サービスが軌道に乗る“起爆剤”に。PRによって集客、信頼性向上、ファンドからの出資と“一挙三得”を得たハウスマート

Client
株式会社Housmart(ハウスマート)
IMG_2465

  • コンテンツマーケ、ブックマーケだけでは物足りない。広告頼みなら数千万円はかかるユーザー数をPRで獲得
  • 話題のサービスとなることで、ベンチャーキャピタル10社以上からコンタクトが
  • 高価な不動産を売買する不安を払拭。メディアでの記事掲載が、ブランドへの信頼を高める

どんなに優れたビジネスプランを作成しても、軌道に乗らなくては絵に描いた餅。まずは見込み顧客を集めて、実際に利用してもらい、一方では軌道に乗せるまでに必要な資金を集める――といった活動に、ベンチャー企業の多くは悪戦苦闘していることでしょう。

そんな創業期のベンチャー企業が迎える最初の関門、いわゆる「死の谷」を脱しようとしているころは、とにかく多忙。本業最優先で、PR活動などにまで人手を割く余裕は、ほとんどないかもしれません。

けれど、ユーザー同士が中古マンションを直接的に売買できるWebプラットフォームサービスを提供する株式会社Housmart(ハウスマート)は、多忙な中でもPRを上手く活用。日経新聞をはじめ、さまざまなビジネス系メディアなどで自社サービスを取り上げてもらうことに成功しました。

それ以降、新規ユーザーの獲得ペースが一段と加速し、信頼感が増したことで既存ユーザーがより安心してマンション売買できるようになり、出資を申し出るベンチャーキャピタルと接点を持つことも増えたのだとか。

PR活動がそうした成果を生み出したことで、「事業を軌道に乗せる起爆剤になった」というハウスマート。同社代表取締役の針山昌幸氏と執行役員の三瓶士継氏に、創業期にこそPRを活用する意義について伺ってきました。

手数料が高く、不透明な不動産取引を変える。不動産売買のマッチングプラットフォーム

――貴社事業について、詳しく教えてください。

針山昌幸代表取締役(以下、針山氏):マンションを売りたい人と買いたい人をWeb上で直接マッチングさせるプラットフォーム「Housmart(ハウスマート)」を運営しています。
 例えば5000万円のマンションを売買するとします。これまでは不動産業者に任せるしか選択肢がなく、売り手側にも買い手側にも168万円(以下、税込)の手数料が発生していました。それがハウスマートを利用して売買してもらえれば、売り手側の手数料は0円に、買い手側の手数料もほぼ半額の87万円にできるのです。
 多くの方が、「168万円は非常に大きな金額だ」と感じることでしょう。けれど不動産業者が従来の枠組みの中で効率的に事業を回していこうとすると、駅近くに店舗を構え、スタッフを常駐させて、見込客を集めるために不動産情報サイトなどに広告費を支払う必要があります。こうしたコストを支払った上でさらに利益を出したいのなら、それだけの手数料がどうしても必要になってくるのです。
 私自身、以前は不動産業界で働いていまして、高額な手数料以外にも、一般の人には分かりづらいブラックボックス化しているところが多いなど、多くの問題を抱えている業界だと感じていました。けれど、不動産業界で働いている人たちは決して悪意を持った人ばかりではありません。不動産業界の問題点と向き合ううちに、そうした問題があるのは、構造的な欠陥があるからだと思い至りました。
 それなら既存の構造とは別に、売り手と買い手をWeb上で直接マッチングさせる新しい仕組みをつくれば、余計な費用を削減して手数料を減らせるのではないか。さらに、不動産売買の透明性を高めることにもつながるかもしれない。そう考えて立ち上げたのが、ハウスマートというWebサービスなのです。

コンテンツマーケ、ブックマーケだけでは物足りない。大規模リーチにはPRが必要

――そうしたこれまでにない新サービスを立ち上げるとなると、ユーザーを集めることが非常に重要になってくるかと思います。貴社はどのようなマーケティング戦略を練っていたのでしょうか?

