素敵な情報なのに世に出せない。埋もれていた情報を表に出し、従来比2~3倍のニュースを届けるパナソニック

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パナソニック株式会社
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  • “プレスリリース”未満のニュースも配信。毎月の配信本数を2~3倍の50~60本に
  • 注目されにくかった商品・サービスにも取材依頼が舞い込み、イベント参加者も増
  • “社内営業”で各部署に働き掛け、発信できる情報が自然と集まる流れをつくる

新商品・サービス発表や自社主催イベントの案内などは大々的に広報するとして、価格・機能の細かな変更や販促キャンペーンの情報はどこまでプレスリリースとして流していいものだろうか……。広報担当を務めてきてこのような悩みを感じたこと、1度や2度はないでしょうか。

総合電機メーカーとして知られるパナソニック株式会社の場合、“プレスリリース”として発信する情報について、社内規定で明確に決められています。従来は、その基準を満たした情報だけを外部に発信し、コーポレートサイトのプレスリリースページに掲載してきました。

明確なルールに則って広報活動を展開できる一方、基準を満たさないために、少数ではあっても特定層には確実に求められる情報を、表に出せないこともあったそうです。

そんなところに課題を感じていた同社ブランドコミュニケーション本部の工藤里衣氏は、「“プレスリリース”に含まれなかった情報も、別の形で世に届けたい」と社内で提案。企業発のニュースを配信・掲載するPR TIMESのサービスを導入し、これまでなら事業部の外には出ずに埋もれていた情報を掘り起こし、一般向けにニュースとして発信する取り組みを始めました。

その結果、同社が発信する情報量は2倍以上に。メディア露出やイベント集客などの面で、少しずつ成果につながってきているという同社の取り組みについて詳しく伺ってきました。

“プレスリリース”に含まれない、社内で埋もれていたニュースも世に届けたい

――まずは業務内容について、伺えないでしょうか。

 パナソニックグループで広報関連の業務に携わる100人ほどの社員からニュースになりそうな情報を集め、受け取った原稿を編集した上で、PR TIMESなどのプレスリリース配信代行サービスを使って一般向けにオンラインで情報発信しています。
 “パナソニックのプレスリリース”として発信する情報について、当社には厳正な規定が存在します。新商品・サービスの情報や会社を挙げたイベントのお知らせなどは“プレスリリース”として発信できますが、各事業部が開く小規模なイベント情報などは“プレスリリース”に含まれません。そうした情報は、これまでコーポレートサイトの片隅に載せるくらい。わざわざ当社サイトを訪れてくれた一部の方には見ていただける可能性があっても、広範囲には拡散できなかったのです。
 そうなると、受け取る人にとって、とても素敵なお知らせになるニュースがあっても、あまり世に広められないこともありました。
 企業が何でも情報発信できるようになった今の時代、このままでは機会損失が多くなるだけだと感じていました。
 少なくとも「広くお知らせするかどうか」を企業側で判断するのは好ましくないと私は考えていました。ただ、“プレスリリース”に含まれない情報を発信する方法が思い付かず、具体的な行動に踏み切れずにいたのです。
 そんな課題を感じていたときに知ったのがPR TIMESのようなプレスリリース配信代行サービスです。こうしたサービスを利用すれば、配信したプレスリリースを大手メディアに転載できて、転載先メディアやSNSなど、さまざまなルートを経由して当社サイトを訪れない人にも情報を届けられるかもしれない。より広く情報を届けるために利用しようと考えました。

情報発信量が2~3倍に。小さな変化だが、成果も感じられるようになった

――“プレスリリース”以外の情報を発信するようにしたことで、貴社から配信されるニュースの本数はどれくらい増えたのでしょうか。

 毎月配信する“プレスリリース”の本数は、20~30本ほどです。プレスリリース配信代行サービスからは“プレスリリース”を含めて毎月50~60本ほどのニュースを発信していますから、表に出せる情報量は2~3倍に増えたことになります。

――情報発信量を増やした成果は?

 Webでのニュース発信を、売上に直結させることは容易なことではありません。それでも長期的に見れば、間違いなくプラスに働くものだと考えています。
 例えば当社の場合、これまでどんなにがんばってホームページをリニューアルしたり、コンテンツを充実させたりしても、なかなか問い合わせにつながらなかった商品・サービスがありました。それがプレスリリース配信代行サービスで“プレスリリース”以外の情報も発信するようにしたところ、取材の依頼が入るなど、さまざまな反響を得られるようになりました。
 他にも、事業部が開くイベントへの事前登録が、以前よりも増えてきたという声もあります。小さな変化ではありますが、これまでなら埋もれていた情報を表に出すようにしたことで、確実に効果が現れてきたと感じています。

“社内営業”で各部署に働き掛け、自然と情報が集まる流れを生んだ

――100人ほどの担当者から情報を集めていると伺いましたが、B to Bの商品・サービスを扱う事業部など、中には情報があまり出てこない部門もあるのではないでしょうか。

 確かにB to Bの事業部など、始めたばかりのころは情報があまり送られてこなかったですね。
 そのころの私の仕事は、社内向けの営業。「何か、外部に届けたい情報はありませんか?」と各部署に聞いて回り、検索エンジンやSNSに私の知らない自社関連のニュースが出ていたら「この情報、配信しませんか?」「事後レポート記事を作成してコーポレートサイトに載せますので、取材させてください」といった具合に働き掛けて、少しずつ情報が集まるように努めました。
 そんな取り組みを続けた成果か、次第に社内で「工藤に相談すると、メディアに載せてくれるよ」「取材してコーポレートサイトに記事を掲載してくれるよ」といった社内口コミが生まれるようになってきました。そうなってからは、自然と情報が集まるようになり、今では1日に2~3本ペースで情報発信できるようになっています。

オンライン、テレビ、新聞での情報発信をもっと戦略的に仕掛けていきたい

――最後に、今後の抱負について伺えないでしょうか。

 PR(パブリックリレーション)、ブランドコミュニケーションの観点から考えると、「いつプレスリリースを配信して、どのタイミングでテレビや新聞での露出を狙うか」といった戦略を立てた上で、その戦略に基づいてオンラインでの情報を発信していくべきだと私は考えています。
 現在は、オンラインでのニュース配信業務に特化して業務を進めていますが、将来的には、もっと大きな視点で情報発信を仕掛けていきたいですね。1つの商品・サービスのライフサイクルの中で、最適なタイミングでオンライン、テレビ、新聞と情報を露出できることが理想です。
 ただ、そうした企業側の理屈で情報を出すタイミングを決めようとすることも、今の時代の流れに反することなのかもしれないですよね。難しいところですがいずれにせよ、オンラインにとどまらず、もっと大局にまで気を配りながら広報活動を展開していきたいです。

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