今回も買えなかった……」といった反応を返してくれますから、Twitterでまた話題になります。それを見掛けたメディア関係者から、再び取材依頼が入るという流れが生まれているようです。

影響力が大きなメディアでの露出を重視。個別対応も柔軟に検討していきたい

――そうした経験を生かして、次回の新商品をPRする際には、どんな工夫をしようと考えていますか?

 これまでは「プレスリリースの配信は、配信代行サービスに任せればいい」という考えでしたが、ニャン鑑の経験から、影響力の大きなメディアで取り上げてもらうことの重要性をあらためて感じました。

 ターゲットとするメディアに取り上げてもらうためには、極端な話、そのメディアだけに向けたプレスリリースを作成・配信するのも手かもしれません。

 また、そうしたメディアから配信後に届く要望にも、柔軟に対応していこうと考えています。

 例えば、テレビ局の取材を受けるときなどは、「出演者の名字を使った印鑑を作成してもらえませんか?」という依頼を受けることがよくあります。ねとらぼに掲載してもらいたいなら、「ねとらぼ」という名前が入った印鑑を作成するなどの対応も、必要に応じて検討していきたいですね。

 とはいえ、現在はニャン鑑の注文に対応するだけで手一杯。新商品の構想はありまして既に試作品も作っていますが、今発売してしまうとニャン鑑を待っている方に申し訳ないです。まずはニャン鑑を作って届けることに注力していきます。

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