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“配信”はゴールじゃない。プレスリリースをメディア・生活者に響かせる“話題化フロー”を考える

DATA:2018.03.05

PR TIMESは2018年1月23日、大阪・梅田で広報担当者向けの交流会を主催しました。

交流会のテーマは「そのリリース、配信するのがゴールになっていませんか? メディア・生活者に伝わる話題化フローを徹底解説」。プログラムの前半では、取材申し込みは年間220件、そのうち65件はテレビ局からだというゴリップの金栄鶴イノベーション部部長が登壇。後半のパートでは、関西ウォーカーの篠原賢太郎編集長、FORTUNE編集部の上田愛香ディレクターによるトークセッションを開催し、メディア/編集者の視点からどんな編集方針・判断基準から記事として取り上げる情報を判断しているか、語っていただきました。

ゼロから始め、2年後には年間220件の取材オファー。Webで話題をつくるゴリップ広報担当者の流儀

 ゴリップの金と申します。私は2015年8月に当社へ転職してまいりまして、広報・PRなどの業務を担当することになりました。しかし私は、広報・PRの業務は未経験。社内にも経験者が1人もおらず、本当にゼロからのスタートになりました。

 私が部長を務めるイノベーション部は広報・PR以外に、店舗のコンセプトを決める業態開発や商品開発、メニューなどのデザイン・制作にも携わっています。イノベーション“部”とは言っても、2017年4月までは私1人だけ。そこから新卒社員が加わり、現在は2名体制です。

コンセプトが明快でキャッチー。2017年には220件の取材が来るように

 ゴリップは2005年に創業し、サムギョプサル専門店「ベジデジや」、熟成牛ステーキ専門店「Gottie’s
BEEF」、牛カツ専門店「京都勝牛」、肉が旨いカフェ「HOTDOG STEAK CAFE NICK STOCK」、グリル&パブ「The NICK STOCK」、酒と肉天ぷら「勝天-KYOTO GATTEN-」という6つのオリジナルブランドを展開しています。これらのブランドの共通点は、肉へのこだわり。どれもコンセプトが明快で、コピーや商品のキャッチーさが特徴です。

 こうした店舗に対して、2017年には220件ほど取材のお申し込みを受けました。そのうち65件がテレビ局からの取材です。「がっちりマンデー!!」「ヒルナンデス!」「大阪ほんわかテレビ」「ガイアの夜明け」など、キー局から地方局まで幅広く取り上げていただけました。

 それ以外にも、配信したプレスリリースから、Webメディアなどで記事として取り上げていただいた実績が多数あります。

新たなマーケットを創出しよう。経営の上流から広報・PRの“種”が生まれる

 広報・PRを展開する際に、一番意識しているのは「ゴリップを伝えること」です。

 当社の企業理念は「食文化に新しい風を。世の中に大きなインパクトを。人々にパワーを。世の中に大きなインパクトを与えられるように、既存のマーケットを狙っていくのではなく、新たなマーケットを創出できる業態や商品を開発しようと心掛けています。新たなコンセプトの業態を生み出そうとするので、コンセプトが明確で自ずと世の中で話題になりやすい業態が出来あがる。こうして開発の段階で広報・PRするための“種”が豊富に生まれます。

 広報・PRという機能が、経営の上流にある事。これが弊社の強みであると感じています。

Instagram時代の最新消費行動モデル「CREEP」

 最近見た記事の中で知ったのですが、Instagramが普及し、最新の消費行動モデルとして「CREEP」という概念が登場しました。

 帰宅後にソファで横になってSNSをチェックしてだらだらする(Chill out)。SNSで流れる大量の情報の中から気になる情報を自分なりに調べて関わり(Relevance)を深める。そして自分が購入・利用したらどうなるかと想像し(Evoked Set)、実際に購入・利用して体験(Experience)してみて、自分の感想やその場の写真をSNSに投稿(Post)するわけです。

 CREEPモデルは飲食店と生活者の関係をよく言い当てていると思います。私としてもこれを踏まえて、Webで話題をつくり、SNSで露出を増やすことを目指しています。

Webで話題になるのに必要な5つの要素

 それでは、Webで話題になるためには、どんなところに気を配ればいいのでしょうか。私は「ストーリー」「クリエイティブ」「モバイルファースト」「SEO」「ブロガー/インフルエンサーコネクション」の5つが大事だと考えています。

