1万円の「刀剣傘鞄」が即完売! “絵づくり”にこだわり、20万円超の撮影費も惜しまない戦国のプレスリリース戦略

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株式会社戦国
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  • 普通ならあり得ないこだわりを持つことで、自社商品を話題化する後押しに
  • “絵づくり”にこだわった「刀剣タイツ」、日経MJの裏面などで大々的に露出
  • 利用企業は1万4000社以上。PR TIMESはBtoB広報にも効果的

会社の定款は書家による「手書きの巻物」、本社所在地は有名な合戦が起きた「桶狭間」、公式サイトならぬ“公式帳面”は「縦書き表示」、商品開発担当者の肩書きは「軍師」――といった具合に、戦国時代の要素を現代に持ち込んだユニークな企業が株式会社戦国です。

2015年6月に創業したばかりの同社は、第1弾の商品となる日本刀を描いたカラータイツ「刀剣タイツ」の発売時に、スタートアップ企業なら条件を満たせば無料で利用できるPR TIMESの「スタートアップチャレンジ」を使ってプレスリリースを配信。日経MJの裏面で大々的に取り上げられたほか、「ねとらぼ」「ウレぴあ総研」など、複数のWebニュースサイトにも記事として露出することに成功しました。

それ以降も、NHK大河ドラマ特別展「真田丸」への商品提供、傘を刀のようにおさめる「刀剣傘鞄」の発売など、プレスリリースを配信するたびに、各方面から確かな反響を得られているそうです。

同社が作成したプレスリリースは、なぜこれだけの成果をあげられるのでしょうか。“戦国”というユニークな名称の企業を創業した背景などと合わせて、同社の美崎 栄一郎“総大将”にインタビューしてきました。

「日本100名城」にメイド・イン・ジャパンの魅力的な土産物を

――「刀剣タイツ」や「刀剣傘鞄」など、戦国時代に縁のある商品を企画・開発しています。こうした事業を始めたきっかけを教えてください

 私はもともと、花王で商品開発を担当していました。花王で働いていたときに感じていたのは「日本にはさまざまな土地があるのに、まだ行ったことがないところがたくさんある」ということ。取引先の企業か花王の工場がある土地くらいにしか、足を運んだことがありませんでした。

 それで花王を退職したときに、「日本全土をこの目で見てみよう」と思ったんです。ただ、何も目標がないとやる気が湧いてきません。どうしようかなと迷っていたときに、偶然「日本100名城」として指定されているお城が日本各地にあることを知り、100名城を全部巡ってみることにしました。

 そして1年かけて100名城を回ってみて、「どの城にも、欲しいと思える土産物がない」と気付きました。商品開発を経験した者として、「欲しいと思える土産物があれば100名城がもっと活性化するはずなのに、もったいない」と思ったんです。

 こんな現状を変えたい。「戦国」というコンセプトで、メイド・イン・ジャパンの魅力的な土産物を開発して売っていこう――。それが戦国という会社を創業した目的になります。

商品を話題にしたいのなら、普通の人がやらないこだわりを持て

――戦国時代関連の商品を企画・開発しているだけでなく、サイトも縦書きになっているところにこだわりを感じます。

 「戦国」というコンセプトの商品を扱うからには、「戦国」にこだわる必要があると感じました。

 会社を登記する住所にしても、「戦国らしい土地はないか」と探しまして、織田信長が今川義元を破った “桶狭間”の地名が住所としてまだ残っていることを知りました。そこに物件を借りて、本社所在地にしています。

 また、戦国時代は甲冑や旗印が1人1人違いました。同じように私たちも名刺を1人1人違うものにしようと、私の肩書きを“総大将”に、広報担当を“狼煙役”に、営業担当を“足軽”にして、デザインをすべて別のものにする工夫をしています。

 定款(設立時に作成する基本規則)にしても、巻物として仕立てました。尾張(愛知県西部)で活躍する書家の谷口栄豊氏に書いていただいた本格的なものです。

 こうしたこだわりを持つことで、手間もお金もかかります。けれど、私たちが発売する商品のことを話題にしてもらいたいのなら、普通の人がやらないことを私たち自身がやるべきです。そうすることで、メディア関係者や消費者の方々に「戦国という会社、面白いよね」と思ってもらうことが重要だというのが私の考えです。

“絵づくり”にこだわった「刀剣タイツ」、PR TIMESを使って発売を告知

――貴社が開発した第1弾の商品は、「刀剣タイツ」でした。

 刀剣タイツはyassangという“軍師”(商品開発担当)が企画したものです。正直、私は「タイツなんて履いたことがないから、売れるかどうか分からない」と思いましたが、同時に「タイツに刀がプリントされている絵は面白い。絵さえしっかりつくることができれば、ネット上で口コミが拡散するだろう」とも考えました。

 そのためには、写真にこだわらないといけません。AKB48のグラビアなども撮影している有名な写真家の青山裕企氏に撮影を依頼することにしました。

 いい写真が撮れましたので、発売をプレスリリースで告知しようと考えたわけです。ただ、プレスリリースは配信したいけれども、知名度の高いプレスリリース配信サービスがいくつかありまして、どのサービスを利用すればいいのか、判断できませんでした。

 そんなときに、あるセミナーに参加してPR TIMESの話を聞いてみたら、他サービスと比較して、アプローチできるメディアの質・量がずっと多いと理解できました。そこで後日、営業担当者に説明に来てもらったら、スタートアップ企業なら条件を満たせば無料でプレスリリース配信できる「スタートアップチャレンジ」というサービスをやっているらしいと。無料で配信できるなら、PR TIMESを利用しようと即決しました(笑)。

日経MJの裏面、ねとらぼなどのニュースサイトに露出し、NHKとの商談にも発展

――プレスリリース配信後の成果はいかがでしたか?

