“ハンモック”に込めた思いを伝える――広告に頼らずプレスリリースから顧客をつかんだ美容室COCONAの集客術

Client
Hammock Hair Salon COCONA
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  • 美容室はどこも横一列。抜け出すため、広告に頼らず“ハンモック”への思いをPR
  • プレスリリースからテレビなどへ露出。開業数カ月で1日15人前後の来店者数に
  • 広報未経験でもPR TIMESなら無料セミナーで学べる。まずは行動に移すこと

街の至るところで見掛けるコンビニ。全国に5万店以上もあるそうですが、そのコンビニの4~5倍、約24万店も営業している店舗があります。美容室です。

すでに十分過ぎる店舗があるにもかかわらず、美容室の数が減る気配はありません。地域によっては過当競争の状態に。広告を掲載したりチラシを配ったりしても、他店も同じような集客手段を利用しています。美容室を開店しても、横一列の状態から抜け出すのは困難な状況です。

そんな差別化が難しい業界で、すべてハンモック上で施術する美容室「Hammock Hair Salon COCONA」が2017年にオープン。4月に開店を伝えるプレスリリースを配信したところ、テレビのニュース番組などで取り上げられて話題になりました。今では北海道から沖縄まで、全国各地から利用客が集まるようになっています。

「すべてハンモック上で施術」というユニークさを打ち出し、競争の激しい美容室の業界で順調なスタートを切ったCOCONA。ハンモックを使った美容室というアイデアを思い付いたきっかけや、プレスリリース配信を上手く活用した同社の集客方法について、COCONAの角貝代表とマーケティングを担当している羽石氏に話を聞いてきました。

地方で愛される個性的な美容室から刺激。「ハンモック美容室をオープンしたい」

――COCONAを開店しようと思い立った理由について伺えないでしょうか。

[角貝氏]私はもともと美容師として働いていたのですが、1度は美容師を辞めて美容関連のメーカーに転職しました。

 転職後、業務の中で全国各地の美容室を訪問することになりました。各地を見て回り、驚いたのは「お客様から愛されている美容室は、自分が思っていたよりもずっとたくさんある」ということ。良い意味で固定観念を壊してくれる個性的な美容室との出会いもあって刺激を受け、「美容室には、まださまざまな可能性がある」と考えるようになり、開業を視野に入れるようになりました。

 美容師という仕事は、ひとときであってもお客様の人生に触れられて、お客様を笑顔にすることができます。自分自身、1度は美容師から離れたものの、「美容師の仕事が好き」という気持ちは変わっていませんでした。

 それなら、もっとお客様に笑顔になってもらえる美容室、自分なら喜んで通いたくなる美容室はどんなものだろうか、と考えてみたのです。

 自分の好きなハンモックを使った美容室があれば、お客様に喜んで通ってもらえるのではないか。そう思い付き、自分の美容室をオープンしようと決意しました。

ハンモックを置くだけの美容室はもうある。「すべてハンモック上で施術」に挑戦

――各地を見て回り、個性的な美容室から刺激を受けたと伺いました。例えば、どんな美容室から刺激を受けたのでしょうか?

[角貝氏]ログハウス風の建物で営業している美容室のことが、特に印象に残っています。美容師の方々は畑も耕し、野菜が採れたら近所の人たちにお裾分けしていました。

 美容室と言えば、「おしゃれな美容師がスタイリッシュな店内で施術する」というイメージしかありませんでした。地元に密着して自然体で地元の人と接していくスタイルの美容室も成り立つのかと驚かされました。

 そんな経験もありましたから、ハンモックを使った美容室というアイデアは悪くないように感じたのです。

 けれど、当初考えていたハンモックの使い方は、待合室に置くだけ。開業について相談すると、「面白いね」と支持してくれる人もいましたが、「ハンモックを置けばお客さんが来てくれるほど、甘くはない」「オブジェとして待合室に置いている美容室はもうあるよ」など、厳しい意見を頂くこともありました。

 そこで「ハンモックを美容室に置く意義は何だろうか」と、もう1度考えてみたのです。そしてハンモックについて詳しく調べるうちに「楽しい気持ちになれてリラックスできる」「疲れない」といった利点があると、あらためて気が付きました。