 創業時に想定していたマーケティング手法は大きく2つです。
 まずは不動産情報専門の自社メディア「マンションジャーナル」を運営することで、不動産に興味を持っているユーザーを集めること。最近、「コンテンツマーケティング」と呼ばれ、注目されている手法です。
 そしてもう1つは、ブックマーケティング。私自身が『中古マンション本当にかしこい買い方・選び方』『プロだけが知っているマンションを高く売る方法 マンション高額売却術』という2冊の書籍を執筆することで、会社の知名度を高めようと考えました。『中古マンション本当にかしこい買い方・選び方』はAmazonランキングのマンションカテゴリーで1位を獲得するなど、確かな成果を得られましたね。
 ただ、これら2つの手法を試してみて感じたのは、われわれが期待していたほどには爆発力がなかったということ。本気でマンション売買を検討している層の一部には着実にアピールできましたが、それだけでは不十分。「事業を軌道に乗せるためには、もっと大規模なリーチが必要だ」と感じるようになりました。
 そんなときに、知人から紹介されたのがPR TIMESのベンチャー企業向けプラン「スタートアップチャレンジ」でした。上場企業の子会社ではない設立24カ月未満の企業が対象で、プレスリリース配信前に自社のことをフォローしてくれる“フォロワー”を3人以上集めると、設立24カ月の経過まで、毎月1回、無料でプレスリリースを配信できるというものでした。

――「スタートアップチャレンジ」のどんなところに魅力を感じたのでしょうか?

 何より、前述の条件を満たすと無料で配信できるところですね。本当にありがたかったです。
 そして、サービス運営会社であるPR TIMESにも魅力を感じました。プレスリリース配信サービスを提供する企業はいくつかありますが、その中でもPR TIMESは取引実績のある企業数が多く、配信情報が転載されるメディアとの提携数が圧倒的に多かった。「ほかの競合サービスの資料を取り寄せて検討する必要もないだろう」と判断し、PR TIMESの利用を即決しました。

広告費換算で数千万円の効果! 陸上メダリストの為末氏もTwitterで拡散

――プレスリリースを配信してみて、手応えはどうでしたか?

 まず単純に、文字どおり“ケタ違い”のアクセスがありましたね。新規ユーザー登録数も驚くほど伸びまして、広告費に換算したら数千万円規模の効果がありました。
 もう1つ、影響力のあるインフルエンサー、つまりメディア関係者や著名人に、われわれのサービスを紹介していただくことにも成功しました。世界陸上・400mハードルメダリストの為末大さんにも「これすごいなあ」とTwitterでつぶやいていただけたのです。
 自分たちのサービスには自信を持っていましたから、以前から「知ってもらうことさえできれば、きっと多くの人が興味を持って拡散してくれるはず。拡散が1度始まれば、自然と広まっていくはずだ」と確信を持っていました。プレスリリース配信が、その確信を現実のものへと変える“起爆剤”になったわけです。これだけの成果は、コンテンツマーケティングやブックマーケティングだけでは得られなかったと思います。

三瓶士継執行役員(以下、三瓶氏):私は前職で、多くのベンチャー企業が創業し、残念ながらその大半が失敗していく様子を目にしてきました。
 そうして感じるようになったのは、ベンチャー企業がどれだけ素晴らしいサービスを立ち上げたとしても、短期間のうちにサービスを軌道に乗せるためには“起爆剤”が必要になるということ。「サービスを使ってくれたユーザーが知人に紹介してくれる」「さまざまなメディアで話題になる」といった好循環を生み出すためには、どうしても1度は強力な“起爆剤”に頼る必要があるのです。
 その意味では、PR TIMESこそがわれわれの求めていた“起爆剤”になってくれましたね。