 「ストーリー」というのは、私たちがどんな思いで店舗・商品を開発したかと伝えること。そして、足を運んでくれたお客様が、店舗でどんな体験ができるのかと想像できる情報を伝えることです。

 次に「クリエイティブ」。絵力やシズル感のある写真を用意することが大切です。

 「モバイルファースト」「SEO」は言葉どおり。最後の「ブロガー/インフルエンサーコネクション」ですが、最近は影響を及ぼす範囲こそ狭いものの、マスメディアよりも影響力が強い「マイクロインフルエンサー」に注目する企業が増えてきています。こうした方々と関係性を築いていくことが大切になってきていまして、私も積極的に接点を持つように心掛けています。

上流から下流まで関わり、すべて内製化してトライ&エラーを素早く回す

 これら5つのポイントを重視するのに加えて、広報・PR活動においては「スマホ=個人の手元に届ける良質なコンテンツづくり」を意識しています。コンセプトは明快か、フレーズはキャッチーになっているか、クリエイティブにインパクトはあるか、といった点に気を配っています。

 当社の場合、イノベーション部は業態・商品開発からプレスリリース配信、取材対応まで、すべてのフェーズに関わります。上流から下流まで、一貫性を保てる体制になっているのが強みです。

 また、当社はPR会社を利用しておらず、広報用のクリエイティブ、お店で使用するメニューなどの制作物のデザインすべて内製化しています。トライ&エラーのサイクルを素早く回せるのも、「良質なコンテンツづくり」に役立っています。

成功事例1:東京で話題になった実績をつくり、各地方に展開して注目を集める

 このようにして制作・配信したプレスリリースの中から、特に成功したPR事例を3つご紹介していきましょう。

 1つ目は、京都勝牛が東京初進出したときの事例です。PR TIMESでプレスリリースを配信したところ、アクセス数が5万PVを超え、プレオープンの2日間で500人もの行列ができました。その様子をテレビ局に取材いただいて、オープン当日の朝に2つの情報番組で取り上げてもらえました。

 このときは、オープン1カ月前から複数回に分けて情報配信していく作戦を採りました。まずは1カ月前にプレスリリースを配信し、「“京都発”、連日行列のできる牛カツ専門店」が東京初進出であること、そして「3店舗同時オープン」と伝えました。

 次に、オープン1週間前にもプレスリリースを配信し、直前にオープンした店舗の反響、実際にできた行列の様子などの写真を掲載しました。本当に行列ができるほど人気の店舗であるという事実を、魅力的な料理の写真と一緒に届けたのです。

 その後、首都圏以外の各地方へ初出店するときも、直近の実績、行列写真などを添えてオープン1週間前にPRするようにしました。東京で話題になった実績は各地方のテレビ・新聞・雑誌などに大きなインパクトがあったようで、初進出したときには数多くのメディアに取材いただけました。

成功事例2:地方でつくった実績を、東京初進出の際のPR材料に

 2つ目の事例は、肉が旨いカフェ「NICK STOCK」が東京初進出したときのものです。

 このときは京都勝牛とは逆の展開をしました。京都勝牛が早い段階から東京初進出したのとは逆に、まず地方で展開して実績をつくってから東京に進出したのです。

 そうした理由は、カフェ激戦区の東京で情報が埋もれてしまうことを避けたかったからです。東京で確実に話題化する自信を持てないのなら、まずは地方で話題をつくり、その実績を持って東京に進出しようという戦略でした。京都、大阪、福岡、名古屋、広島へ出店し、その実績を東京のメディアにPRしました。

 その結果、広報会議が「取材されたいテレビ番組」としてランキングしたトップ6番組のうち4番組に取材のオファーをいただけることになりました。

成功事例3:テレビ放送のインパクトを最大化するために、プレスリリースを活用

 最後の3つ目の事例は、京都勝牛が日テレ「ヒルナンデス」で特集されたタイミングで、名物の「牛カツ膳」を500円で提供するシークレットイベントを開催すると告知したプレスリリースです。

