CROSS TALK 02

京都銀行のベンチャー精神が教えてくれた、綺麗事ではない「仕事の本質」

  • 福岡亮(京都銀行 公務・地域連携部)
  • 安達規晶(京都銀行 公務・地域連携部)
  • 小暮桃子(株式会社PR TIMES マーケティング本部 営業戦略グループ / グループマネージャー)

DATA:2018.12.05

「お客さん」ではなく「パートナー」。一体感で築いた成功の土台

提携プロジェクトを始めるにあたり、さまざまな調整があったかと思います。いちばん苦労した点はどこでしょうか?

安達:取引先に向けて、PR TIMESさんとの提携サービスの開始をどのように告知するかという部分に、最も苦労しました。小暮さんといっしょに2、3か月かけて詰めていき、最終的に、デジタルの活用が根づいていない地元企業にアプローチするには、チラシが有効だという答えにたどり着きました。

それで、告知チラシをつくることにしたんですが、業界で「一番乗り」の取り組みだからこそ、京都銀行でしか使えないような内容にするのではなく、地方金融機関全体で流通しやすいものにできればと考えました。銀行名を差し替えたら、ほかの銀行でも展開できるようなチラシのほうが、ほかの銀行さんも参考にできるし、PR TIMESさんとしても使い勝手がいいですよね。

われわれとしても、このプロジェクトをゼロからイチにするだけではなく、継続的に成功させていきたいというPR TIMESさんの強い意思に共感したからこそ、金融業界における常識をはじめ、銀行業界特有のルールなどをアドバイスさせていただきました。時間はかかりましたが、お互いに納得いくチラシができたので、達成感はありましたね。


そこまで親身になってPR TIMESに協力してくれたんですね。

小暮:はい。ゼロからのスタートだったこのプロジェクトが、いま、提携の輪を広げられているのは、京都銀行さんが私たちと一緒になって取り組んでくださったからだと思っています。

京都銀行さんとの業務提携の発表以降、1年足らずで次々と提携が決まり、現在は名古屋銀行さん、武蔵野銀行さん、城南信用金庫さんなど10例が実現しています。すべて京都銀行さんとの取り組みを評価してくださった結果ですし、スムーズな取り組みが実現しているのも、京都銀行さんと築いた土台があるからです。

安達:実際にそこまで大きな影響があったとは知らなかったので、率直に嬉しいですね。

小暮:私にとって京都銀行さんは、「お客さま」でありながら、ともにプロジェクトの成功に向かう「パートナー」のように感じていました。全国の地方企業の可能性を信じ、一つひとつのプロセスを積み上げてくださった京都銀行さんには、本当に感謝しています。この提携がうまくいかなければ、プロジェクト自体が打ち切りになっていた可能性もありましたから。


PR TIMESを使わなくても、自ら発信できる企業になってもらいたい

2017年5月から提携サービスを実施し、1年半が過ぎました。具体的にはどのような企業がサービスを利用されているのでしょうか?

福岡:これまでに57件の申込みをいただいています。とくに、サービス系企業や小売系企業など、B to Cの企業さまからの申し込みが多いですね。創業したての企業はもちろん、伝統産業からの申込みもいただいています。

小暮:有名な企業さまですと、お茶の老舗企業さまにもご利用いただいていますね。上場している下着の通信販売会社さまにもご利用いただいていますが、意外にもいままでプレスリリースの配信はしていなかったそうです。ほかにも、天橋立の旅館など、これまでPRにリソースを割けなかった京都ならではの施設やお店からもご利用いただいています。


京都銀行という地域の中心となる存在が協力してくれることで、周辺の中小企業もPRに対して目が向くようになったんですね。

小暮:はい。さらにPRの土壌をつくっていくために、PRセミナーを京都銀行さんと共催しています。目的はPR TIMESを使ってもらうことではなく、あくまでPRという手段や方法を知ってもらい、ノウハウを提供すること。そして、自ら行動し、発信できる企業になってもらう。横のつながりを広げる場としても機能しているので、今後も定期的に続けていきたいですね。

福岡:2017年6月に初開催したときには、60社ほどの企業が参加してくれました。始まる前は未知数でしたが、結果的に多くの企業に参加してもらったことで、地方企業には全国に向けて積極的なコミュニケーションを働きかけていこうとする考えに、大きなニーズがあることがあらためてわかりました。


小暮:私もそう感じました。この提携プロジェクトの最終的なゴールは、プレスリリースを配信することではありません。地元の魅力や企業情報が正しく配信されるノウハウを各企業に提供し、しっかりとより良い情報を全国へ広げていってもらうこと。それを実現するためにも、サービスの利用だけではないサポートが今後も重要な活動になってくると思っています。

エンドユーザーを意識したことで気づいた、仕事の本質

京都銀行との提携プロジェクトを通して、小暮さんのなかで成長した部分はありましたか?

小暮:このプロジェクトに立候補したときは、入社からまだ半年、社会人としても2年目でした。当時は営業トークの質を上げたり、マーケティング施策を練ったりと、目の前の課題に追われていることが多かったんです。

でも、京都銀行さんの「ベンチャー精神」を目の当たりにしたことや、一緒に成功させようと取り組むなかで、多くの地元企業にとって価値あるサービスを提供し、たくさんの人の喜びにつなげていくことが仕事の本質だと気づけました。

だから、京都銀行さんとの提携準備を進めながら、全国の地方金融機関に業務提携の相談にまわっていたときも、その本質を大切にしていました。ただ提携をお願いするのではなくて、地元企業の方々に話しを聞いてまわって、彼らの課題を解決するような提案をしていました。提携後も、PRで困っていることを解決するためのセミナーを実施するなど、人の喜びにつながる行動を心がけていました。

仕事の本質を大事にするからこそ、プロジェクトの実現に向けて「行動」し続けられたと。

小暮:それまでタスクとしか見られなかった業務も、「たくさんの人の喜びにつなげる」ために必要なことだと気づいたとき、「追われている」意識はなくなりました。

綺麗事に聞こえるかもしれませんが、事業のいちばんの目的は売上ではなく、社会にいいものや素敵な価値を提供することだと思えるようになったのは、成長できた部分だと思います。


まさに「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」というPR TIMESのミッションの考え方と共通していますね。

小暮:PR TIMESが掲げるミッションの本質について、事業を通して身をもって理解できたことは、貴重な経験でしたね。そこから、「たくさんの人により良い価値を提供する」という仕事の本質を意識した行動ができるようになり、通常業務の成績も伸びたんです。営業成績ではトップを獲得でき、社内でMVPも獲得できました。

福岡:すごい! ぼくはMVPなんて獲ったことありません(笑)。

小暮:いえいえ。これもお二人にご協力いただいたおかげです。本当に感謝しています。ありがとうございました!

取材・文:萩原雄太 撮影:高木亜麗