“マス向け”でない情報も積極的に発信。ほうれい線研究の成果や「資生堂書体」といった幅広い話題で注目が集まるように

Client
株式会社資生堂
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  • コーポレートサイトへの流入増加に貢献
  • ほうれい線研究の成果や「資生堂書体」といった意外なリリースがネットで話題に
  • IRや採用に集中していたアクセスが、さまざまなコンテンツに満遍なく分散

事業紹介やCSR、IR、採用などの情報を掲載するコーポレートサイト。製品・サービスのブランドサイトなどとは別立てで運用していると、コーポレートサイトに人を呼び込む予算が用意されず、「せっかく魅力的な情報を発信しても、なかなか人の目に触れない」と課題を感じる担当者も多いことでしょう。

株式会社資生堂で、資生堂グループ企業情報サイトの制作・運用を担う木村桃子氏も、そんな課題と向き合ってきたコーポレートサイト担当者の1人。資生堂の社会貢献、文化活動などのコンテンツをただ制作するだけでなく、広く情報発信にも取り組んでいくことで、資生堂ファンをもっと増やしたいと考えていました。

そこで木村氏が新たに始めたのが、社内に埋もれていた情報を公式サイトに掲載されるプレスリリースとは別に、ニュースリリース配信サービスを利用して配信していくこと。そうすることによって自社の活動をもっと多くの人に伝え、コーポレートサイトへの集客につなげようという狙いがありました。

IRや採用のページにアクセス集中。それ以外の取り組みを伝えるページにも注目を

――まずは所属部署の役割・業務内容から伺えないでしょうか。

 私が所属しているのは、資生堂ジャパンのコミュニケーション統括部メディア戦略室デジタルメディアグループになります。
 コミュニケーション統括部はお客様とのコミュニケーション全般を担っていまして、新聞・雑誌・テレビ・Webサイトといったメディア広告枠のバイイング、女性誌へのPR活動などを行っています。私のいるデジタルメディアグループはその中で、コーポレートサイトやSNSの公式アカウントを運営しています。
 コーポレートサイトの役割の1つは、何か目的を持って来訪してくれたお客様に、探している情報を分かりやすく届けること。さらに、せっかく来訪いただけたのなら、資生堂として伝えたい情報もあわせて見ていただくことだと考えています。
 そして最終的に目指すのは、資生堂の企業活動をより多くの方に伝えていくことで、「資生堂の取り組みには共感できる」と思っていただけるファンを増やし、商品を購入してもらえるようにしていくことだと考えています。
 けれど実際のところ、コーポレートサイトへのアクセスを分析してみると、IRや採用のページにアクセスが集中していることが分かりました。1つ目の役割は確かに果たせていたものの、エコに取り組む社員のストーリーを伝えるコンテンツ、女性の活躍を支援する取り組みなどを紹介するコンテンツなどの地道な活動を伝えるページもたくさんあったのですが、IRや採用以外のページをあまり閲覧してもらえていなかったのです。
 どんなに自社が魅力的な活動をしていても、コーポレートサイトにその活動を伝えるコンテンツを掲載するだけでは、お客様に知っていただけない。そこでSNSの活用やプレスリリース配信といった取り組みを少しずつ試みるようになったのです。

導入翌月には、就活生を応援する写真撮影・メーキャップレッスンがSNSで拡散

――そうしたコーポレートサイトへの集客を増やす取り組みの1つとして、2012年10月からPR TIMESを使ったプレスリリース配信を開始しました。

 それまでも広報部からマスメディア向けにプレスリリースを発信していたのですが、メディアとの関係性を良好に保つため、内容を精査して注目されそうなリリースに絞ってPRするようにしていました。
 そうして精査された結果、コーポレートサイトに掲載するくらいで終わってしまった情報もありました。ですが、たとえマスメディア向けの内容ではなくても、そうした情報を必要としてくれる人もいるはず。プレスリリース配信サービスを使ってより広く情報発信していくことで、コーポレートサイトへのアクセスを増やそうと考えました。
 そのためにプレスリリース配信サービスの導入を検討したのですが、まずは料金や期待される効果などを比較して、PR TIMESともう1社のサービスに候補を絞り込みました。最終的にはどちらも1度使ってみて、記事化された媒体数などの効果を検証し、PR TIMESの方が多くの成果を得られることが分かったので、導入しようと決めたわけです。

――プレスリリース配信を始めて、「これなら成果につながりそうだ」と感じるようになったのは、いつごろからですか?