 このプレスリリースの配信もあってか、「京都勝牛」がGoogle急上昇ワード10位に、Yahoo! 急上昇ワード2位に入りました。

 このケースの目的は、テレビ放送のインパクトを最大化することでした。テレビ番組を見て興味を持った人が「京都勝牛」と検索することを見越して、番組放送中にプレスリリースを配信したのです。

 PR TIMESでプレスリリースを配信すると、Googleなどの検索エンジンの1ページ目にニュース記事が表示される「Top stories」の枠に露出することもあります。PR TIMESのFacebookやTwitterにも流れますので、SNSでの露出も増えます。

 テレビというメディアは瞬間的な影響力こそ大きいですが、その効果が長続きしないという弱点があります。プレスリリースによってその弱点を補完しようという狙いで、コンテンツマーケティングの一手としてプレスリリースを活用した事例と言えます。具体的には、視聴者には、放送では伝えられなかった「新店・新商品・イベント開催・既存店情報」という追加情報をまとめて届けること。そして、WEBで話題化することで「視聴者以外」にもリーチさせることを狙いました。

自社の価値を数倍~数十倍にも引き上げられるのが、広報・PRの魅力

 このように2年半ほど、広報・PRに携わってきました。私が感じたこの仕事の魅力は、自社の価値を数倍~数十倍にも引き上げられるところ。まだノウハウも少ないですし、まだ果たせていない広報の役割もたくさんありますが、多くのメディアから取材いただけるようになり、非常にやりがいを感じるようになってきました。

 これからも経営にコミットしながら、積極的にゴリップを世の中に伝えていきたい。そのように考えております。

関西ウォーカー、FORTUNEから学ぶメディア/編集者の視点

まずは媒体紹介からお願いします。

[関西ウォーカー編集長 篠原賢太郎氏]関西ウォーカーは創刊1994年。最大発行部数60万部という時代もありました。創刊以来、隔週刊を続けています。

 創刊当時は大学生~20代前半の読者がメインターゲットでしたが、創刊から24年経って読者の年齢層も上がってきました。現在は30代半ばが中心で、男女の比率はほぼ同じ。幅広い読者にご愛読いただいています。

 2017年12月には、「関西ウォーカーWEB」というWebサイトの運営を始めました。KADOKAWAには月間1億数千万PVを誇る情報サイト「ウォーカープラス」もありますが、もっと地域に根ざしたサイトを作ろうと立ち上げました。

 関西ウォーカーの編集方針として、重視していることは3つあります。

 まず1つ目は行動支援、アクションメディアだということです。記事を読んで「楽しかった」ではなく、「行動してみよう」と動き出す力になることが一番大切です。

 次に記事の中身については、本音とリアルを重視しています。本当に行く価値があるのか。行ってみて、高いと感じたか、安いと感じたか。何よりも本音とリアルを追求するように心掛けています。

 もう1つ、街おこしのインフラであるべきだと考えています。地域活性化を促すように、いろいろな仕掛けを駆使しています。

購入時の参考に。どこよりも早く話題のコスメを取り上げるFORTUNE

[FORTUNE編集部ディレクター 上田愛香氏]FORTUNE(ふぉーちゅん)はコスメやメイクといった美容情報を扱うメディアです。スマートフォンアプリやWebサイトとして展開しています。

 対象読者は20~30代の女性。10代女性にも読んでいただいておりまして、月間のPV数は700万ほど。SEOに強く、新作コスメの商品名などでGoogle検索すると、かなりの確率で上位に表示されています。

 コスメ好きの女性に利用していただいていますので、どこよりも早く話題のコスメを取り上げ、実際に使ってみたレビュー記事を掲載するように心掛けています。実際にコスメを購入する上で参考になる情報、新しいメイクに挑戦するときに役立つ情報などを掲載するようにしています。

[FORTUNE編集部統括 竹内望未氏]FORTUNEに掲載する記事には5つのタイプがあります。

 1つ目は、プレスリリースから作成する記事。早いものではプレスリリースを受信して1時間以内に記事にします。事前に情報をいただければ、情報解禁の時刻に合わせて公開できるように手配しています。

 2つ目は、新作コスメの発表会などを取材した記事。編集部で写真を撮影し、基本的にはその日のうちに、遅くとも翌日には記事を公開しています。

 次に、コスメのレビュー記事。メーカーから新作コスメのサンプルを頂いて、実際に使った感想を記事にします。サンプル到着後、1週間以内の記事公開が目標です。

 他には、編集部主導で流行のメイク方法などをイラストや動画などを使って説明する記事もあります。

 最後の5つ目、「インフルエンサー」として影響力のある美容ライターやネイルブロガー、YouTuberなどと一緒に作った記事も、FORTUNEでは掲載しています。

読者アンケートで世間とのズレを補正。Twitterで最先端のトレンドをチェック

記事を企画・作成する上で、どんな情報を参考としていますか?

