新メニュー発表後、ニュースで、SNSで、YouTubeで、継続的な話題づくり。2015年夏の大ヒット、デニーズ「純氷 かき氷」のデジタルPRプランニングとは

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株式会社セブン&アイ・フードシステムズ
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  • Webで継続的に話題をつくり、検索数を増やし、「けんさくーぽん」で来店を促進
  • PRプランニングの工夫も奏功し、前年ヒットのパンケーキを5~10%上回る売上に
  • 独力では売り手の視点に陥りがち。PR TIMESのプロ目線からの提案が役立った

スイーツの分野では、塩スイーツ、パンケーキ、ポップコーンと毎年のように新たなヒット商品が登場しています。

ファミレス業界の中で、そうしたブームを押さえた新商品をいち早く提供し、スイーツ好きな層から支持を得ているのがデニーズです。2014年夏には「ハワイアンフェア」の一環として、パッションフルーツやマカデミアナッツなどを添えた本格的なパンケーキを提供。身近なファミレスで、専門店にも負けないおいしいパンケーキを、しかも手頃な価格で食べられるとあって、ネットでも話題になりました。

そのデニーズが、2015年夏の一押しスイーツとして開発し、話題になったパンケーキをさらに上回る売上を記録したのが「純氷 かき氷」。新雪のようにふわふわな食感が魅力のスイーツです。

「純氷 かき氷」を売り出す際、デニーズは新商品をWebで話題化するため、プレスリリースからの記事化、ソーシャルメディアでの口コミ拡散、YouTuberとのコラボ動画公開、“ある仕掛け”を用いての来店促進――と、事前に練っていたPRプランニングのシナリオに沿ってPRを展開。常連客だけでなく新規の客層にも興味を持ってもらえ、来店につなげることに成功しました。

デニーズでは一体、どんなPRプランニングを立てて新メニュー発表の日を迎えていたのでしょうか。株式会社セブン&アイ・フードシステムズの販売促進部でデニーズの販促・PR全般を担当する瀬戸昭広統括マネジャーに話を聞いてきました。

パンケーキと同じ条件がそろった! ヒットの予感があった「純氷 かき氷」

――これから「純氷 かき氷」のPRプランニングについてお話を伺いたいと思います。最初に、「純氷 かき氷」を開発した経緯から伺えないでしょうか。

 2014年に売り出したパンケーキがヒットし、その理由を社内で分析してみました。すると、「雑誌などでよくパンケーキの特集を見掛けるけれど、実際に食べたことはない。専門店に行けば食べられるけれども、自宅近くにはない。遠出して専門店まで行っても1000円以上することもあるから、そう気軽には食べに行けない」という人が意外と多いことが分かったのです。
 パンケーキがヒットしたのは、そうした人の「パンケーキを食べたい」というニーズをデニーズが上手く取り込めたからではないのか。それなら今年、その条件に該当するスイーツは何だろうか。そう考えてみたところ、候補として浮かんできたのが、かき氷だったのです。
 実は、かき氷には数年前から注目していました。Googleトレンドでも検索数が右肩上がりで増えていて、特に「ふわふわ かき氷」のキーワードで検索数が急増していることを把握していました。
 そこでデニーズでは、ふわふわ食感のかき氷を提供するため、大変純度の高い水を丸2日かけじっくり凍らせた“純氷”を使ったかき氷を開発しました。
 「雑誌などでよく見掛ける」「実際に食べたことはない」「専門店は自宅近くにない」と、かき氷がヒットする条件はそろっていました。われわれとしては自信がある新メニューでしたから、かき氷のシーズンが本格化する前、梅雨が明けきらない6月9日から販売開始し、ロングランで勝負をかけることにしたのです。

Webで話題を広げて検索を増やし、“けんさくーぽん”で来店を促す

――続いてPRプランニングの内容について、教えてください。

 まずは「純氷 かき氷」の販売開始を伝えるプレスリリースを配信し、Webニュースサイトなどでの記事化、Twitterなどのソーシャルメディアでの口コミ拡散を狙って各所に働き掛けました。
 そうしてネット上で「デニーズに行けば、ふわふわ食感のかき氷を食べられるらしい」という話題が広まると「デニーズ かき氷」といった検索をして詳しく調べる人が増えてきます。そのように興味を持ってくれた人の受け皿として、Yahoo! JAPANで関連キーワードが検索されたときにクーポンが表示される仕組み「けんさくーぽん」を利用し、デニーズの店舗に足を運ぶきっかけにしてもらおうと試みました。

――「検索されたときにクーポンを表示」というのは、おもしろい試みですね。

 以前から、こうした新メニューのPRをわれわれ販売促進部が担っていたわけですが、どれだけ話題になっても「それで実際に来店したのは何人だったのか」という肝心なところを計測できず、もどかしく感じていました。私自身も、自分が取り仕切った仕事の成果をはっきり知りたいと前々から思っていましたね。
 そうした課題を感じていましたから、クーポンをきっかけにして来店を促せる「けんさくーぽん」の仕組みは魅力的だと感じました。PRで上手く話題をつくって検索数を増やせば、それだけクーポン利用者が増えてPRの効果を可視化できる。「けんさくーぽん」を過去に利用した実績はありませんでしたが、今回のPRプランニングにはぜひ組み込もうと考えました。

パンケーキを5~10%も上回る売上。予想以上の人が「けんさくーぽん」を利用

――そうしてPRした「純氷 かき氷」、反響はどうでしたか?

