PR TIMESのカルチャー
CULTURE 56
DATA:2025.04.22
迷わず突き進んでいるように見える人ほど、周囲からは見えない葛藤と戦い、一歩一歩前進しています。『#PR TIMESなひとたち』は、「PR TIMESらしさってなんだろう?」について、社員の挑戦や努力の裏側、周囲からは見えづらい地道な一面に迫り、わたしたちの日常をお届けしていくコーナーです。
今回は「2024年度上期社員総会」で、縁の下の力持ちとして、行動ベースで積極的な貢献をし、自部署・自業務の範囲はもちろんのこと他組織やプロジェクトへ協力したチームやプロジェクトを讃えるFollow the Public/Social賞を受賞したTayori事業部カスタマーリレーションズチーム(以下、CRチーム)の桑田沙羅さんと松本恵弥さんにインタビュー。
Tayoriの有料プランをお使いのお客様に対し、2023年に新たにできた新プラン「エンタープライズプラン」へのプラン引き上げを提案、支援するのがお二人の役割。突破口となったのは、お客様への事例インタビューでした。もがく中で得た気付き、カスタマーリレーションズという仕事についてお話を伺います。
桑田 沙羅(くわた さら)
Tayori事業部 カスタマーリレーションズチーム
大学卒業後、新卒で総合マーケティング会社に入社し、営業・ディレクターとして5年間従事。その後、マーケティングSaaSにてカスタマーサクセス部門のハイタッチ組織での立ち上げ、マネジメント等を経験。
現在は、Tayori事業部カスタマーリレーションズチームに所属し、「Tayori」を有料プランご契約企業さまのご支援を担当。
松本 恵弥(まつもと けいや)
Tayori事業部 カスタマーリレーションズチーム
東京都出身。学生アルバイトから採用管理システムのCS兼法務としてソフトウェア開発会社に入社。以後、一貫してCS業務に携わる。2019年にPR TIMES入社。2023年にTayori事業部カスタマーリレーションズチーム所属となり、有料プランご契約企業さまへのサポートや提案、社内勉強会を担当。
Follow the Public/Social賞の受賞、おめでとうございます!受賞が決まったときの想いはいかがでしたか?
桑田:事業部長からの連絡を受けて、すぐ松本さんに話しかけました。ひそひそ話みたいでしたよね。
松本:小声で話しかけられたので、何か良くないことが起きたのかなと思いました(笑)。そうしたら「受賞した」と。思わず「誰がですか?」と聞き返しました。私たちだと聞いても、「本当ですか?」という感じで。
桑田:私も「本当ですか?」という気持ちでした。
松本:確かに目標は達成しましたが、すべてが上手くいったわけではなく……実感がなかったですね。
桑田:何かをつかんで大きな成果を出したといったこともなく、じわじわといろいろなものが変わっていった結果なので、目標達成の華々しさも特になかったですしね。私としては2023年下期が芳しくなく、上期の成果で受賞したものの、知らせを受けた2024年下期はまた苦しい局面に直面していたので、手放しで喜べる雰囲気でもなかったと思います。
総会に臨んだことで気持ちが変わることはありましたか?
桑田:どちらかというと、総会は苦しかったです。プレゼンの準備をするなかで、自分たちが振り返り切れていなかったことにも直面しました。ただ、賞をいただけたのに納得感を持てないというのも失礼だな、評価いただけたポイントをわかっていないことがむしろ私たちの問題なんじゃないかな、とも思いました。一定の成果を出せた要因を明確に理解できていなかったところに自分たちの甘さがあったなと。一方で、「私たち、頑張っていたんだな」と再認識できたのは良かったです。その時はただただ必死で、今もまたつらい状況のなか取り組んでいるので、「それでもやってきた」と思えたのは、良い機会でした。
松本:「やってきた」と思えた1つは、お客様との面会の数ですね。受賞するまでまとめられておらず、プレゼンを期にまとめてみたところ、面会数、受注数ともに伸ばしているということにようやく気付けました。
受賞を受け、周囲からの反響はいかがでしたか?
