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グループ全体の広報業務の活性化・効率化に取り組むリンクアンドモチベーション。同社が進める施策とは

DATA:2014.06.23

  • ニュースレターの定期配信で、メディア関係者と継続的に接点を持つ
  • IRニュース配信にもPR TIMESを利用。“即時配信可”が選んだ決め手
  • “人事に興味がある記者”と出会うため、自社の取り組みをWebの各所に拡散

社員の仕事に取り組む姿勢を改善する“モチベーションエンジニアリング”によって、さまざまな顧客企業の組織・社員を変革してきた株式会社リンクアンドモチベーション(以下、LM)。同社はモチベーションエンジニアリングの手法を“働”“学”“遊”の領域にも広げ、研修・採用支援、人材派遣、PC・資格スクール、学習塾の運営、飲食店のプロデュースなど、多角的に事業を展開するようになりました。

事業拡大のためにM&Aなどを推進してきた結果、グループ会社の数は10社ほどに。そこでグループ全体の業務を効率化するため、2014年1月からは総務・人事・ITなどを横断的に支援する部署としてグループデザイン本部を立ち上げ、広報業務も同部署で取りまとめるようになりました。

同部署ではグループ全体の広報活動をより活性化・効率化するために、どのような取り組みを進めているのでしょうか。横山亜紀氏と河野早紀氏のお二人にお話を伺いました。

グループ全体の広報活性化のため、グループデザイン本部から働き掛け

横山様・河野様の担当する業務内容について教えてください。

【横山氏】 私たち2人は社外向けの広報業務に当たっています。記者の方々とのやり取りは河野が、プレスリリースの制作は私が主に担当しています。

 LMとしての広報活動のほか、グループ各社や各部署の広報を支援する役割も期待されています。

 各社・各部署には広報担当者を専任で置いているところもありますが、担当者がいたとしても、総務や販売促進などの業務と兼任しているところがほとんどです。広報活動に割く時間をなかなか取れず、広報業務に詳しい者も多いわけではありません。各社・各部署から「この情報をプレスリリースで発信したい」といった希望が届くこともあまりありませんから、私たちが主体的にグループ全体の情報を収集して「この情報はリリースしませんか」と働き掛けるようにしています。

 そうしたやり取りを繰り返すことで、各社・各部署の担当者に「こんなケースはメディア向けに広報した方がいいのか」と気付いてもらい、グループ全体の広報活動を少しずつ活性化しようとしているのです。

【河野氏】 リリースすべき情報については、経営会議などの幹部が集まる会議から集めるようにしています。

 ただ、それだけですべての情報を拾えるわけではありません。泥臭くとも、各社・各部署のキーパーソンとできるだけランチをご一緒するようにしています。まずは親しくなることで、「この情報は広報した方がいいかも」とふと思ったとき、気軽に相談してもらえる関係をつくろうとしているわけです。

グループ広報を置くことで、記者との関係を深められ、リリース品質も管理できる

グループデザイン本部が各社・各部署の広報を支援するようになったことで、どんなメリットが生まれたと感じますか?

【横山氏】 当社グループには、社員のモチベーションを改善するコンサルティングを手掛ける部署もあれば、人材採用を支援する部署もあります。ただ、確かに部署によって事業内容や専門性は異なるものの、“人事”の領域を対象にした事業が大半になっています。

 部署ごとに広報担当者がいても、最終的に「記事掲載してくれないか」と働き掛ける先は“人事関連のテーマに興味がある記者”になります。結局は同じ記者の方々に連絡を取るわけですから、代表の窓口を置いて関係を深めていく方が効率的です。

 また、発信するプレスリリースの品質を管理できるところも利点でしょう。特に広告宣伝や販売促進の業務と広報業務を兼任している場合、「誇張せず事実情報を基にリリース文を書く」という暗黙のルールを破ってしまう恐れもあります。あるいは逆に、淡々とリリース文を書き過ぎて、メディア関係者に興味を持ってもらいにくくなるかもしれません。

【河野氏】 そうした2つの利点をうまく生かせた例を挙げるとすれば、2013年末に「LMカジノ」という社内イベントを企画し、広報したときのことになるでしょうか。

 LMカジノを企画した背景や実施する意義といった情報を横山がリリース内に盛り込んだことで、テレビ局の方に興味を持ってもらえました。結局、そのときは番組で取り上げていただけなかったんですが、その方には取材を通して、当社の事業について深く理解していただけました。

 するとしばらく時間を置いてから、その方が「変わる社内研修」という特集コーナーを担当することになり、「特集内容を総括する最後のコメントが欲しい」と当社に声を掛けていただけたんです。当社コンサルタントのコメントがコーナーの最後に流されて、多くの視聴者と接点を持つことができました。

「人事ならLM」と真っ先に思い出してもらえるように。ニュースレターを定期配信

そういったメディア関係者との関係を深めるため、工夫していることはありますか?

