多業態の強み。「ハイブリッド鍋」「〆カレー」などのトレンドを自社で仕掛け、メディアに“切り口”を提案するダイヤモンドダイニングのPR戦略

Client
株式会社ダイヤモンドダイニング
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  • 多業態多店舗の強みを生かし、自分たちでトレンドを仕掛けメディア露出を増やす
  • 対象メディアごとに最適なタイミングがある。プレスリリースの配信日時を工夫
  • 新たな業界への参入時、接点なしのメディアとの関係構築にPR TIMESを活用

「九州熱中屋」「わらやき屋」「今井屋」「アリスのファンタジーレストラン」などの飲食店のほか、主にBAGUSブランドで展開するビリヤードやダーツなどのアミューズメント施設、さらには酒類販売や高知の水産加工工場などを運営し、最近ではハワイでの海外ウェディングもスタートし、、多角的に事業を広げるダイヤモンドダイニンググループ。実に74業態で265店舗(2016年2月時点)を展開し、ノンフィクション作家・小松成美氏が著した松村厚久社長の半生を描く書籍『熱狂宣言』がベストセラーになるなど、注目を集めている企業です。

今後はさらに規模を拡大して1000億円1000店舗を目指すという同社。それだけの規模を誇るスケールメリットを生かし、「〆カレー」「ハイブリッド鍋」など、複数の業態・店舗が連動したキャンペーンを仕掛けることで自分たちの手で話題をつくり、メディア関係者に向けて取り上げ方のヒントになる“切り口”を提供してきました。

また同社は、2015年7月に東証一部へ昇格。1年前からそれを見据えて、企業広報にも力を入れていた。多業態・多店舗を運営している企業ならではの課題・取り組みや、集客が主目的の店舗広報と企業ブランディングが主目的の企業広報との違いについて感じることなど、同社店舗広報部の重田委久子部長と企画戦略部で企業広報を担当する江角早由里氏に話を聞いてきました。

店舗をPRする店舗広報、企業ブランディング担当の企業広報

――お二人が担当している広報業務について教えてください。

[重田委久子氏(以下、重田氏)] 私どもは飲食店、アミューズメント施設などを運営しておりまして、私のいる店舗広報部で飲食店やアミューズメント施設のPRを、江角の所属する企画戦略部で企業ブランディングを目的とした企業広報を担っています。

[江角早由里氏(以下、江角氏)] 私はもともと、重田に広報業務を教わりながら店舗広報を担当していました。それが2014年11月に当社が東証二部に市場変更する前のタイミングで「企業広報にも力を入れていこう」という会社の方針が決まりまして、企業広報担当に就くことになったのです。

新たな業界への参入時や企業広報のスタート時、リレーションづくりに苦心

――それだけ多くの業態で店舗を展開していて、飲食業界からアミューズメントやウェディングなどの新たな業界に参入することもあったわけですよね。企業広報を始めたばかりのときも該当したかと思いますが、未知の業界・領域で広報業務を始めるに当たり、どうやってメディア関係者とのリレーションを構築していったのでしょうか。

[江角氏] 企業広報は、そもそもどのメディアの誰に連絡を取ればいいのかも分からないところからのスタートでした。

 ですから、まずはPR TIMESの提供するプレスリリース配信代行サービスを使って、会社の取り組み等に関するプレスリリースを配信し、記事を掲載してくれたり、興味を持って問い合わせしてくれたりした記者と情報交換をするところから始めていきました。

 それがきっかけで、こちらが次にアプローチしたい経済部などの担当記者を紹介してもらうこともありました。また同業の仲の良い広報担当者にも、まだあいさつできていないメディアの知り合いを紹介してもらえないかとお願いしたりして、少しずつネットワークを広げていったのです。

 店舗広報のときは、とにかくアピールできる情報を見つけては、メディア関係者に向けて積極的に発信するように心掛けていましたが、企業広報は店舗広報と勝手が違います。メディアが必要としてくれたとき、確実に声を掛けてもらえる関係を築けるよう、今はとにかくコミュニケーションを密に取るようにしています。

