事業の内容

当社グループは、当社及び連結子会社3社で構成されております。当社グループでは、「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」というミッションを実現するために、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を中核事業として企業とメディアと生活者をニュースでつなぐプラットフォーム事業を展開しております。
連結子会社には、テクノロジーとスタートアップのニュースメディア「BRIDGE」を運営する株式会社THE BRIDGE、ソフトウェア受託開発を行う株式会社グルコース、SNSマーケティング支援を行う株式会社NAVICUSがあります。「PR TIMES」の顧客基盤と、グループ各社の強みを活かし、「行動者」を立体的に支える事業を運営しています。
なお、「PR TIMES」を米国に進出させるために、現地子会社としてPR TIMES Inc.を設立しておりますが、当連結会計年度末現在において事業を開始していないため、非連結子会社としております。

(注)1.メディアとは、雑誌・新聞・Webサイト・フリーペーパー・テレビ・ラジオ等約10,600媒体であります。その他フリーランスライター等の会員記者も含んでおります。

2.2022年10月22日付でPR TIMES Inc.を設立しておりますが、当連結会計年度末現在において事業を開始していないため、記載を省略しております。

3.2023年3月31日付で株式会社グルコースの全株式を取得し、連結子会社としております。

4.2023年12月1日付で株式会社NAVICUSの発行済株式の70%を取得し、連結子会社としております。

5.当社は親会社である株式会社ベクトルを中心とした企業集団に属しております。詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(10)親会社との関係について」に記載のとおりであります。

プレスリリース配信

1.事業の概要

「PR TIMES」について

インターネットが登場する以前、テレビ、新聞そして雑誌で報道される情報がニュースでしたが、マスメディアのスペースや尺は限られているために、自社のニュースを生活者に届けられるのはごく一部の大企業や有名企業に限られておりました。
しかし今日では、スペースや尺から解放されたウェブメディアが急速に増大し、企業にとって報道されるメディアの選択肢がひとつ加わるだけにとどまらず、これまでメディアと無縁だった多くの企業に対し、ニュースで生活者とつながるという新たな機会を与えることになりました。メディアのデジタル化や通信インフラの整備等に伴い、情報流通量は急激に増加しております。検索エンジンそしてソーシャルネットワークサービス(SNS)や生成AI等、生活者の情報接触行動に大きな影響を及ぼすサービスが次々に台頭し、さらにスマートデバイスの普及により生活者の情報接触行動の多様化は加速しております。
このような環境の中、当社グループは、世の中に驚きを与える新製品やイベントが日々発表され、そのニュースが相応に生活者へ伝わり、さらにみんなで共有して楽しまれるプラットフォームを目指しております。そして、中核サービスである「PR TIMES」において、利用企業がプレスリリースを「PR TIMES」サイトに掲載できる他、メディアの記者や編集者等へ報道向け素材資料として配信することが可能であります。加えて、「PR TIMES」が提携するウェブメディアやニュースアプリへ転載する機能も提供しております。

2.サービスの概要

利用企業は「PR TIMES」で事業や組織に関する新情報をプレスリリースとして発表します。するとその情報が、メディアの記事や番組に取り上げられることがあることに加え、プレスリリースは当社サイトに限らず、産経ニュース、読売新聞オンライン、朝日新聞デジタル、毎日新聞デジタル、時事ドットコム、FNNプライムオンライン、東洋経済オンライン等の大手メディアや全業界対象メディア、業界特化メディア、ニュースアプリ等に転載され、生活者の目に触れる機会が広がります。また、「PR TIMES」のFacebookページやX(旧Twitter)に全てのリリース情報をカテゴリ別に投稿し、リリース情報をさらに拡散しているのも特徴であります。

「PR TIMES」の利用企業向け主要機能

機能 内容
「PR TIMES」サイトへの掲載 「PR TIMES」サイトは2024年2月現在、月間最大8,984万PV超となっております。メディアの記者や編集者等がサイトを閲覧し、報道するための情報源として活用する他、生活者がニュースとしてサイトを閲覧し、ソーシャルネットワークサービス(SNS)等で共有しております。プレスリリースの情報価値に相応して、生活者へニュースとして直接的に届け、広めることができます。
メディア(注)への配信 プレスリリースをメディアの記者や編集者等へ報道向け素材資料として配信し、パブリシティの機会を創出いたします。2024年2月現在、約10,600媒体のメディアリストをデータベース化しており、利用企業は発表する内容に即して、プレスリリースを配信したいメディアを容易に選択できます。
提携メディアへの転載 提携メディア数は2024年2月現在、252媒体となっております。産経ニュース、読売新聞オンライン、朝日新聞デジタル、毎日新聞デジタル、時事ドットコム、FNNプライムオンライン、東洋経済オンラインのニュースサイトや、SmartNews、グノシー等ニュースアプリと提携し、プレスリリースを転載しております。また、プレスリリースの内容や情報価値に相応して、それぞれのサイトやアプリをユーザーへニュースとして届けることができます。
(注)メディアとは、雑誌・新聞・Webサイト・フリーペーパー・テレビ・ラジオ等の媒体であります。その他フリーランスライター等の会員記者も含んでおります。

料金プランは、下記のとおりであります。(2024年2月29日現在)