[関西ウォーカー 篠原編集長]関西ウォーカーの誌面で実施している読者アンケートを重視しています。

 単純に「面白かった記事」「面白くなかった記事」を聞いたデータも参考になりますが、意外と役立つのが最後に聞くどうでもよさそうな質問です。自分の感覚と世間の感覚のズレを補正するのに役立つのです。

 例えば「好きなお酒は何ですか?」と聞いたことがありまして、1位はビールでした。男性票が多かったです。続いての2位は梅酒。これも予想できた結果で、特に女性票が目立ちました。6位に「お酒は飲まない」という回答が入ったのも、感覚を補正するのに有用な情報でした。

[FORTUNE 上田ディレクター]各コスメブランドの新製品からトレンドを読むようにしています。

 あとはマイクロインフルエンサーがTwitterに投稿する情報ですね。トレンドを最先端で追う人たちは、Twitterで情報発信しているので、必ずチェックしています。

2018年の注目は「ひとり」。10代から生まれるトレンドも追っていきたい

2018年、メディアとして注目しているキーワードやトレンドについて教えてください。

[関西ウォーカー 篠原編集長]「ひとり」ですね。1~2年ほど前から、「おひとり様」「ひとり旅」といったキーワードを目にする機会が増えてきました。

 リクルートの調査によると、「ひとり旅」の比率は11年連続で増加して17.5%にまで上昇しました。これは「夫婦ふたり旅」の25.3%に次ぐ数字で、かなり多いと思います。

 みんな疲れているので、ひとりになりたいということなのでしょうか。仮説ですが、SNSなどが発達し過ぎていつでも誰かとつながるようになった結果、揺り戻しが来て「ひとりで過ごす時間を大切にしたい」と感じる人が増えてきたとも考えられます。

 そうした気付きがあったら、先ほどご紹介した読者アンケートを実施するわけです。「ひとり旅をするなら、どんな旅がいいですか?」と聞いたところ、1位「列車旅」、2位「温泉」となりました。この結果を受けて関西ウォーカーではすぐに「ローカル列車で行くひとり旅」という特集を組みました。

 「ひとり」というトレンドは2018年も続くと考えています。今年も「ひとり」をテーマにした特集を掲載していきたいですね。

[FORTUNE 上田ディレクター]やはり注目してしまうのは、「2018年の春コスメ」などの季節ごとの新製品情報です。

 それ以外では、10代が情報発信して新しいトレンドが生まれることが増えてきているように感じています。短時間の動画配信アプリや、Instagramで配信されるライブ動画などをチェックして、10代から生まれるトレンドを追っていくつもりです。

記事にされやすいプレスリリースとは。関西ウォーカー、FORTUNEの基準

記事にされやすいプレスリリースとは、どんなものでしょうか?

[関西ウォーカー 篠原編集長]人を動かす力があるか。そこが一番大きいです。その場所にしか行かないと体験できない情報、例えば「京都で舞妓体験ができる」といった情報なら取り上げやすいです。

 次に、ニュース性があること。USJにミニオン・パークができたのなら、その情報を完成直後にいち早く伝えたくなります。

 季節感があることも大事です。「何となく夏っぽい」と感じさせるような誌面にしたいので、見た目の季節感は意識します。

 続いて、ビジュアルにインパクトがあること。今まで見たこともないような絶景、「何だこれ?」と思わず興味を持ってしまうような画像があると確率が上がります。

 記事を作ることを考えると、ストーリーがあることも重要です。どんな思いで新製品を開発したのか。人気店に行列ができる理由は何なのか。そうしたストーリーを加えた記事は、たとえ多くの人には読まれなくても、行動を促す力を持ちます。

