こだわりの商品が思うように売れなかった――PRでこだわりを伝えることで“壁”を乗り越えたカレルチャペック紅茶店のPR事例

Client
有限会社カレルチャペック
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  • こだわりの商品に自信はあったが伸び悩み。PRに注力し始めたことで壁を越えた
  • 『名探偵コナン』とのコラボ紅茶をPR。大反響でコナンファンがリピート客に
  • こだわった商品に、語るべきストーリー。PRすれば反響は大きいと予感

苦労の末、ものすごくこだわった商品が完成した――。そこで満足してしまい、広報や販売促進などに十分注力できていない企業も、意外と多いのではないでしょうか。

1987年創業のカレルチャペックは、妥協しない商品づくりで着実にファンを増やしてきた紅茶店。産地の特徴がはっきり分かる旬の紅茶、オリジナリティーあふれるフレーバーティーやハーブティー、オリジナルレシピのジャムやお菓子など、こだわり抜いた商品ばかりを販売しています。

けれど、こだわり過ぎたためか、「商品が完成したら、いつもちょっと燃え尽きてしまっていた」ため、広報や販促の活動が十分にできていなかったのだとか。他の紅茶店には絶対負けない商品を扱っているという自信はあっても、なかなか思うほどには売上が伸びないと悩んでいたそうです。

それがある出来事がきっかけになり、PRの必要性を切実に感じるように。試しにPR TIMESを使って、人気マンガ『名探偵コナン』とコラボレーションした紅茶をプレスリリースで紹介したところ、コナンファンが何度も来店してコラボ紅茶などを購入してくれるようになりました。

それ以来、こだわりの新商品をプレスリリースで配信するたび、客層が広がり来店者数が増えるという好循環に。これまでにないほどのペースで売上が増えてきているということです。

カレルチャペック紅茶店は、どんなことがきっかけになってPRの必要性を感じるようになったのでしょうか。こだわって開発した商品を持つ企業ほどPRを活用すべき理由など、同社の山田詩子代表取締役、井上育枝常務取締役に話を聞いてきました。

「おいしい紅茶を飲みたい」と始めた紅茶店。30年変化のない業界にモヤモヤ

――カレルチャペック紅茶店を創業した経緯を教えてください。

[山田詩子氏(以下、山田氏)]私自身が紅茶好きで、「おいしい紅茶を飲みたい」という一心で1987年に自分で会社を立ち上げました。

 それから30年近く紅茶を取り扱ってきたわけですが、ずっとモヤモヤした気持ちを抱えていました。モヤモヤの原因は、30年前から紅茶の世界がまったく変わっていないことなんです。

 例えば他の業界に目を向けてみると、この30年間で、日本にもワインブームがやってきました。ボジョレー・ヌーボーの解禁日がやってくると、ちょっとしたお祭り騒ぎになりますよね。コーヒーにしても、スターバックスなどが牽引した“セカンドウェーブ”がやってきて、今度は豆の個性を重視する“サードウェーブ”が注目されるようになっています。

 それなのに紅茶の世界では、30年前から大きな変化が起きていない。このことを残念に感じていました。

「低地産=低品質」と思っていた紅茶がおいしくて驚き

[山田氏]そんなモヤモヤをずっと抱えてきたわけですが、3~4年ほど前、ある人から「ルフナにすごくおいしい紅茶があるよ」と紹介を受けました。

 ルフナはスリランカにある紅茶の産地で、標高200~700mほどの畑で栽培する「ローグロウン(低地産)」です。低地産だからといって決して品質自体が低いわけではないのですが、紅茶関係者の方でさえ、「低地産=品質が低い」と認識している人が多くいます。

 恥ずかしいことに、私もそれまでは「低地産=品質が低い」と思っていたんです。それが紹介されたルフナ産の紅茶を飲んでみたら、驚くほどおいしかった。「この紅茶をつくった人に会ってみたい!」と思いまして、すぐにスリランカへ飛びました。

 現地で紅茶工場を見学させてもらい、片言の英語を駆使して気になることをいろいろ質問してみたんです。それまでは「紅茶はどれも、同じような工場で同じような製法で作るんだろう」と考えていました。収穫した茶葉を乾燥させて、カットして、茶揉みして、発酵させて――と複数の工程があることは知っていましたが、実際に工場を見学しながら質問したことで「乾燥させる風の温度にこだわる」「晴れの日と雨の日で乾燥させる温度を変える」「よりおいしい紅茶を作るために工程を増やす」など、工場ごとにいろいろと製法を工夫していることを知ったんです。