 導入翌月の2012年11月には資生堂運営の店舗「SHISEIDO THE GINZA」で、就職活動中の学生さんを支援するため、メーキャップして就活用の証明写真を撮影したり、就活用メーキャップ術を個別レッスンしたりする「就活応援メニュー」の情報を配信しました。このプレスリリースにはFacebookのいいね!が330件つきまして、「かなり反響が出たな」と手応えを感じました。
 他の例としては、2013年3月にほうれい線が実はしわではなかったことを突き止めた研究成果を解説する動画を公開しました。この動画については、ほとんどPR TIMESだけで告知しましたが、Yahoo!の映像トピックスで取り上げられ、動画を掲載したYouTubeでの再生回数が9万回以上になりました。
 それ以外にも2014年4月には、資生堂が独自に生み出して手書きで伝承している書体「資生堂書体」のことを紹介したプレスリリースを、こちらも主にPR TIMESからのみ配信したのですが、反響が大きかったです。ポスターやパッケージに使っている資生堂書体に込めた思いを紹介した動画「美と、あそびま書。」を取り上げたものだったのですが、Webニュースサイトの「ねとらぼ」など53媒体が記事にしてくれました。「NAVERまとめ」に資生堂書体を取り上げたページも作成されまして、そちらは25万を超えるPVが出ているようです。

コーポレートサイトへのアクセス数が2倍以上に。各部署からの配信依頼も増加

――プレスリリース配信の成果が、着実に出てきているようですね。

 利用開始当初は1カ月10本前後のプレスリリースを配信していましたが、2015年7月までの実績としては1カ月で平均18本を配信しています。媒体で記事化される本数も確実に増え、今では多くの部署からプレスリリース配信の依頼が入るようになりました。
 取り組みを始めたころは、「配信を依頼しても効果があるのだろうか」と半信半疑だった他部署の社員たちも、PR TIMESのサービス内容について丁寧に説明し、試しに1度利用してもらうと、効果を実感して継続的に利用してくれるようになりました。
 さまざまな部署に協力してもらえるようになった中でも、特に喜んでくれているのは、PR予算を十分に確保することが難しい部署でしょうか。
 技術企画部は「Pick Up Technology」というWebサイトを公開していまして、資生堂のファンデーションに使われている粉末の内部に空洞がある「中空パウダー」の技術解説や、資生堂が30年以上にわたって研究してきたコラーゲンに関する研究成果といったコンテンツを発信しています。そこに新しいコンテンツを追加するたびに、PR TIMESを使って告知しているのです。
 企業文化部では、同部署が運営している資生堂ギャラリーで開く展覧会のプレスリリースに積極的で、新しい展覧会の開催が決まるたびにリリース配信しています。

――当初の目的だったコーポレートサイトへのアクセス増という面では、どのような成果が出ているのでしょうか。

 コーポレートサイトへのアクセス数は、取り組みを始めた2012年と比べると2倍以上に増えました。サイトをリニューアルしたり、コンテンツを追加したりといった取り組みもあってのことだと思いますが、プレスリリース配信と両輪で回してきたからこそ得られた成果でしょう。
 また、以前はIRや採用のページにばかりアクセスが集まっていたのですが、現在はさまざまなページが閲覧されるようになっています。先ほど紹介した資生堂書体などの活動を伝える宣伝部のコンテンツ、Pick Up Technologyなどの技術企画部のコンテンツ、肌や美容に関する疑問に専門家が答える「ビノラボ」、トークイベント「BinoBa」のレポート・動画ページなど、どのコンテンツもしっかりと読んでもらえるようになってきました。

PR TIMESの配信対象はWebのみ。表現方法・配信タイミングもマス向けと差別化

――先ほど、広報部からもマスメディア向けにプレスリリースを配信しているとの話がありました。広報部との棲み分けについて、どのように線引きしているのでしょうか。

 まず、広報部では長年、マスメディアとの関係をしっかりと構築してきていますから、PR TIMESを使ってプレスリリース配信する際は、Web媒体だけを対象としています。Webでは次々と新たな有力メディアが登場してきていますから、そうした新興メディアへの情報発信をPR TIMESに頼っているのです。
 そのように配信対象を明確に分けるだけでなく、記載する文章などの表現も変える試みもしています。
 というのも、PR TIMES経由で発信する情報は、大手新聞社のサイトなど、さまざまなサイトに転載されます。すると、そうしたサイトを訪れた一般のお客様の目にも、直接触れる機会が増えてくるわけです。これまでのメディア関係者向けプレスリリースよりも、PR TIMES経由で配信するものは文章表現などを柔らかめにして、読みやすくなるように気を配っています。
 あとはプレスリリースを配信するタイミングも内容によって変えるようにしていますね。マスメディア向けに配信した情報はしばらく経ってから公開されることになりますが、PR TIMES経由で配信するとすぐに情報が公開され、記載したURLなどもクリックされるようになります。そうした違いを踏まえて、例えば2015年9月に美容アドバイスアプリ「おしえて!ビュー子」のβ版を無料配信開始したときには、マスメディア向けのリリースは公開日よりも少し早めに送るようにして、PR TIMES経由のリリースは無料配信開始した当日に出すようにしました。

まだ出会えていないお客様とも接点を持てる方法を探していきたい

――最後に、今後のPR活動についての抱負を伺えないでしょうか。

 プレスリリース配信の取り組みを始める前と比べれば、確かにコーポレートサイトへずっと多くのお客様に訪れていただけるようになりました。ですが、まだ出会えていないお客様もたくさんいます。そうしたお客様と接点を増やしていく方法を、まだまだ探していきたいです。
 もう1つは、接点を持てたお客様に満足していただけるコンテンツを増やしていくことですかね。社内からおもしろいニュースになりそうな素材をもっと発掘し、メディア関係者や一般のお客様に興味を持ってもらえるように編集して情報発信していくことで、資生堂に好感を持ってくれるお客様をさらに増やしていきたいです。

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