 それとコストパフォーマンスが高いものであること。2000円以上するけど、イクラやウニがてんこ盛りのこぼれ寿司なら特集したくなります。単に値段が高い/安いではなく、コストパフォーマンスという視点から情報を取捨選択しています。

 他には、トレンドを感じさせること。最近の例としては「フォトジェニックソーダ」ですかね。カラフルで、テイクアウトして飲みたくなるようなソーダ。街でよく見掛けるようになったものも取り上げます。

 最後に、ネーミングも大事です。パッと見て直感的に何かが分かること。例えばリクルートは旅行業界における2018年のトレンド予測として、「へるしい旅」がキーワードになると発表しました。「どんな旅が2018年のトレンドになるのか」と簡単にイメージできるネーミングだと思いました。

[FORTUNE 上田ディレクター]記事化しやすいプレスリリースは、写真が充実しているものです。コスメ単体の写真よりも、コスメを使ってかわいらしくなる様子など、使用シーンをイメージできる写真を使った方が読まれる確率は高くなります。

 サンプルを提供いただけると、実際に使ってみたレビュー記事を作成しやすくなります。実際の製品をいくつか提供いただけるのなら、プレゼント企画を実施することも可能になります。そうした対応をしてくださる企業の情報は、取り上げやすいです。

発表会を取材するか、一番大事なのはその内容。芸能人の出席状況もチェック

「取材に行ってみたい」と思うのは、どんな発表会・イベントでしょうか?

[関西ウォーカー 篠原編集長]基本的には、先ほど挙げた項目に当てはまるかどうかです。発表会やイベントを取材するときは、SNSでの拡散も狙いたいので、アイキャッチ画像のビジュアルも意識します。芸能人が出席するかどうかもポイントです。

 とはいえ、読者の皆さんは見せかけにだまされませんから、一番大事なのは内容ですね。本当に有益な情報なのか。お得だと感じてもらえるものか。そこを見極めるようにしています。

[FORTUNE 上田ディレクター]1次情報として、FORTUNEがどこよりも早く発信できるかどうかを重視しています。新作コスメの発表会やCM発表会など、インフルエンサーがSNSに投稿するよりも先に、情報を出せるかどうかです。

 あとはコスメの発表会であれば、メイク方法の提案や、商品開発中のエピソードなどを直接取材できるかどうかを確認しています。読者に人気のある芸能人が参加する発表会は記事も華やかになりますから、優先的に参加するようにしています。

プレスリリースはいつがいいか。Webメディアの台頭で答えは変わった

「プレスリリース配信はいつがいいか」と悩む広報担当者が多いです。お二人が考える適切なタイミングはいつでしょうか?

[関西ウォーカー 篠原編集長]昔は雑誌中心でしたから、「発売の2カ月前には情報をください」と伝えていました。今ではWebメディアもありますので、即時性が必要な情報はWebで掲載し、雑誌には切り口を変えて掲載するといった手法を採ることもできます。「いつがいい」というのはないです。本当にいいもの、面白いものに関する情報が届くのを、いつでもお待ちしております。

[FORTUNE 上田ディレクター]Webメディアはやはり速さが勝負。情報が届いたその日のうちに、記事にして公開することも多いです。プレスリリース配信のタイミングは「いつがいい」かは気にしておらず、とにかく「なるべく早く記事をあげる」ことを重視しています。

芸能人による拡散、アイキャッチ画像の出来映えなどで反響の大きさに違い

どんな記事に対して反響が大きくなりますか?

[関西ウォーカー 篠原編集長]芸能人がTwitterなどでURLを載せてつぶやいてくれるとPV数が跳ね上がりますね。

 あとは分析系の記事です。「実際どうか」「本音はどうか」としっかり分析して紹介する記事は、先ほどもお伝えしたようにPVとしての反響はそれほど大きくありませんが、行動にはすごくつながりやすいです。

[FORTUNE 上田ディレクター]SNSで反応がいい記事は、アイキャッチ画像のかわいいものですね。写真が複数枚あるとクリック率が上がるので、SNSには魅力的な画像をたくさんアップしています。

 レビュー系の記事に限ると、分かりやすい動画が載っているか、写真がきれいか、といった点で反応が決まるように感じます。

ありがとうございました。メディアや編集者の視点ということで、少しでも広報担当の皆様の参考になれば幸いです。