セイコーウオッチの「ツナ缶」、2017年エイプリルフールでNo.1露出を果たした企画に込めたこだわり

Client
セイコーウオッチ株式会社
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  • 時計にツナを内蔵した「ツナ缶」時計、2017年エイプリルフールでNo.1の露出に
  • カロリー別にバリエーションを用意。プルタブの色やツナの形状にもこだわった
  • メディアプロモートをPR TIMESに依頼。適切なターゲット選定で露出を増やした

数多くの企業が練りに練った“ウソ”ネタを披露する4月1日、エイプリルフール。エイプリルフールのネタをまとめた特集記事を掲載するWebメディアも多く、企業の担当者にとってはメディア露出を狙う絶好の機会です。

ただ、ライバルになる企業も多いことから、しっかりと“ウソ”ネタを作り込まないと他社のネタに埋もれてしまう恐れもあります。

さまざまな“ウソ”ネタが披露された中で、2017年にWebメディアが記事として取り上げたネタのNo.1となったのは、セイコーウオッチのプレスリリース「マリーンマスター プロフェッショナルより、究極のダイバーズウオッチ『ツナ缶』を発売」でした。(4月1日時点で70媒体に記事掲載。PRリサーチ調べ)

セイコーウオッチ・エイプリルフール企画特設サイト:
https://www.seiko-design.com/afd/2017/

No.1に輝いたエイプリルフールはどのように企画・立案され、報道資料として作り込んだのでしょうか。こだわったポイントなどについて、同社デザイン統括部の皆様に話を聞いてきました。

元ネタは1975年に発売したダイバーズウオッチの愛称だった

――「究極のダイバーズウオッチ『ツナ缶』を発売」というエイプリルフール企画、どうやって思い付いたのでしょうか。

[デザイン統括部 檜林勇吾氏]「ツナ缶」というのは、1975年に発売したダイバーズウオッチ「6159-022」から始まったプロテクターつきモデル群の愛称です。ケースが円筒状をしていることから、世界中のダイバーたちの間で「ツナ缶」と呼ばれて現在もヒットを続けています。

本当にツナが出てくる「ツナ缶」ウオッチを作ったら、面白いのではないか

 他にもアイデアはありましたが、メンバーで話し合った末、このストーリーに乗って、ダイバーズウオッチのフタを開けたら本当にツナが出てくる「ツナ缶」ウオッチを作ったら、面白いのではないかという結論にいたりました。

 ただ今回は、もともとこの商品を知っているファンに興味を持ってもらえるだけではなく、全くダイバーズウオッチのことを知らない人たちにも広く楽しんでもらうことが目的でした。

 そこで老若男女、誰が見ても「本当に、ツナ缶型の時計が出たのか!?」と思わず信じ込んでしまうくらい、ヴィジュアルのディテールを作り込もうと考えました。

――ヴィジュアルの制作に着手したのは、いつごろのことでしょうか。

[檜林氏]弊部の開発業務を担当する「チーム風穴」のアドバタイジングチームが動き出したのは2016年5月ごろです。そこからどんなプロジェクトを立ち上げるかと検討し、「エイプリルフール企画で行こう」と決めたのが10月でした。

 そこから社内アンケートを経て「ツナ缶」に絞り込み、最終承認を通すといった対応に追われました。実際のヴィジュアル制作に着手できたのは2017年に入ってから。あまり余裕のないスケジュールになってしまいました。

分かりやすい画像を制作、カロリー別にバリエーションを用意

――限られた時間の中で、ヴィジュアルのどんなところにこだわりましたか?

[檜林氏]1つには、「ツナ缶」らしさを演出するため、プルタブをどのように開けたら本物らしく見えるか?いろいろな状態の画像を作って検証しました。

 画像編集ソフトを使って、実物の時計の画像にツナ缶の画像を重ね合わせ、文字板の画像を加工して貼り付けたり。実際にはフタを開けると針が曲がってしまう?など、正直なところ、時計デザイナーとして「許せないかも」とすっきりしない気持ちを感じてもいました。それでも分かりやすさを優先するため、チーム内では「これは電子ペーパー」と言う事にして、一瞬で見たときに面白さが伝わるように作り込んでいきました。

