CROSS TALK 03

MERYとisutaの初対談。それぞれがメディアに込める想いとは

  • 竹口 文佳(株式会社MERY コンテンツ戦略室)
  • 鳥居 愛(株式会社マッシュメディア エディター/ チームマネージャー)

DATA:2018.12.28

いまの女性は魅力を自分で見つけ出すのが得意。プレスリリースに大事なのは、想像できる余白。

さきほどisutaでは、プレスリリースを積極的に活用するという話がありました。MERYの公認ライターの皆さんも、プレスリリースを使っているのでしょうか?

竹口:MERY内にある「MERY PRESS」というアカウントでは、プレス情報をもとにした記事を配信しています。明確な基準があるわけではありませんが、速さにおいても深さにおいても、ユーザーがまだ知らない情報は大切にしたいと考えています。記事にしたときの面白さという視点と、ビジュアルとしての魅力の両方を大切にしていますね。
なので、普段ユーザーが知ることのできない情報の裏側にあるストーリーも重視しています。企業側がプロダクトに込めた想いは、ユーザーが自分とのつながりを想像できる情報なので、それをMERYとして届けることで新しい「すき」を見つけられる体験を届けられると考えています。また、それはテキスト情報だけではなく写真などのビジュアルにおいても現れると思います

鳥居:ビジュアルは本当に大切ですよね。せっかくの素敵な商品・サービスであっても、プレスリリースや記事に使用する写真が魅力的ではないと内容にアクセスしてもらえません。最近は、「美味しいものを食べたい」という欲求だけでなく、「そこに行って可愛い写真を撮りたい」という欲求も女性たちのなかでは大きくなっているので、そういう気持ちに応えようとする企業の取り組みや、プレスリリースでの商材の魅せ方も増えてきたように感じています。


女性たちがいま求めている「いいビジュアル」とはどのようなものでしょうか?

鳥居:一言で言うと、想像力を掻き立てるような写真です。企業や媒体側から「このスポットでは、こんな写真が撮れるよ!」と発信しても、魅力を感じてもらえないこともあります。自分で可愛いものを見つけ出すことが得意ないまの女性には、情報を押しつけるのではなく、自分で想像したくなる「余白」を残すほうが実際の行動に繋がるのかもしれません。

機能やサービスの詳細情報よりも、読み手のイメージがどんどん広がっていく情報や素材が、プレスリリースにも求められているんですね。

本質的な問いを社内に投げかけ、共に目指すビジョンを一致させていく

これまで、おふたりが仕事で大切にされていることは何ですか?

鳥居:私の場合は、チームマネージャーという立場から、編集部の環境づくりを一番大切にしています。編集部のメンバーは、みんな発想が自由で柔軟なので、彼女たちにしか分からないものこそisutaでは大事にしていきたい。でも、新しい発想には初めての挑戦がつきものですよね。躊躇してしまう気持ちが生まれることも私自身よく分かるので、第一歩目は自分がいく、ということを大切にしています。メンバーに迷いが出たときは先にやる、だけど自由な発想が失われないように配慮しながら例を示す、というのが私なりのサポートです。

例えば、話題のお店やコスメ、イベントなどを編集部と一緒に取材する「isuta GIRL」の取り組みは、すべて未知の世界でした。立ち上げ時には、isuta編集部が選んだモデルである「isuta GIRL」のお披露目を行いましたが、私たちにとってイベントは初めてのことで、不安も大きかったですね。

これまでは記事でしか表現してこなかったisutaの世界観を、実際に体験してもらうための空間をどうつくっていったらいいのか、どうしたら伝わるのか本当に試行錯誤しました。社内のメンバーにもサポートしてもらいながら、漠然としたイメージを細部までこだわりながら形にするという作業をひたすら突き詰めた結果、来場してくれた女性たちから「この雰囲気が好き!」というような声をもらうことができました。


竹口:私の場合は、新たなMERYが立ち上がってからこの1年間、ずっと挑戦の連続でした。社内に向けて、MERYとしてのビジョンや、ユーザーに提供したい価値など、サービスの根本に関わる問いを投げかけ、そのために何をしなければならないのかを働きかけてきました。過去のMERYも知っている立場だからこそ、いまのMERYとも改めて向き合い、今のユーザーに愛されるサービスを目指しました。例えば、再スタートした頃の毎日更新される記事は20本程度でしたが現在は70〜100本ほどを更新していて、大きく変化した部分です。

鳥居:すごい数ですね!

竹口:MERYはあらゆる女の子がどんな時でも頼りにしたいサービスでありたい。例えば、朝と夜だと、テンションは全然違いますよね。アプリを開く度に、ユーザーが今知りたいことに出会える場所にするために必要な記事本数を考えました。


会社全体に関わる方針を変更するために、どのようなことを行ったんですか?

竹口:新たな体制でスタートしたMERYでは、「MERYとして実現したい世界」を見つけていくため、MERYを支えている一つひとつをしっかりと定義づけていく必要がありました。株式会社MERYのミッションである「愛をこめて、愛されるサービスをつくろう。」に照らし合わせながら、「ユーザーとは」「愛とは」というMERYなりの定義を見つけ、一緒に共有しました。

鳥居:それってどれくらいの頻度でやっているんですか?

竹口:定期的に時間を作っているわけではなく、その都度一緒に考えるようにしていますね。個々がやりたいことではなく、その先でMERYとして成し遂げたいことは何かを確認するようにしています。それによって、記事だけでなく、アプリのUI、UXの部分にまで、ユーザーへの思いが込められています。

既存のコンテンツにとらわれない。言語化できないものに目を向け、柔軟なメディアを目指す

女性向けのメディアは、今後どのように変化していくと思いますか?

竹口:いま、ユーザーは短いスキマ時間の中で自分にぴったり合う情報を求めていますし、感性に訴えるようなコンテンツが支持される傾向にあります。サービスの今後を考えるうえでは、数字では現れにくく言語化できないものにどれだけ目を向けられるかがより大切になってきますね。そのことから、アプリなどのプロダクトでは最先端の技術も駆使したり、SNSや動画を活用し情報や世界観を届けることに注力していくことで、顕在的なニーズも潜在的なニーズにも応えられるサービスになると考えています。

私自身、テキストや写真という記事形式にこだわる必要はないと思っています。MERYが目指すことが、「女の子の毎日をかわいく。」であるのなら、動画やインスタのストーリーズでもその世界観は伝えられる。その軸をしっかりと持っていれば、リアルかウェブかといった境目すらも気にする必要はなくなっていくと思います。


鳥居:トレンドが移り変わりやすい女性たちの「この先」を予想することはとても難しいのですが、isutaやMERYのユーザーは時代の変化の中心にいる女性たちです。何が起きても彼女たちのリアルな声を聞きながら、柔軟に対応できるメディアでいたいと思っています。

インスタのストーリーズで読者へのアンケートを実施すると、彼女たちの好きなモノ・コトや要望が思っている以上に集まります。この時代ならではの良さとして、SNSから寄せられる声も積極的に取り入れていきたいですね。

竹口:ユーザーのあらゆる生活シーンでより密接に関われるようなサービスでありたいですね!

取材・文:萩原雄太 撮影:高木亜麗