 美容室で施術を受けていると、お客様の中には「緊張する」「長時間座っていると疲れる」と感じてしまう方もいます。こうした課題は、ハンモックの上で施術を受けてもらえば、すべて解決できるかもしれない。それならいっそのこと、「すべてハンモック上で施術」してみてはどうかと考えました。

 COCONAをオープンするまでには、「美容室に合ったハンモックはどんなものか」とハンモック職人さんと相談して特注品を発注したり、保健所の許可を得たりと大変なこともたくさんありました。

 それでも、これまでにご利用いただいたお客様には、心から喜んでもらえています。苦労はしたけれど「すべてハンモック上で施術」することにこだわって、良かったです。

アイデアが面白くても、それだけでは本格的なメディア露出につながらなかった

――「ハンモック美容室」というコンセプトについて、マーケティング担当の羽石様はどのように感じましたか?

[羽石氏]角貝とは同じシェアハウスに住んでいた縁から、COCONAのコンセプトについて開業前に相談を受けていました。

 「ハンモック美容室」という打ち出し方は面白いので絶対に流行ると思い、「そのアイデアはいいよ」と応援していました。

[角貝氏]ただ、面白いアイデアだという自信はあったものの、オープンしてからしばらくは集客面で苦労していました。

 アイデアに注目してもらえ、友人・知人のつながりから取材依頼が何件か入ってきてはいました。メディアに取り上げられたこともありましたが、なかなか集客にはつながらなかったのです。

 COCONAのことを、まだ世間には気付いてもらえていない。もどかしかったです。

 そうするうちにオープンしてから数カ月経ち、スタッフも増えてきました。「これは本格的に集客のことを考えないとまずい」と感じ、プレスリリースでも配信してみようかと思って羽石に相談したら、「仕事で毎日、プレスリリースを書いているよ」と思い掛けない返事が返ってきまして。「それなら本業が終わってから、空いている時間を使って手伝ってくれないか」とプレスリリースの作成・配信や宣伝まわりのことを頼むようになったのです。

プレスリリースがきっかけでテレビ・ラジオに露出。来店者数も急増

――そうして「【世界初】ハンモック美容室が日本に登場!」というプレスリリースを配信しました。プレスリリースの配信ツールとして、PR TIMESを選んだのはなぜでしょうか。

[羽石氏]私自身、過去の勤務先でプロモーション業務の経験があります。プレスリリースの配信手段を考えたとき、真っ先に浮かんだ名前がPR TIMESでした。

 PR TIMESは総合PR会社ベクトルのグループ会社で、さまざまなメディアとコネクションを持っています。プレスリリースの配信先も多彩ですので、プレスリリースを配信するならPR TIMESが一番効果的だろうと考えました。

――実際にプレスリリースを配信した後の手応えは?

[羽石氏]PR TIMESを使って1本目のプレスリリースを配信し、そこから波及するようにメディアからの取材依頼が増えました。

 テレビのニュース番組にも取り上げてもらえたのですが、美容室の話題がテレビのニュースになるのは本当に珍しいことですよね。プロモーション業務の経験がある私にしてみたら、それ自体が“ニュース”でした。

[角貝氏]ラジオ番組でも取り上げられました。COCONAのハンモックにレポーターさんが乗って、生中継でインタビューを受けながら施術したこともあります。

 メディア露出が増えたことで、集客状況は明らかに改善しました。プレスリリースを配信してからは北海道から沖縄まで、全国から来店いただけるようになりました。

 オープン直後は1日の来店者数が1~2人しかいませんでしたが、今では多い日の来店者数は15人前後です。十分、経営が成り立つようになってきました。

文章だけでは不十分。魅力的な写真でメディア関係者を引きつける

――プレスリリースを作成するときに、どんなことを意識すればいいのでしょうか。

[羽石氏]引きの強いタイトルを考えること、文書をコンパクトにまとめること、起承転結がしっかりしていることでしょうか。もちろん、誤字・脱字などもないように気をつけています。

 あとはプレスリリースに掲載する写真です。たくさんの写真を用意しておいて、その中からフォトジェニックな写真か、COCONAの魅力を上手く表現できているか、パッと見てプレスリリースの内容が伝わるか、といった視点で掲載写真をセレクトしているようにしています。

 文章だけでは魅力を十分に伝えきれません。メディア関係者が見たときに印象に残るように、引きのある写真を載せることが大切です。

本来伝えたかったメッセージを、必要としてくれる人に届けられるようになった

――美容室の経営者として、プレスリリース配信をどう評価していますか?