[重田氏] 私は当社がまだ小さく事務所を構えた2003年から広報業務に就いていますが、アミューズメントやウェディングといった業界に参入するときには、同じようにメディア関係者とのリレーションづくりに苦労しましたね。

 新しい業界で広報を始めるときには、こちらからどんなメディア関係者にアプローチしていけばいいのか、分からないわけです。

 そのように見通しの立たないところから業務を始める広報担当者には、PR TIMESのようなサービスが役立つと思います。これまでまるで接点がなかったメディア関係者にもプレスリリースを配信できますから、より短期間できっかけづくりができます。

導入のきっかけは、Webメディアとのリレーション構築に関する悩み

――そのような目的でもPR TIMESを活用いただいているわけですが、そもそも導入したきっかけは何だったのでしょうか。

[重田氏] Webメディアとのリレーションを構築していくためです。

 新聞・ラジオ・テレビ・雑誌といったマスメディアで働くメディア関係者の皆さまとは、昔からお付き合いがあり、頻繁に連絡を取り合っています。しかし、Webメディアの記者・関係者の皆さまとは顔を合わせる機会がほとんどありません。サイトを見れば「プレスリリースは、こちらの宛先にお送りください」とは書かれていますが、実際のところ、その宛先にプレスリリースを送っても目を通していただけているのか、不安に感じていました。

 その上、ようやくWebメディアの記者・関係者と連絡が取れるようになったと思っても、マスメディア以上に転職・異動が激しいのです。すぐに連絡が取れなくなることが多く、「Webメディアの記者・関係者と継続的にリレーションを取っていくためには、自分たちの力だけでは難しい」と感じていました。

 そんな背景があって、プレスリリース配信代行サービスの導入を検討しました。比較検討する段階でPR TIMES以外のプレスリリース配信代行サービスを試したこともあるのですが、私にとってはPR TIMESが一番使いやすかった。管理画面からの画像アップロードのやり方、掲載実績を報告してくれるWebクリッピングサービスのレポートの見せ方など、使っていて心地よかったのです。

 あとは営業担当者のサポートですね。私はデジタルが得意ではありませんので、分からないところを丁寧に教えてくれて助かりました。

対象メディアに合わせて配信日時を変更。GW中の配信がY!トップの長時間掲載に

――PR TIMESを利用したプレスリリース配信、どんなところを工夫していますか?

[重田氏] 配信する内容によって、配信する曜日・時間を変えるようにしています。

[江角氏] 例えば企業広報なら、新聞社の記者などが確実に活動しているタイミングを狙います。1週間の前半、火曜~水曜の営業時間中、特に株の市場が閉まった15時以降を狙って配信するわけです。

[重田氏] 一方、店舗広報の場合は、週末により多くのお客様に当社店舗へ足を運んでほしくて配信するのですから、antennaなどのニュースキュレーションアプリに取り上げてもらえたときのインパクトが大きくなるように、金曜の夕方~夜に配信しています。

 店舗広報のプレスリリースを配信するタイミングについてですが、「反響がないからプレスリリース配信を控えた方がいい」と考えていたゴールデンウィーク中に、業務上の都合で、仕方なく配信したことがあります。

 「記事として取り上げられる可能性は低く、あまり集客にはつながらないだろう」と予想していたのですが、そのプレスリリースから書かれた記事がYahoo!のトップページに長時間掲載されることになり、それからしばらく取材依頼が舞い込んできたことがありました。

 営業時間内できっちり業務を終わらせるメディアもあれば、遅い時間まで記事更新しているメディア、土日や祝日も稼働しているメディアもあります。自分たちがターゲットとするメディアが記事化してくれる配信日時の傾向を分析するためにも、あえて他社が避けるタイミングでプレスリリースを配信してみるというのは、意外と有効な手段かもしれません。