松本:私は入社5年で登壇が初めてだったので、以前から私を知ってくれている方から「良かったね」と言っていただけました。うれしかったですね。
桑田:私は以前、別のプロジェクトチームで同じ賞をいただいたことがあったので、感慨深さがありました。PR TIMESにはメッセージカードを贈る文化があり、誕生日のときに「CRチームすごいですね!」と言っていただく数が今年は違ったなと思います。
Tayori事業について簡単にご紹介ください。
桑田:お問い合わせツールやフォームを簡単に作れるツールを提供している事業です。簡易CMSというと言い過ぎかもしれませんが、企業がカスタマーサポートをするために必要な機能を全部揃えているサービスです。
お二人のご経歴をご紹介いただけますか。
桑田:私は新卒で総合マーケティング会社に入り、営業からディレクションからすべて自分でやるという環境で5年ほど働いていました。マーケティングはワンバイワンだと費用がかかるため、全体に広げるためにはどうしたらいいのだろうと考えていたころ、SaaSというサービス提供の仕方に出会い、SaaS企業へ。そこでカスタマーサクセスに出会い、SaaSのカスタマーサクセス領域でキャリアを広げていきたいと思うようになり、PR TIMESに入社しました。会社の思想やミッション、Tayoriというサービスの広がりに共感したのが、ジョインを決めた理由です。
入社時からずっと、Tayori事業部のカスタマーリレーションズチームに所属しています。カスタマーリレーションズチームは、一般的にはカスタマーサクセスやカスタマーサポートと呼ばれる部隊で、特に有料プランをご契約いただいたお客様の支援をしています。
松本:私は学生時代に社員が20人程度のソフトウェア開発会社でアルバイトとして働いていまして、そこで採用管理システムのカスタマーサポートを担当し、そのまま、そのソフトウェア開発会社に就職しました。それ以来、PR TIMESに入社するまでずっとカスタマーサポートの仕事をしてきました。PR TIMESに転職したのは、プロダクトに非常に可能性を感じたことと、行動者に焦点を当てて事業展開をしていることに共感したためです。
入社したのは2019年で、2023年にTayori事業部にくるまではプレスリリース配信サービスのカスタマーリレーションズ部にいました。ご契約企業様へのサポートや提案の他、社内での勉強会も担当しています。
今回の評価理由のひとつは、エンタープライズプランの受注目標の達成でした。あらためて、どういった取り組みを行ったのか振り返ってみていただけますか。
桑田:Tayoriは無料、有料プランがあり、エンタープライズプランは2023年2月に新たにできたプランです。Tayori事業部には、無料プランのお客様に有料プランのご契約をご提案するチームとすでに有料プランをご契約いただいているお客様に利用の幅を広げていただき、上のプランへの移行を促すチームとの2つがあり、私たちは後者です。いずれも、会社の売上を作ることがミッションの1つで、お客様への提供価値を広げることも重要な役割だと認識しています。
プランを上げるということは、利用金額も上がるということで、まずお客様にTayoriの価値を感じていただくことが必要でした。とはいえ、画期的な施策があるわけではなく、とにかく地道に愚直にやったという感じです。上手くやろうというところに意識が向いてしまっていた時期もあり、1000社ほどのお客様を2人で対応しようとしたため、どこかで「こなそう」という頭があったはずで。今回、受賞できたのは、「こなすのではなく、お客様に寄り添うようにしよう」と決め、数と質の考え方を切り替えることができたからだと思っています。
松本:とはいえCRチームとして目標にコミットするために2人のマンパワー頼みではなくパートナーさんの力も借り、架電などお客様へのアプローチをお任せするようにしました。質に関しては、お客様に成果を出してもらうために、まず「成果」とは何なのかという問いに向き合えたことが転換点になったと思っています。それまで我々の中に、明確な答えがなかったんですよ。
Tayoriを利用してお問い合わせフォームやFAQを作っていただくことで、問い合わせが減って楽になりますというのはもちろんありますが、それはエンタープライズプランを選ぶ理由にはなりません。もっとお客様の事業にとってどんな価値をもたらすのか、一歩踏み込んだ理解をする必要がありました。その答えを見つけるために、お客様への事例インタビューを強化。これが大きかったです。
桑田:Tayoriは、サービス特性上Webで申し込みまで完結できるので、以前まではお客様とお会いする機会がありませんでした。お客様が普段おこなわれているお問い合わせ対応の実態を踏まえてご提案するためには、こちらから踏み込んでいく必要がある。その動きが限定的だったために、成功事例も少なかったんです。