[角貝氏]美容室にとって、プレスリリース1本を配信する費用は、決して軽視できる金額ではありません。

 魅力的な情報を配信すれば「安かった」と感じられるほどの成果を得られるものの、何も考えずに配信するだけでは無駄金になってしまうことでしょう。

 ただ、広告を出すにしろチラシを印刷して配るにしろ、近隣の美容室も同じ集客方法に頼っています。横一線の状況から抜け出すための手段として、プレスリリースは非常に有効だと感じます。われわれも1カ月1本を目安にプレスリリース配信を継続するようになりました。

 プレスリリースのことが分かるようになってきて、「自分たちが思いを込めて提供するサービスを、必要としてくれる人たちに届けられる」ところが一番の魅力だと感じるようになりました。

 これまで広告を出稿するときには、本意ではないのですが「どんなクーポンを用意して、刺激的なメッセージを伝えたら、来店してお金を使ってくれるか」ということばかりを意識していました。

 しかし、広告と同じメッセージをプレスリリースで打ち出していては、上手くいきません。「自分たちがどんな思いを持っていてこのサービスを企画・提供しているのか」と思いを伝えられなくては、効果が出ないのです。

 COCONAでは今、「睡眠」というキーワードを前面に出し、プレスリリースには「寝落ちする人が続出」といった表現を使っています。それは疲れているお客様にCOCONAをご利用いただいて、少しでも疲れを癒やしていただきたいと願っているから。プレスリリースを集客方法として活用するようになり、本来、伝えたかったメッセージを、COCONAのサービスを必要としている人たちへ届けられるようになりました。

 飲食店と違って美容室は、「ついさっき、広告を見たから」「昼のテレビ番組で取り上げられたから」といって、すぐに来店してもらえるわけではありません。美容室に行ったばかりですぐ行く必要がないかもしれませんし、「いつも切ってもらっている美容院で十分」と考えるかもしれません。

 ですが、自分たちの美容室の強みを明確にしてその魅力を伝え、誰かの心に残すことができれば、「面白そうだから、いつか行ってみよう」と思ってもらえるようになるのではないでしょうか。

人生は1度きり。夢がある人は諦めないで

――美容室の経営に悩んでいる方、これから美容室を開業しようと考えている方などに向けて、最後にメッセージをお願いします。

[角貝氏]美容師の中には、「この仕事を続けてもいいのだろうか」「自分のお店を持ちたいけれど大丈夫だろうか」といった不安を抱えている人はたくさんいると思います。

 私もかなりの借金をしてCOCONAをオープンすることになりました。不安を感じることもありますが、幸い、開業後は仕事にストレスを感じることはなくなりました。

 「ハンモック美容室」というアイデアを聞いて、「バカなことを」と思った人もいるかもしれません。けれど、悩み抜いて一歩踏み出してみたら、素敵なお店ができました。思い切って開業して、本当に良かったと感じています。

 人生は1度きりしかありません。「美容師を続けたい」「自分のお店を持ちたい」といった夢を持っている人は、諦めないでほしいです。

[羽石氏]「美容室を開業したい」と考えていても、広報や宣伝のことに詳しくない人も多いと思います。

 プレスリリース配信に興味があるのなら、PR TIMESはプレスリリース配信サービスを提供するだけではなく、広報未経験者に向けた無料セミナーなども開催しています。プレスリリースの書き方や効果的な配信方法など、広報に必要な知識・ノウハウを十分に吸収できると思います。

 まずは試行錯誤しながらも、行動に移してみること。しっかりとした内容のあるプレスリリースであれば、想像以上の成果を得られるでしょう。がんばってください。

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