多業態・多店舗で足並みをそろえ、「〆カレー」「ハイブリッド鍋」などのトレンドをつくる

――多業態で店舗展開する企業の広報ならではの取り組みなどがありましたら、教えてください。

[重田氏] 例えば、某有名テレビ番組ディレクターが企画に悩んでいたとき、ハイブリッド濃厚海鮮鍋、トルネード肉鍋、パクチー鍋、オイル鍋といった特徴的な鍋を多数紹介している当社の鍋ページを見つけ、「テレビで取り上げたら面白いかもしれない」と感じ、その中から数種類の鍋を紹介してくれたそうなのです。

 同じように2015年夏には、お酒を飲んだ後には〆ラーメンならぬ「〆カレー」はどうでしょうか、というメッセージを発信してみました。当社が運営する多業態・多店舗で足並みをそろえて〆カレーをアピールしたことで話題が広がり、メディアからの注目も集まりましたね。

 不動産、ウェディングといった一生に1度しか購入しないものと違って、飲食は毎日のように利用されるビジネスです。そうした理由があるからか、業界内でのライバル意識は激しくなく、むしろ仲が良いくらいです。広報会などを通し同業他社との広報担当者ネットワークが上手く機能していますから、時にはメディアに向けて「こんな切り口で取り上げてみませんか?」と飲食業界全体で働き掛けるような取り組みもしています。

店舗広報と企業広報、連携することで生まれるメリット

――複数の業態で足並みをそろえたことで話題が広まったように、店舗広報と企業広報、両者が連携することで生まれるメリットもあるのでしょうか。

[重田氏] 当社ではまず店舗広報と企業広報の業務で重なるところが出ないように、同じニュースを出すにしても対象メディアをしっかり意識し、発信するメッセージに違いが出るようにしています。

 例えば、店舗広報からのメッセージは「今度はこんな業態の飲食店をオープンして、これまでになかったおいしい料理を提供します」といった一般のお客様向けの内容にします。対して、企業広報に盛り込むべき内容は、株主、投資家、社員、入社希望者をはじめとした会社の動きに興味がある方向けの情報。「企業としてどんな戦略を持って、今回の飲食店を企画したのか」といった情報を届けるようにしています。

[江角氏] 連携という意味では、店舗広報の成果を企業広報がアピールすることもあります。「戦略的にPRを仕掛けて、テレビにこれだけ露出しました」「企業として、これだけPRのノウハウがあるのは強みです」といった具合ですね。

 企業広報としては、店舗広報のがんばりでメディア露出が増えていますから、さまざまな場面で助けられています。

 一例を挙げると、飲食業界の企業はどこも採用難で苦しんでいるのですが、当社は採用については他社に比べ比較的やりやすくなっています。運営する店舗がメディアで取り上げられることが多いので、採用関連の情報を発信するときに「この店舗もあの店舗も、ダイヤモンドダイニンググループが経営しています」というメッセージを加えると、当社に興味を持ってくれる人が増え、実際に採用にもつながってくるのです。

オウンドメディア、ソーシャルメディア、動画などを上手く活用していきたい

――最後に、今後の抱負について、聞かせていただけないでしょうか。

[重田氏] Webメディアへのアプローチを強化しようとPR TIMESの利用を始めたわけですが、今後ますます、広報業務を進める上でWebを活用する必要性が高まってくると感じています。

 オウンドメディア、ソーシャルメディアなどをどう活用してメディア関係者や一般のお客様に自社情報を届けていくのか。これから試行錯誤が続くことになると思いますが、なんとか店舗広報の効果を上げて、1人でも多くのお客様に当社グループの店舗に足を運んでもらえるように尽力していきます。

[江角氏] 私にとっての課題は、とにかく1人でも多くの人に「ダイヤモンドダイニング」という会社を知ってもらうことになります。

 重田の発言とも重なりますが、PR TIMESなどの広報業務の支援会社からも力を借りて、影響力があるメディアのことに詳しくなっていきたいです。

 最近では、広報に動画を使うと訴求力が強くなると聞いたことがあります。近いうちに、動画にもチャレンジしてみたいですね。

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