インドとスリランカは「同じ国」!? PRに注力する必要性を感じるように

[山田氏]そのようにして、現地でこだわりを持って紅茶を作っている生産者と仲良くなっていきました。そして彼らから紅茶づくりについて学ぶだけでなく、「彼らにも日本の紅茶事情を知ってもらおう」と思いまして、紅茶セミナーの講師として彼らを日本に招いたんです。

 紅茶セミナーでは、参加者にスリランカのことをもっと知ってもらおうと、クイズを出してみました。用意したクイズのひとつは「インドとスリランカは同じ国だと思うか」。答えは「別の国」です。スリランカの人口の大半を占めるのはシンハラ人で、インドとは民族も宗教も言語も違います。

 それなのに、セミナー参加者のほとんどは「同じ国」だと思う方に手を挙げて……。スリランカから来日してくれた生産者は、すごくショックを受けていましたね。

 私たちが「みんな知っているだろう」と思っていたことですら、ほとんど知られていなかったわけです。スリランカには7つの紅茶産地があること、産地によって全然違う味の紅茶が作られていることなど、知られているわけがありません。

 そんな経験をしたことで、「スリランカ産の紅茶の魅力を伝えるためには、もっと正確な情報を広く発信していかないといけない」と強く感じるようになりまして、PRに力を入れていこうと決意しました。

こだわった商品ばかりで語るべきストーリーは多い。PRすれば反響はあるはず

――従来はPR活動として、どのような取り組みをしていたのでしょうか。

[井上育枝氏(以下、井上氏)]カレルチャペック紅茶店を30年続けてきたことで、ファンになってくれた方々がいらっしゃいます。そうしたファンの皆様とはSNSでつながり、新製品やセールの情報などを発信していました。

[山田氏]メディア向けには、私が絵本作家としても活動していますので、そうした人脈も生かしつつ、編集者やライターの方へ個別にプレスリリースを送って「特集で取り上げてもらえませんか?」と依頼していました。

 編集者やライターの方、1人1人にお中元やお歳暮を贈りましたし、「Faxで情報をください」と頼まれた方にはFaxで、「カラーで欲しい」と依頼されたら印刷物を郵送で送るといったように、昔ながらのやり方でプレスリリースを送っていました。

――「PRに力を入れていこう」と考えるようになり、まずはどのようなことから着手しましたか?

[山田氏]PR TIMESを使い始めました。当社で働いているデザイナーから「以前勤めていた会社でPR TIMESを使っていた」と紹介されたことがきっかけで興味を持ちました。

 「私たちがどれだけ良い商品を作っても、外に向けて情報を発信しないことには伝わらない」という問題意識を持っていましたし、以前からのやり方ではメディアの特集などで取り上げてもらえるかどうか計算できません。PR TIMESのようなプレスリリース配信サービスを使えば、これまでアプローチできていなかったメディアにも取り上げてもらえるようになるかもしれませんし、私たちから消費者へ直接情報を届けられるようになると期待していました。

 それでPR TIMESの営業担当者に来社してもらって話を聞いてみたら、最近はプレスリリースで流した情報がSNSでそのまま拡散することもあるし、プレスリリース配信サービスを使って情報を流せば、その情報を基に記事を作成してくれるWebメディアも増えているということでした。

 それなら、私たちはすごくこだわった商品を作っているし、語るべきストーリーもたくさんあります。PR TIMESを利用すれば、かなり反響が得られるのではないかと感じました。

『名探偵コナン』とのコラボ紅茶にケタ違いの反響。「これ、間違っていませんか?」

――そしてPR TIMESの導入を決めて、初めて配信したのはマンガ『名探偵コナン』とコラボした紅茶を紹介するプレスリリースでした。

[山田氏]私自身がコラボ商品を考えるために『名探偵コナン』を読んだら、のめり込んでしまいまして(笑)。それで「コナンファンだったら、このエピソードが好き」という10個のエピソードを小学館の編集部に紹介してもらい、その中から2つのエピソードを選んで、コラボ商品のテーマにすることにしました。

 コラボ商品にしたひとつは、作中のトリックにも使われた色が変わる紅茶を再現したもの。色の変化するハーブを特別に輸入して、コナンがシャーロック・ホームズの部屋でお茶を楽しむイラストを描いてパッケージにしました。

