CROSS TALK 04

TechCrunch Tokyoをライブで世界へ 「個の限界」を突破するチームワークのヒントとは

  • 吉田 博英(Verizon Media / Oath Japan株式会社 TechCrunch Japan編集統括)
  • 三島 映拓(株式会社PR TIMES 取締役 経営企画本部長)
  • ホーグエン・バオ(株式会社PR TIMES 経営企画本部 事業開発グループ PR TIMES LIVE/TV担当)

DATA:2019.02.19

持ち場は違えどゴールはひとつ。それが、行動の源泉になる

当日の様子についてもお聞かせください。現場で指揮をとっていらっしゃったバオさん、いかがでしたか?

バオ:動画配信の仕事はこれまで何度も手掛けてきましたが、あんなにたくさんの機材を使ったのは初めてだったかもしれません。スタートからラストまでずっとイベントを見ていたので、できるだけ飲まず食わずで、集中できるようにしていました。人生で一番長い撮影でしたが、なんか生きてるなって思いましたね(笑)。私自身、TechCrunchの価値をどうすればもっと広められるかという思考に変わったのは、とても大きかったです。

三島:前日までどれだけ準備していても、やはり当日新たに対応しなければならないことは多数ありました。私もライブ配信の視聴者としてチェックしていたので、バオには「このカットが少ない」とか、「どこかにPR TIMES LIVEのロゴを入れないと生中継だと分からない」とか、いろいろな要望をSlackで随時伝えていました。バオはとにかくそれに即レス。「いいよー!やるよー!」と。ちょっと殺気立っていたくらいです(笑)。


バオトラブルはすぐに潰して、要望はすぐに対処しました。対応すればもう何も言われませんから、モグラ叩きのようにどんどん叩いていきましたね。

三島:実際、リアルタイムで閲覧数を確認していると5000、6000、気づけば数万人が見ていて、その時に改めて「すごいイベントなんだ」と実感しましたし、そこに携わらせていただいていることが光栄でした。

吉田:現地でのスピーディな動きと言えば、2日目の後だけでなく、1日目も当日のうちに動画を編集してダイジェスト版を作ってくださいましたよね。めちゃくちゃ速くて、あれには感服しました。

バオ:ありがとうございます。少人数のチームでやっていたので、編集とテキストの用意を分業して、その場で制作しました。当初は1日目のダイジェスト版の制作予定はなかったのですが、急遽作ることになって。と言うのも、私も現地で見ていて、TechCrunch Tokyoというイベントで発信されている情報の価値の大きさを感じて、とにかくこの面白さをその場その時だけで終わらせてしまうのはあまりにももったいないと思ったんです。


三島:1日目の盛り上がりを2日目につなげたいという思いもありましたし、イベントって終わってしまうと過去のものになってしまうのが惜しいので、メンバーの総意でした。TechCrunchのみなさんをはじめ、我々もスタッフとしてイベントに携わらせていただく中で、持ち場は違えど「イベントを成功させる」という共通のゴールがあって、そのためには各人が何を優先すべきかを考えるという思考がどこかでインストールされていたんだと思います。だからこそ、イベントの動画を二次コンテンツとして活用するなら絶対にタイムリーに出すべきだと考えました。

バオ:「今出したんで、何か問題があったら言ってください!」と(笑)。

三島:振り返るとあの時は発注・受注という関係性は意識していなくて「チーム」としての感覚がとても強かった。自分自身がイベントオーナーだったら、と考えて走ったのがチームワークにつながったと感じます。

「個の限界」を突破するチームワークは、助けを求めることから始まる

吉田さんにも、当日を振り返っていただいての感想をお聞きできればと思います。

吉田:先ほど三島さんからも「チームワーク」という言葉が出ましたが、その存在に助けられたことがたくさんありました、USから来日していた記者がものすごいスピードで目玉企画だった「スタートアップバトル」の結果を記事にしてくれましたし、たくさんの人を巻き込んで、力を出し合ってもらうことで、「自分の限界=TechCrunch Tokyoの限界」にならず、大きな器でイベントを成し遂げられたと思います。社内のスタッフにもいろいろなシーンで関わってもらいましたし、会社としても達成感がありました。

今回のような成功に結び付いた要因はどこにあるのでしょうか?

吉田:ちょうど編集部の立て直しも重なり、周囲に助けを求め、社内外共に巻き込んでいったことが大きいと思います。自分たちだけで出来ると思わず、早い時期から関わってもらいました。反省点もたくさんありますが、私自身も、初日より二日目のほうが成長できたような実感がありましたね。


バオ:こういうきっかけが無いと、なかなか自分の限界を知ることはできないですよね。とても大変でしたが、終わってしまうともう一度やりたくなります。

吉田:そうですね。自分の限界が見えて、それを乗り越える術が分かったような気がします。私も20年編集の仕事を続けてきて、多くのことを経験してきましたが、今回のイベントでまた先の目標が見えましたし、もっとこうしたいという意欲が復活しましたね。

三島:確かにイベントが終わった後、吉田さんが初めて挨拶した時とは全く印象が変わった!と感じました。

吉田自分にはまだ伸びしろがある、もっと上にいける、という気持ちになれたことが一番大きかったかもしれません。

成し遂げた達成感は、次のチャレンジの情熱に

今回のイベントをきっかけに、みなさんまた次のフェーズへと進めそうですね。

三島:当社としては、これからも各地で生まれる「新しい動き」を情報として世の中に出す際のプラットフォームになりたいと、改めて思いました。今回TechCrunch Tokyoで登壇した方々のような存在を知れば、誰しも「こんなに頑張っている人がいるんだ」とハートを揺さぶられ、「自分も何かにチャレンジしてみよう」とアクションを起こすはず。それが連鎖反応となって、社会全体がもっと前進するための役割を担っていきたいですね。

実際にPR TIMES LIVEのサービスにとっても、可能性は広がりました。単なる動画配信サービスではなく、ダイジェスト版まで編集してワンパッケージで提供でき、地方の記者だけでなく海外からの取材を受けるチャンスになることも分かりました。動画の流通が今よりもさらに加速する時代がきたときに、その時代を後押しできるように関わっていければと思っています。


吉田:限界を超えたという点では、私も次のステップに進めるきっかけになったと感じています。今年はスタートアップコミュニティを支援するということはもちろんですが、TechCrunchとして新しいことにもチャレンジしていきたい。今回のようなイベントの熱気をもっとオンラインに持ってきたいですね。

例えば、スタートアップの動きに興味を持っているビジネスパーソンは多いです。彼らを巻き込んだコミュニティづくりもしていきたいですし、トヨタやソフトバンクなどの大企業がこれからのテクノロジーをどう捉えていくのかなども追究したいです。また、地方のスタートアップ活性化も積極的に行っていきたいです。

バオ:次のTechCrunch Tokyoが今からとても楽しみです!

吉田:開催前までは「早く終わってくれ!」という一心でしたが、次回の目標もできました。年に2回くらいやりたいくらいですよ(笑)。

取材・文:田代くるみ@Qurumu 撮影:高木亜麗