 また、弊社では新商品を発売する際、いくつかバリエーションを用意することが多いため、この「ツナ缶」にも、防水性のメートル表示をカロリーに置き変えた300kcal、600kcal、1000kcal、2000kcalという4つのモデルをラインアップしました。

プルタブの色やツナの形状にもこだわり。作る「ツナ缶」というボツ企画も

[デザイン統括部 丸山哲朗氏]竜頭(リューズ)の位置や大きさにもこだわりました。プルタブにしても「もっと濃い金色の方が分かりやすいのではないか」など試行錯誤しましたし、「ツナ缶」の中身も「細かくなったフレーク状よりも、原形が分かるブロック状の方がいい」と議論の末に決めました。

 他にも、最終的には見送りましたが、特設サイトを見て興味を持ってくださった方がさらに楽しめるよう、「キーワードをSNSに投稿するとノベルティがもらえる」「サイトから『ツナ缶』の展開図をダウンロードできて、プリントアウトして切り抜いて組み立てると紙の『ツナ缶』ができる」といったアイデアも出していました。紙模型のアイデアは実際にサンプルを作って、組み立てられることを確認するところまでやっています。

対象メディアを定めて事前プロモート。Webニュース掲載数1位に

――そして完成した内容を発信するところについては、PR TIMESにご相談いただきました。

[檜林氏]チーム内に広報業務の経験者が1人もいないため、広報宣伝部に「エイプリルフール企画をPRしたいけれど、どこに頼ったらいいか」と相談してみました。そのときに推薦されたのがPR TIMESでした。

 もともと、広報宣伝部はプレスリリースの配信をPR TIMESに依頼していましたので、この企画についてもリリースの制作と、メディアへの事前プロモートをお願いすることにしました。その他にも広報業務に関していろいろと相談に乗っていただけたのでとても心強かったです。

 弊社として、初めての試みでしたから、どんなにアイデアや作り込みにこだわっても、自社サイトにプレスリリースを掲載するだけでは、ほとんど話題にならずに終わっていたと思います。

 それがPR TIMESにプレスリリースの制作・配信とメディアプロモートを依頼したことで、「『ツナ缶』がテーマなら、グルメ系の情報サイトにも取り上げてもらえるのではないか」「このまとめサイトにもアプローチした方がいい」といったように、拡散に有効なメディアについて的確に提案していただきました。その提案のあった各メディアに向けて、事前に記事配信をお願いしたのです。

 このようにPR業務についてはPR TIMESの力を借りたことが大きな鍵となって、企業のエイプリルフール企画の中でWebニュース掲載数1位になることができたのではないでしょうか。

 最終的には100件の記事が掲載されることになり、プレスリリースの原文が転載された件数も33件に上りました。広告換算値で約1億3000万円超の成果につながりました。

 主なWebニュースサイトが掲載したエイプリルフール特集記事には、ほとんど取り上げてもらえました。その中でも「ウォーカープラス」の記事はポータルサイトなどのさまざまなサイトへ転載されて露出を増やしましたし、「ロケットニュース24」の「エイプリルフールで企業や役所がカマした“ぶっ飛んだ”ウソ5選」や、「WWD JAPAN.com」の「ファッション&ビューティ業界のエイプリルネタ8選」といった選び抜いたエイプリルフール企画だけを紹介する記事にも選んでいただきました。

 「自分たちの企画がメディアからも面白いと認められた」と感じられ、うれしかったですね。

お客様に驚きや感動、喜びを。その積み重ねがブランド価値向上につながる

――「チーム風穴」としての今後の計画を教えてください。

[檜林氏]「ツナ缶」のネタをダイバーズウオッチのプロモーションに生かそうかという話も出てきていますし、「2018年のエイプリルフールもやろう」というムードが高まってきたら来年に向けて動き出したいとも考えています。

 社会に求められるものは「モノ」から「コト」へと変わってきています。デザイン統括部としても、製品をデザインするだけに留まらず、その先を意識した取り組みをすることで大きな風穴を開けていきたいです。

[丸山氏]お客様に驚きや感動、喜びを感じていただくために、何ができるか。常にそれを考えながら地道に活動を積み重ねていくことで、ブランドの価値は向上していくものだと考えています。そのために、チーム風穴はこれからも既成概念にとらわれずさまざまなことに挑戦していきたいと思います。

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