基本プラン

  • 従量課金プラン
    3万円/回
  • 定額プラン
    (月間契約)
    8万円/月
  • 定額プラン
    (半年契約)
    7.5万円/月
  • 定額プラン
    (年間契約)
    7万円/月
(注)定額プランは30件/月を上限としてご利用いただけます。また、追加料金4万円/月で該当月内において31件以上をご利用いただけます。

オプションプラン(一部抜粋)

  • FAXによる
    リリース配信
    5千円/回
  • リリース原稿
    作成
    5万円/回
  • Webクリッピング
    レポート
    5千円~/月

3.当サービスに係る収益について

当サービスに係る収益は、主として「PR TIMES」サイトでプレスリリースを配信する利用企業より一定の利用料金を収受しております。プレスリリース1件あたり3万円の従量課金プランのほか、プレスリリースの利用機会が多い企業向けに定額プランがあります。
「PR TIMES」の収益は利用企業社数やプレスリリース件数に概ね比例し、サービスの効果は「PR TIMES」サイトでの閲覧数や提携メディア数への転載数、ニュース報道状況等から確認することができます。メディアや生活者の閲覧数を増やすために、魅力的な利用企業、プレスリリースを数多く集積することが肝要でありますが、加えて、利用企業のプレスリリースが生活者にとってより魅力的に届くように、プレスリリース内容の向上や波及効果の拡大につながる施策を実施しております。

「PR TIMES」の利用企業数、プレスリリース件数、画像活用数、動画活用数及び提携メディア数の推移

年度 PR TIMES
利用企業数(社)
プレスリリース件数(件) 画像活用数(枚) 動画活用数(本) 提携メディア数
(媒体数)
2020年
2月期
第1
四半期
30,280 37,310 186,370 3,094 190
第2
四半期
32,411 38,979 195,190 3,000 191
第3
四半期
34,668 44,156 221,568 3,352 194
第4
四半期
36,717 39,725 195,941 3,137 195
2021年
2月期
第1
四半期
39,940 42,926 197,472 3,858 196
第2
四半期
43,516 53,477 264,959 4,840 198
第3
四半期
47,324 61,945 314,577 5,355 199
第4
四半期
50,633 58,307 291,501 5,487 200
2022年
2月期
第1
四半期
54,426 68,527 347,743 6,121 200
第2
四半期
58,436 71,702 362,950 6,144 203
第3
四半期
62,415 82,826 424,249 6,687 206
第4
四半期
65,660 73,367 365,937 6,189 210
2023年
2月期
第1
四半期
69,257 81,661 428,052 7,799 219
第2
四半期
72,851 81,738 431,740 7,395 223
第3
四半期
76,499 89,759 485,478 8,276 225
第4
四半期
79,759 77,979 412,271 6,418 230
2024年
2月期
第1
四半期
83,548 91,205 488,113 7,990 234
第2
四半期
87,316 93,431 498,725 8,235 247
第3
四半期
91,115 100,285 551,661 7,944 251
第4
四半期
94,258 88,065 473,098 7,885 252

4.プレスリリース関連サービス

「PR TIMES」の利用企業に対し、PR効果の向上や業務効率化を図るための付随するサービスを提供しており、その内容は以下のとおりであります。

a.PRパートナーサービス
利用企業が新製品やサービスの発表、イベントやキャンペーンの告知といったニュースを広めるにあたって、より効果的にパブリシティを獲得し、ソーシャルネットワークサービス(SNS)でより波及させるための施策の立案、及びその実施を提供いたします。
当社が提供するPRパートナーサービスは、「PR TIMES」サイトのトラッキングデータやウェブメディアの運営で培ったノウハウ等を活かしている点が特長であります。
b.原稿制作サービス
「PR TIMES」で配信するプレスリリースの原稿を制作するサービスを提供いたします。
c.ストーリーサービス
生活者の商品選択において、機能やスペックに加え、共感を与えるストーリーの重要性が高まっております。「PR TIMES STORY」は、出来事の裏側で奮闘する人のストーリーを当事者が公式発表できる広報サービスであります。なぜその商品・サービスは生まれたのか、開発者や担当者がどんな想いを乗せているのか、それらを伝えることができる場であります。
d.PR動画サービス
生活者に動画視聴が習慣化し、オンラインイベントも定番化してきた今、企業の情報発表に動画が活用されております。記者発表会をライブ配信できる「PR TIMES LIVE」、動画の撮影から編集、配信、Webメディア掲載までワンパッケージで提供する「PR TIMES TV」を提供いたします。
e.クリッピングサービス
広報・PR効果測定サービス「Webクリッピング」として、メディアに報道されたパブリシティを収集し、利用企業へ報告するサービスを提供いたします。自社開発したクローラシステムを用いて、膨大なウェブメディアを巡回し、キーワード検索により、利用企業のパブリシティの収集を自動化いたします。
f.ウェブメディアサービス
当社が運営するウェブメディアに広告枠を設け、主にアドネットワーク事業者(複数の広告主の広告出稿を取りまとめ、参画する多数のウェブメディアに広告を配信する事業者)が提供する仕組みを利用し、広告表示又はクリックに応じて広告収入を得ております。
g.SaaS型サービス
当社は利用企業が業務効率化を図るための支援ツールとして、タスク・プロジェクト管理ツール「Jooto」及びカスタマーサポートツール「Tayori」を提供しております。いずれもSaaS型サービスとして、利用量に応じて月額収入を得ております。