 もうひとつは、ヒロインが主人公に抱く甘酸っぱい恋心を表現したレモンパイティー。「レモンパイ」「ロンドン」をキーワードに、爽やかで茶葉そのものに柑橘系の香りがするサマーセット茶園のディンブラ茶を使い、甘いカスタードとレモンのフレーバーを加えました。

[井上氏]そうしたこだわりをPR TIMESのプレスリリースで配信し、Facebookページでも投稿したところ、いいね!が1280件、シェアが120件も発生しました。普段はいいね!が200件くらいでしたから、文字どおり、ケタ違いの反響になりましたね。

 いくつかのメディアでも記事として取り上げていただけまして、売れ行きもすごく良かったです。

[山田氏]販売担当者がたまたまプレスリリースの配信日に休んでいまして、翌日出社してECサイトの注文数を見たら、「これ、間違っていませんか?」と驚いていましたね(笑)。

コナンファン、VOGUE読者などが来店。客層の広がりを実感

――その後も積極的にプレスリリースを配信しています。来店者数・売上などへの影響は?

[井上氏]コナンとのコラボ商品を発売してから、これまでカレルチャペック紅茶店のことを知らなかったコナンファンも興味を持ってくれるようになり、実店舗へ何度もリピートしてくれるようになりました。

 2016年5月には、プリン専門店で働いていたスタッフがこだわってレシピを考えたプリンを販売再開する情報を配信しました。

 厳選した素材を贅沢に使って、プリン専門のオーブンで焼き上げたプリンです。18世紀のイギリスのプディング型を再現するなど、容器にもこだわっています。「VOGUE JAPAN」のサイトで記事にしてもらえまして、VOGUE読者にもお買い求めいただけるようになりました。

 実は、PR TIMESを使ってプレスリリース配信するようになるまで、確かにカレルチャペック紅茶店のファンは着実に増えてはいたものの、私たちが期待するほど、売上が伸びていたわけではありませんでした。

 それが2016年2月からプレスリリース配信を始めたことによって、コナンファンやVOGUE読者にもリピートして来店いただけるように。客層が広がってきていると実感できるようになりました。

商売するなら、こだわった商品づくりだけでなく、広報・販売の努力が大切



[山田氏]私たちはこれまで、新商品を完成させるまでにこだわり過ぎたからか、発売日には「燃え尽きた……」と感じてしまっていたんです。

 商売するなら、本当はそこからが大切。プレスリリース配信など、商品の魅力を伝える努力や商品を売っていく努力が十分ではなかったので、創業から30年間、いくら優れた商品を作っても大企業には到底及ばない“大型新人”のままだったのかもしれません。

 昔ながらの販売方法を続け、実店舗で商品を売ろうと思ったら、高い家賃を支払ってでも、とにかく人通りがある通りにお店を構えることが重要でしょう。けれど、ネットの世界なら、人通りは関係ありません。読者に響くメッセージを発信できれば、ネット上で一気にたくさんの人へ拡散しますし、最終的には実店舗への来店にも結び付きます。

 思うに、プレスリリースを配信する上で、一番大切なのは「どんな情報を発信するか」です。その点、私たちのように、こだわった商品、伝える価値がある情報を多く持っている企業は有利だと思います。

日本の紅茶文化を底上げしたい。シニアや男性にも紅茶ファンを増やしたい

――最後に、今後の抱負について伺えないでしょうか。

[山田氏]この30年間、紅茶の品質にしても、パッケージのデザインにしても、「競合には絶対に負けない!」と思ってやってきました。

 それなのに、なかなか企業としては成長できず、ブレイクスルーを迎えることができずにいました。そんな状況をとても残念に感じていましたが、今は違います。ブレイクスルーを迎えつつあるという手応えがありますから。

 今後は、コナンファンやVOGUE読者を客層に加えられたように、もっと多彩な情報を配信していくことで、客層をさらに広げていきたいです。スリランカに関する情報、スリランカ紅茶の魅力を伝える情報も発信していきたいですね。

 あとは日本の紅茶文化を全体的にレベルアップさせていきたいです。「紅茶と言えばインドのダージリンが有名だけど、スリランカの紅茶もいいよね」といった会話をする人がもっと増えてほしいです。40歳以上の方、50歳以上の方にも、もっと紅茶に興味を持ってほしい。ソムリエやバーテンダーに憧れる男性がいるように、紅茶をかっこよく飲むことに憧れる男性を増やしていきたいとも考えています。

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