松本:ひとつの成功事例として最近とある温泉旅館さまにお話を伺わせていただきました。無料プランから有料プランに移行した頃から良い関係性を築けていたお客様で、有料化されたあとも機能リリースのご案内などことある事にコンタクトをとっていたのでインタビューに応じていただけたのかなと思います。
この温泉旅館さんは全室が離れで、接客にこだわりのある高級旅館です。お問い合わせの電話件数が多いと宿泊者への接客に注力しきれず、電話をメールに切り替えてはみたものの、今度はメールがパンクしてしまうという状況を課題に感じられていました。また、年次の若い方の場合、その場ですぐ回答ができず、上の方に確認しなければお答えできないことも課題だったそうです。
この課題をなんとかしたいということで、Tayoriを導入いただき、送迎バスの有無など、個別対応がいらない定型の回答は誰でもすぐ確認できるようFAQを作成しました。また、個別対応が必要なお問い合わせもフォーム対応に一本化させることで、対応履歴の確認や検索ができるようになり、お客様からの評判も良い方向に変わっていった実感があるというお話です。またFAQはみんなで編集できて、臨機応変に内容を更新することができるので、副次的に社内教育が楽になったというお声もいただきました。
このインタビューを通じて、Tayoriの提供価値は業務効率化ではなく、サービス品質を向上させ、お客様との関係性をより良くすることにあると改めて感じられました。
桑田:導入メリットを強く信じられるようになったことで、提案内容の質の向上に本格的に取り組めるようになりました。「Tayoriはコア業務に集中できるようになるツールです」と。
これまでの受動的なサポート対応から、お客様の成功に伴走し、そのために能動的な提案をするという体制に変化できたと思います。また各自が自分の案件を通じて得た学びをシェアし、カスタマーサポートとはどうあるべきかを考えていく勉強会で、チーム内のコミュニケーションも増やしていきました。
苦しいときも進んでこられた理由は何でしょうか。会社のミッションやバリューなど、励みになったものはありましたか?
松本:私はTayoriのコンセプトそのものに影響を受けていたと思います。「お客様と良い関係を作る」という、効率化ではないところをコンセプトにしている。プレスリリースを発表し、メディアに取り上げてもらって終わりではなく、その先には読んでくれている方たちがいる。そういう方を含めて良いものを届けていくという想いがPR TIMES社の根底にあると思っています。
効率化を目的としたツールではなく、効率化の先で良いアクションが生まれることを応援するのがTayoriです。もちろん、売上や目標数値もありますが、その先で届けられるものを追求しなければダメだということが、PR TIMESが提供するサービスの共通点なのではないかと思っています。
桑田:私は総会でもお話した「andの思考」と「Act now, Think big」で顧客に向き合うための時間・力を養う、という思考です。私にとっては背筋が伸びるような言葉ですね。Tayoriは新規事業に近い立ち位置のサービスで、これからも高い目標に向かって少数精鋭で挑んでいきます。お客様の期待に応えること、売上を上げていくこと、どちらも取る気概でしっかりやっていかなければと思っています。
総会のテーマは「道」でした。あらためて、今までの振り返り、今後ついてお聞かせください。
松本:私はカスタマーサポートにずっと携わってきたので、このキャリア自体がある意味で道なのかなと思っています。Tayoriに異動してこんなに人に会うカスタマーサポートは初めてで、受け身ではダメだと知りました。道はずっと続いていくものですが、その中で起伏や枝分かれに直面することがある。どう曲がっていったとしても、続けられるものは続けていきたい。進んだあと、振り返ったときにできているのが道だと思っています。いつか振り返ったとき、ちゃんと良い道ができているとうれしいです。
桑田:そうですね。私は、入社時から「リレーションズチーム」という名前がいいなと思っているんです。サポートでもサクセスでもなく、リレーションズ。「良い関係作り」を目指す想いがチーム名にも表れています。
Tayoriとして成長するためにこれからも開拓が必要です。より多くのお客様を成功に導き、お客様の先のエンドユーザーの方々にもご満足いただくためには、いろいろな人が参画しやすい体制を作ることが必要です。それは組織の拡充だけではなく、データベースのようなプラットフォームを整備するということでもあるかもしれない。Tayoriが目指す世界に共感し参画いただく方が増えたり、より多様ななシーンで活用してもらうためにも、情報を整備するのは1つテーマだなと思います。
執筆=卯岡若菜、構成=牧嵩洋、編集=名越里美