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広報活動の成果をWebクリッピングでミエル化。広告換算で1000万円を優に超える成果の月も

DATA:2014.05.19

  • Webクリッピングで掲載本数・広告換算値を定量的に把握
  • クリッピングデータから競合他社の広報活動を分析。広報戦略・施策立案の参考に
  • 成果が認められ、新商品の発表時期に広報担当が関与。広報・広告連携で効果UP

国内外向けに携帯電話やモバイルWi-Fiルーターのレンタルサービスを提供する株式会社テレコムスクエア。同社は法人向けの事業を中心に展開していましたが、2010年に個人向けの海外Wi-Fiルーターレンタルサービス「Wi-Ho!(ワイホー)」(公式サイト)を開始。それをきっかけに、まずは多くの人にWi-Ho!のことを知ってもらおうと、本格的に広報活動に取り組むことになりました。

いざ広報活動を始めてみると、課題になったのは「成果をどう評価するか」という点でした。解決策として同社はPR TIMESの「Webクリッピング」を導入。記事として取り上げられた本数はもちろん、その価値を広告換算した数値も把握できるようになり、以前よりも社内の協力を得やすくなったそうです。

Webクリッピングで成果をミエル化したことで、社内にどのような変化が起きたのか。同社コンシューマーグループの平野陽子アシスタントマネジャー、岸美沙子氏のお二人に詳しくお話を伺いました。

個人向けサービスを新たにスタート。多くの人から認知を得ようと広報に注力

広報に力を入れることになった経緯について教えてください。

【岸氏】 当社の主力サービスは、国内外向けの携帯電話やモバイルWi-Fiルーターのレンタルです。もともとは法人のお客様が中心で、出張などの際に携帯電話をレンタル提供していました。

 状況が変わったのは、4年前に定額制Wi-Fiレンタルサービス「Wi-Ho!」を始めてからです。例えばアジア圏であれば1日700円でレンタルできます。日本の携帯電話会社の海外パケット定額サービスを利用するよりも、約1/4の費用で済むのが特徴です。

 Wi-Ho!では個人のお客様もターゲットになるため、まずは「こんなサービスもあるのか」と多くの人に認知してもらえるように、これまで力を入れていなかった広報活動に取り組むことになりました。それまで本格的にやったことがなかったので、ノウハウが何もないところからのスタートでしたね。

広報の成果を掲載本数・広告換算値で把握できるように。社内評価も上がった

PR TIMESのサービスを利用するようになったきっかけは、何だったのでしょうか?

【岸氏】 実は、Wi-Ho!が始まってしばらくは、他社のプレスリリース配信サービスを利用しながら広報を展開していたんです。

 ただ広報活動を続けるうちに、当社には「結果を数字で評価する」習慣が根付いているため、「活動の成果を数字で計測しにくい」ところに課題を感じるようになってきました。

 そこで1年ほど前、当社のプレスリリースがどれだけ記事で取り上げられたかを調べるため、対象ワードを含む記事を収集してリスト作成してくれるWebクリッピングのサービスを導入することになりました。

 いくつかのサービスを比較した結果、PR TIMESのサービスに決めたのは、料金体系が定額制で、従量制だった他社のものよりも分かりやすかったからです。またクリッピング対象にするワードも、競合他社の名前を追加できるなど、自由度が高かったところも魅力でした。

 使い始めてみて重宝したのは、記事として取り上げられた本数が分かるだけでなく、露出効果を掲載メディアの知名度・規模なども踏まえ、広告換算値として数値化してくれる機能です。今では毎月、広告換算値と掲載本数を私の方でとりまとめて、競合他社と比較したグラフ・表を作成し、広報活動の成果として社内で報告するようにしています。

 以前は記事になったのを偶然見掛けたとき、「◯○に掲載されました」と社内で紹介する程度でした。数値で定量的に報告できるようになったのは大きな進歩です。上司や経営陣にも、広報の実績をようやく評価してもらえるようになりました。

世間の関心と配信タイミングがマッチ。広告換算で1000万円を優に超えた

貴社資料を拝見すると2013年12月の広告換算値が1000万円を優に超えています。どのようなプレスリリースを配信されたのでしょうか。

【岸氏】 大手家電量販店と提携し、海外用プリペイドSIMカードを販売すると伝えたプレスリリースです。日経新聞やWebメディアなどで大きく取り上げられました。

 注目された理由は、世間の関心が高まる時期と配信したタイミングがマッチしたからではないでしょうか。ちょうど配信の前後に、他社の国内向け格安プリペイドSIMカードのことがメディアで大きく取り上げられていました。プリペイドSIMに対する世間の関心の高まりが追い風になり、当社のニュースも露出が増えたのだと思います。

 注目された分、売上も伸びまして、店舗では完売しました。この1件から、広告換算値はある程度信頼できる数字で、広報活動の成果と販売実績は確かに結び付いていると実感できましたね。

新商品発表のタイミングも広報が関与。広告とも連携させて効果UP

広告換算でそれだけの数字が出たことで、社内の見る目も変わったのではないでしょうか。

【平野氏】 成果を数字で示せるようになったことで、広報活動に協力してもらいやすくなりました。例えば、これまでは新商品発表のタイミングは商品企画担当が決めていましたが、現在は広報担当の私たちと事前に相談して決めるようになりました。

 当社では広報担当の部署で広告の業務も担当しています。新商品発表のタイミングを広報・広告の部署側でコントロールできるようになったことで、広報・広告のスケジュールを立てやすくなり、より広報・広告を連携させた動きができるようになりました。

Webクリッピングで競合他社の広報活動を把握。自社の広報戦略に役立てる

Webクリッピングで競合他社のデータも収集しているそうですが、どのように役立てているのでしょう。

【岸氏】 自社と他社の記事が毎月どれくらい掲載されているか、数字で見えるようになりましたから、広報戦略の立案に役立てています。

 例えば、これまでは何となく「今月はあの会社よりも露出量が多そう/少なそう」と主観で判断するだけだったので、自社と他社の露出量を正確に比較できるようになっただけでも大きな進歩です。これによって、プレスリリース配信の目標本数を決めやすくなりましたし、月半ばで他社に露出が負けていたら盛り返すために臨時リリースを出そうと対策を打てるようになりました。

 他にも、「この会社は当社よりも掲載媒体が少ないのに広告換算値が上。つまり有力な媒体を中心に記者さんたちと関係を築いているのかな」「あの会社は毎月の露出量があまり変わらない。よく調べてみると小さな話題でもプレスリリースとして積極的に配信している」といった分析もできるようになりました。

 まだ始めたばかりの取り組みですが、競合他社の取り組みについて分析を続けることで、広報活動に役立つナレッジを蓄えていきたいです。

自社の強みはサービス品質の高さ。SNSでの口コミ拡散によって認知を広めたい

今後の広報活動について、展望を聞かせてください。

【平野氏】 当社の強みはサービス品質の高さです。例えば24時間サポート対応できるコールセンターがあり、「使い方が分からない」などのお問い合わせがあってもすぐに回答できる体制が整っています。7空港に設置された16個所のカウンターでは、Wi-Fiを設定するお手伝いなどもさせていただいています。さらに自社店舗の展開数、そこでの自社スタッフによる接客は業界唯一だと自負しています。

 他社は低価格を全面に出したPRをしていますが、こうしたサービスの品質はなかなか伝えづらいのが正直なところです。当社のよさを知っていただくには、FacebookやTwitterの個人アカウントで「テレコムスクエアのサポートがよかった」などと口コミしていただいて、それが拡散されていくのが理想だと考えています。今後はそうした動きを後押しするような取り組みに挑戦していきたいですね。