針山氏:実は、さらにもう1つ、密かに期待していた成果をプレスリリース配信によって得ることができました。そうして情報が拡散していく状況を目撃した10社以上のベンチャーキャピタルから、「ハウスマートに出資したい」と声を掛けてもらえたのです。中には、われわれから依頼しても門前払いを受けそうな有名どころや、海外のベンチャーキャピタルも含まれていたくらいです。
 ベンチャーキャピタルで働く方々は、新しい投資先を見つけるため、さまざまなところから情報収集しているはず。PR TIMESを通じて情報発信することで、彼らのアンテナに引っ掛かる確率は高いと推測していました。
 最終的にわれわれは、7月にオプトベンチャーズから第三者割当増資によって出資を受けたのですが、同社との出会いもプレスリリース配信がきっかけでした。
 創業期のベンチャー企業にとって、資金調達は非常に重要な課題。それをPRによって同時に解決できたことになります。

「一枚絵で伝える」「SNSを意識した文字数」など、プレスリリースに工夫

――プレスリリースの作成・配信は、執行役員の三瓶氏が担当したと伺いました。どんなところを工夫したのでしょうか。

三瓶氏:一般的なプレスリリースは、テキスト中心です。記者などのメディア関係者にはしっかり読んでもらえるかもしれませんが、一般ユーザーには最後まで目を通してもらうことは難しいと考えていました。
 けれど、PR TIMESは他社のプレスリリース配信サービスとは違って、ビジュアルにも気を配ったサイトのつくりになっています。分かりやすい画像やおもしろい企画、ひねりの利いた文章などを用意すれば、一般ユーザーにも興味を持ってもらえて、SNSで拡散してもらえるかもしれません。
 そこでプレスリリースを作成する際、最初に掲載するアイキャッチ用の画像にこだわってみました。一枚絵を見せるだけでハウスマートのコンセプトをある程度伝えられるように工夫したのです。
 タイトルもサービスの特徴を伝えることを最優先にして、「ハウスマート」というサービス名は後ろの方に掲載するようにしました。他にも、Twitterなどでつぶやかれたときに必要なテキスト情報がすべて含まれるタイトル文字数にすること、テキストを読まずに掲載画像を流し見るだけでおおよその内容が伝わること、その2点に気を配りましたね。

高価な不動産の売買には、信頼性が重要。継続的なPRで、安心できる環境づくりを

――ベンチャー企業の中には、PR業務に割く人手がなく、後回しにするところも多いと思います。貴社がPRを軽視せず、重要な業務として注力する理由について、あらためて伺えないでしょうか。

針山氏:PRはブランディングの一環として欠かせない業務だと考えています。
 ハウスマートが取り扱う商品は、不動産という非常に高価なもの。ユーザーに「ハウスマートは良いことを言っているが、本当に信頼できる会社だろうか」といった漠然とした不安を持たれたままでは、どうしても不動産売買という最終的なアクションをする際、及び腰になってしまいます。
 その最後の決断を後押しするためには、“ブランドへの信頼”を高めることが重要。ハウスマートというブランドをより信頼できるものに変えていくためには、メディアなどを通じて、「本当に不動産市場を変えたい」という熱意をわれわれが持っていることを伝えること。特に、著名なメディアに記事掲載してもらうことが一番効果的でしょう。
 そのようにPRは、単純に集客を増やすだけでなく、ブランド認知度を高めてユーザーに信頼してもらうことができれば、利用率の向上にもつながります。その意味でも、われわれにとってPRとは、お客様とのコミュニケーションに欠かせない必要不可欠な手段となっているのです。
 われわれは今秋、既存サービスをさらに一歩進める新サービスをリリースする予定です。そちらの新サービスを利用してもらうためにも、継続的にPR活動に取り組むことでブランドの認知度・信頼度を向上させて、もっとユーザーに安心して利用してもらえるように環境を整えていきたいですね。

Press Release のほかの事例を見る