【河野氏】 人事領域のニュースに興味があるメディア関係者50人ほどをリストにまとめ、定期的にニュースレターを配信しています。当社の最新状況や、当社がお手伝いして組織改革に成功した顧客企業の事例などをお伝えするようにしているんです。

【横山氏】 当社のような事業を展開している企業の場合、定期的に新製品・サービスを発表できるわけではありません。当社から仕掛けた話題を記事にしてもらうことは難しいので、メディア関係者が人事関連の情報を取り上げようと思ったとき、「相談するならLMだろう」と真っ先に思い浮かべてもらえるようになることが重要なんです。

 その意味でも、「あの人なら頼みやすいし、たらい回しせずに適切な専門家を紹介してもらえるな」と思ってもらえるように、河野が各媒体との関係を深めているわけです。

PR TIMESを選んだ理由は、IRにも対応できる即時性と、多数のメディアへの拡散力

そんな貴社で、PR TIMESを利用するようになった理由を教えてください。

【横山氏】 当社はここ数年、いくつかの企業をM&Aしてきました。上場企業でもありますし、「もっと外部に向けて情報発信していくべきだ」という機運が社内で高まり、プレスリリース配信代行サービスを使ってみようかという話になったんです。

 いくつかのサービスを比較して、最終的にPR TIMESを選んだ理由は2つあります。

 1つは、プレスリリースを即時配信できること。中には配信予定の情報を数日前までに送らないと配信できないサービスもありました。けれど、IR関連のリリースなどは、発表前に情報が漏れることは許されません。

 また、当社にはベンチャー企業の文化が今も残っていますから、「何とか明日朝までに、このプレスリリースを配信して」と急な対応を依頼されることもあります。そういった理由があって、即時配信できるかどうかが大きなポイントになりました。

 もう1つは、1万2000以上の媒体にアプローチできる可能性があることです。当社が連絡を取りたいのは“人事関連のテーマに興味がある記者”ですが、どの業界誌でも、その業界の“人事”がテーマになり得るのです。そのため、どんな媒体の記者が興味を持ってくれるのか、こちらで突き止めることが難しいんです。

 それがPR TIMESを使えば、1万2000以上の媒体の中から最大300媒体を選んでプレスリリースを配信できます。また配信したリリースはPR TIMESのサイトに掲載されますから、メディア関係者が人事関連の情報を探そうと思ったときに、検索して当社のことに気付いてくれる確率も上がるはず。そう考えてPR TIMESを選び、LMの取り組みがWebのさまざまな媒体で取り上げられ、拡散するように努めています。

【河野氏】 実際、PR TIMESを使ってプレスリリースの配信を始めてから、メディア関係者からの問い合わせは増えました。先日も、一見して人事との関連性が薄そうな専門誌から、「特集記事を書くために人事について取材させてほしい」と相談が入りました。こちらで把握できていなかったメディアとも関係が生まれるようになったので、とてもありがたく感じています。

グループに加わるスタートアップにも、広報業務を定着させていきたい

今後、“グループデザイン本部”の広報として、注力していきたいのはどんなところでしょうか。

【横山氏】 今後、当社グループはますます規模を拡大していく計画です。グループ会社の数も、どんどん増えていくことでしょう。

 新たに加わるグループ会社の中には、スタートアップ企業も含まれることになるでしょう。そうした企業で働いていると目の前にある業務に対応するだけで手一杯で、広報業務に割く時間はないかもしれません。そんな企業を私たちが支援していくことで、社内に広報業務を定着させて、商品・サービスの認知拡大などにつなげていってほしいですね。

 ただ、そうしたスタートアップ企業には、自社サイトを定期的に更新する余裕すらないかもしれません。そんなときにもPR TIMESを使ってプレスリリースを配信すれば、PR TIMES内に情報を残しておけます。そんな“広報活動を組み立てていく基盤”としての役割も、PR TIMESには期待しています。