 2014年のハワイアンフェアでも例年以上にパンケーキが売れて成功と言えたのですが、かき氷はパンケーキが作ったデザートの売上をさらに5~10%ほど上回るほどの人気が出ました。いくら話題になっても売上が伸びなければ意味がありませんから、売上が前年を上回ったと聞いて手応えを感じました。
 また、来店時に「けんさくーぽん」を提示してくれたお客様も多く、新聞折込のクーポンと同じくらい利用されていました。
 実は以前から、店舗内で実施しているアンケートを使って来店したきっかけを尋ねていたのですが、「Webニュースを見て」「Twitterで知った」といった回答は非常に少なかったのです。
 それが今回、そうした従来のアンケート結果から予想された数をはるかに上回るお客様に「けんさくーぽん」を利用していただけました。これまで把握できていなかっただけで、WebでのPRには非常に強い影響力があるのだと自信を持てましたね。

早食いしても頭が痛くならない。実際にかき氷の早食い動画を公開してPR

――「純氷 かき氷」のPRプランニングには、PR TIMESもお手伝いさせていただきました。

 そうですね。PR TIMES にはPRプランニングの全体像を設計するところから協力していただきました。
 われわれからは最初に、冒頭でお話ししたデニーズのスイーツがヒットする理由の分析結果と、かき氷は人気上昇中のスイーツであること、ふわふわ食感を出すために“純氷”を使ったかき氷を開発したことなどをPR TIMESの担当者と共有しました。そうした情報を踏まえて、PR TIMESが運営する商品モニターサービス「conecc」の会員や人気モデルなどに働き掛けてTwitterで紹介してもらう、YouTube上で自作の動画を配信していて多くの固定ファンを持つ“YouTuber”とコラボする、といった施策をPR TIMESから提案してもらいました。さまざまな施策を組み合わせていくことで、「純氷 かき氷」の販売期間中、継続的に検索数を増やそうと試みたのです。

――PRプランニングについて、PR TIMESに相談してよかったと思う点は?

 われわれだけでPRプランニングを考えていくと、どうしてもお客様の視点より、われわれ売り手の視点を重視してPRの内容や方針を決めてしまいがちです。
 こんな情報を配信しても、メディアやお客様は興味を持ってくれるのか。どんな打ち出し方をすれば、より多くのお客様に注目してもらえるのか。そういった疑問・悩みに対して、PR TIMESはお客様の視点やメディアの視点を知るプロの目線から、さまざまな提案をしてくれました。
そういった自分たち以外の視点からのアドバイスが、一番ありがたかったですね。

――具体的には、どんな提案があったのでしょうか。

 例えば今回のPRプランニングの中で、YouTuberの「2200年TV」さんとコラボして「夏だ!祭りだ!かき氷だ!1分間でカキ氷の大食い&早食いチャレンジ!」という動画を公開しました。
 動画タイトルどおり、デニーズのかき氷3皿をすべて1分以内に完食してもらおうという内容でした。「純氷 かき氷」の「たくさん食べても頭がキーンと痛くならない」という特長を分かりやすく伝えるため、以前から1分間で「ガリガリ君の早食い」「生卵20個の一気飲み」などにチャレンジしていた2200年TVさんに協力してもらって動画を制作したのです。
 そうした動画での見せ方・切り口を工夫して、より多くの人に興味を持ってもらおうという企画力は、われわれが持っていなかったものです。PR TIMESならではの強みだと思います。

「けんさくーぽん」以外のO2Oの仕組みにも目を向け、試行錯誤を続けたい

――PR担当者として、今後、どんな取り組みに力を入れていきたいと考えていらっしゃいますか?

 これまでPRを仕掛けてきて、ずっと「メディアで話題になったことで、どれだけ店舗への来店に貢献できたのか」という点を気に掛けていました。
 それが今回、「けんさくーぽん」を導入したことで、その成果を少なくとも一面的には把握できるようになったわけです。
 「けんさくーぽん」以外にも、オンラインの取り組みをオフラインの購買につなげるO2O(Online to Offline)のサービスが次々と登場してきていると聞いています。そうしたサービスを比較・検討していって、成果につながりそうなものを積極的に試していきたいと考えています。提供企業と力を合わせながら、われわれがターゲットにしている層に向けて、意図したとおりにメッセージを届け、来店につなげていけるように、今後も試行錯誤を続けていきます。

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