 「日経MJ」の裏面、かなり大きなスペースで刀剣タイツを紹介いただけました。大手企業の新商品でも取り上げてもらうのは難しいのに、PR TIMESにはすごい影響力があるなと思いましたね。

 すると日経MJに掲載された影響なのか、「ねとらぼ」「ウレぴあ総研」などの複数のニュースサイトでも記事として取り上げてもらえました。

 さらに、そうしたメディアの報道で刀剣タイツを知ってくれたようで、NHKからも「大河ドラマ特別展『真田丸』に商品を納めてくれないか」という商談が舞い込みました。これだけの波及効果があるなんて、予想していませんでしたよ(笑)。

広告を見ても消費者の心は動かない。「面白い」と思わせるPRこそが重要に

――その後も1カ月に1本はプレスリリースを配信しています。やはり反響があるから継続利用しているのでしょうか。

 そうです。刀剣を鞘におさめるように傘を収納できる「刀剣傘鞄」も、予想を超える人気商品になりました。

 私の知る限り、日本で1社にしかない特殊なインクジェットプリンタを使ってプリントした商品です。かなり原価がかかるので、価格は1万円前後にもなります。内心、「これ、売れるのかな?」と心配でしたが、プレスリリースを配信したら、一瞬で完売してしまいました(笑)。

 今は、いくら広告でアピールしても、消費者の心はほとんど動きません。だからこそ、PRを活用して「面白い!」と思わせて消費者の心を動かすことが重要なのです。

 ただ、いくら面白い商品を考えても、情報が届かないと意味がありません。私たちはPR TIMESを活用するようになったことで、広く遠くまで情報を届けられる“狼煙”を手に入れられたと感じています。

メーカーや販売店など、BtoBの活動にもプラスの効果

 もうひとつ、プレスリリース配信を始めてうれしかったのは、日本各地のメーカーから「商品の製造を任せてもらえないか」と問い合わせが入るようになったことです。

 戦国は、思わず欲しくなる土産物を開発するだけでなく、その製造を日本各地のメーカーに依頼することで、日本メーカーを応援したいという理念も持っています。

 それがPR TIMESで「刀剣タイツ」の情報を配信したら、別のタイツメーカーから問い合わせが入りました。そのタイツメーカーとは、すでに発売している「忍者タイツ」を一緒につくっています。

 もっと言えば、小売店・専門店・土産物屋などからの問い合わせも増えました。

 当社はすべての販売店と直接取引するポリシーを掲げています。販売店に営業を掛けるときに、当社商品についてニュースで知ってもらっていたり、テレビ放送や雑誌などで取り上げられた実績があったりすると、スムーズに商談に移れます。

 現在は、メディアを見て興味を持ってくれた販売店の側から問い合わせをいただいて商談をスタートすることがほとんどです。効率的に営業活動を進められていますね。

 PR TIMESは1万4000社以上が利用していますが、利用企業は自社情報を配信するだけでなく、同業他社の動向などの情報収集としても活用すると思います。ですから、BtoBの広報にも役立つツールだと、使い始めてから実感するようになりました。

プレスリリースの制作にお金をかけても惜しくない。広告以上の効果を期待できる

――メディアから注目を集めている貴社のプレスリリース、作成時に気を付けている点などを伺えないでしょうか。

 ビジュアルにはすごくこだわっています。1枚の写真で、商品の持つ世界観が伝わるかどうか。今はプレスリリースなどに掲載する写真を撮影するのに、20~25万円くらいの予算を確保しています。

 中には、「プレスリリースで掲載する写真の撮影に、そんなに予算を使うのか」と思う方もいるかもしれません。もちろん、もっと安く撮影することだって可能でしょう。けれど、「この商品、知っている」という人を1人でも多く増やすことが、商売では一番大切なことです。

 プレスリリースの制作費としてお金を使っても、メディアに露出できれば、広告費を使うよりずっと安く済みますし、広告以上の効果を期待できます。

 実際、写真にこだわった刀剣傘鞄のプレスリリースは非常に反応がよく、1312件のFacebookいいね!が押され、さまざまなメディアで記事として取り上げてもらえました。先ほどお伝えしたとおり、一瞬で完売になりまして、写真が与えるインパクトの大きさ、大切さをあらためて感じました。

 もっと言えば、商品開発の段階から「どんな絵で見せるか」は常に意識するようにしています。そして見せた絵が面白くなりそうにない企画には、開発にGoサインを出さない。それくらい重要視しています。

 あとは商品を紹介するときに、ストーリーやトレンドを伝えることを大切にしています。例えば、最近は日本刀に興味を持つ「刀剣女子」という女性が増えています。刀剣タイツの発売を伝えるときには、そうしたトレンドについて文章で触れるようにしました。

 他にも、刀剣傘鞄のプレスリリースについては、素材として岡山県の倉敷帆布を使用していること、帆船の帆や体操のマットにも使われる強い素材であること、その倉敷帆布を使用して1つ1つ丁寧に製造していることなど、ストーリーをしっかり伝えるように気を配りました。

日本産の土産物を、日本の重要な史跡で販売する事業をずっと続けていきたい

――最後に、貴社の今後の目標について、お聞かせください。

 思わず欲しくなる土産物を、日本のメーカーに製造を依頼し、日本の重要な史跡で販売していく。この事業をずっと続けていきたいと考えています。

 ただ、まだ当初の目的としていた「日本各地のお城で、思わず欲しくなる土産物を販売してもらう」という話があまり進んでいません。今後はもっと、お城や歴史館などの観光地との商談を増やしていきたいですね。

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