PRの常識にとらわれないプレスリリース作成のコツ。写真・テキストのテンポにこだわり、SNSでの拡散につなげたLIGの「夏期休暇のお知らせ」

Client
株式会社LIG
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  • 採用するアイデアは全員が「おもしろい」か、1人だけでも「すごくおもしろい」か
  • テンポにこだわり。心地よくスクロールできるように写真とテキストの“間”を調整
  • Webは紙より縛りがない。見せ方に遊びを入れ、実験してみてはどうか

オウンドメディアの代表格として知られる「LIGブログ」。「結婚のご報告。30年彼女がいなかった僕が、秒速で結婚できた理由。」「部下の部屋を200万円かけて超オシャレに改造したら、とても喜んでくれました。」「なぜ売り上げを使い切ったらダメなの?会社の経費でハワイに行ってきた」など、FacebookやTwitter等のSNSでシェアされた件数が数百どころか数千件超えの記事も数多く生み出されている人気サイトです。

そんなLIGブログを運営する株式会社LIGから、2015年8月3日に「株式会社LIG、8月12日~8月16日まで『ぜんいん夏季休暇』を実施」というプレスリリースが配信されました。プレスリリースでありながら、Facebookでのいいね!は764件に達し、読了率は平均の2倍以上となる60%前後。プレスリリースとしては驚異的な数値を記録しました。

夏期休暇の実施を伝えるプレスリリースが、なぜここまでの反響を得られたのでしょうか。企画のコツや見せ方の工夫について、プレスリリース制作を担当したツベルクリン良平氏、菊池良氏、森川ヨシキ氏に話を聞いてきました。

毎年恒例の「夏期休暇のお知らせ」に変化を。LIG初のプレスリリースを配信

――今回のプレスリリース、どのような経緯があって配信することが決まったのでしょうか?

ツベルクリン良平氏(以下、ツベルクリン氏):LIGブログでは毎年「夏期休暇のお知らせ」を掲載しているんですが、2012年に掲載した1回目はすごくPVが出たものの、同じパターンで続けた2年目、3年目の記事は、PVが徐々に落ちてしまっていました。毎年同じパターンで続けていては飽きられてしまうので、今年はちょっと変えてみようかと。
 それで企画内容について打ち合わせをしていたときに、「LIGブログ単独ではなくて、外とコラボしてみたら?」というアイデアが出たんです。みんな賛成して盛り上がり、それでPR TIMESに連絡してみたんです。

森川ヨシキ(以下、森川氏):「夏期休暇のお知らせ」といえば、会社として発信する正式な情報になります。「それなら一番正式に情報を発信する手段といえば何だろうか」と考えてみて、プレスリリースを配信しようという話になったんですよね。
 実は、会社としてプレスリリースを配信したのは、これが初めてかもしれませんね。
 Web制作を仕事にしている関係から、クライアントが配信するプレスリリースを代わりに書く機会は割とあるんですが、自分たちの名義で配信したことはないんですよ。

――そうだったんですね。プレスリリース配信の手段としてPR TIMESを選んだのは、なぜだったんでしょうか。

ツベルクリン氏:PR TIMESが有名だからですね。実際、僕らもよく見ていますし、この3人で話していて名前が挙がったのはPR TIMESだけでした。

採用するアイデアは、「全員がおもしろい」か「1人だけでもツボにはまる」もの

――配信したプレスリリースの内容については、どうやって決めていったんでしょうか。

ツベルクリン氏:まずは「夏期休暇のお知らせ」を発信するなら、人事部長の寺倉そめひこをモデルとして起用しようと決めました。

菊池良氏(以下、菊池氏):写真を撮影するならオフィスを使って撮影することになるので、「オフィスに一番似合わないサーフボードを持たせよう」というアイデアが湧いてきました。
 ただ、制作スケジュールを考えると、撮影は翌日までに済ませておかないと間に合いません。いくつか知り合いの会社に頼んでみましたが、さすがに「明日、サーフボードを持って撮影に伺ってもいいですか?」と頼んでも、受けてくれるところが見つからなかったわけです。
 それでオフィスでの撮影をあきらめ、もともと3人でドラマの「ビーチボーイズ」みたいなことをしたいと温めていたアイデアがあったので、車を出してお台場まで撮影に行ったんです。

――そういったアイデアを採用するか不採用にするかを、貴社ではどうやって決めていますか?

ツベルクリン氏:打ち合わせ中に笑いが起こったら基本的に採用しますね。

菊池氏:そうですね。全員がおもしろいと思うか、それとも1人だけでもドツボにはまっておもしろいと感じた人がいたら採用されますね。

記事を読んでもらうテンポにこだわり。読了率は平均の2倍以上に

――そうした企画以外のところで、今回のプレスリリースでこだわったのはどんなところでしょう。

ツベルクリン氏:記事を見せるテンポですね。最初に僕が初稿を作ってから、菊池に渡してクリエイティブを足したり引いたりしてもらったんですが、配信するまでに最初の内容からかなり変えています。
 パッと見たときの流れがいいか、文字の量はスッと読めるくらいか、「ここで笑ってほしい」というところでちゃんと笑いが取れるのか。そういったことを細かくロジカルに考えて、PCで見てもスマホで見てもテンポがよくなるように、文章も写真も何度も修正しました。
この写真の次には改行を1つ入れて、それからテキストを載せる。テキストの次に写真を載せるときには、改行を2つ入れるなど、写真とテキストの“間”にこだわりました。

菊池氏:読者が気持ちよくスクロールできることが大事ですね。サーッとスクロールしていって、どこかに違和感があると立ち止まって離脱していくかもしれません。最後まで気持ちよく読んでもらえないんですよ。

――その意味では、このプレスリリースの読了率は、PCで65%、スマートフォンで53%とPR TIMESの平均値の2倍以上を記録しました。ヒートマップで見ても真っ赤で、途中離脱されずに読まれていることが分かります。
 広報専任の方が作るプレスリリースは、どうしても「A4用紙で何枚分にまとめる」という発想で“間”を決めてしまいがちなのかもしれませんが、Webで情報発信するのなら、今までとは見せ方を変えてみてもいいかもしれませんね。

ツベルクリン氏:そうですね。僕らも今回のものを作る参考として、他の企業が出しているプレスリリースをチェックしてみたんですが、もっと見せ方に遊びを入れてみてもいいんじゃないかと思いましたね。
 僕らは遊び過ぎなのかもしれませんが(笑)、せっかくWebではスペースに縛りがないので、実験してみるのはすごくいいことだと思うんですよ。僕ら自身、今の見せ方がベストだとは思っていないので、これからも試行錯誤しながらどんどん改善していきたいと考えています。

写真は掲載点数の10倍以上は撮影。分かりやすい管理画面で追加・差し替え

――写真はお台場で撮影したそうですが、何枚くらい撮影した中から、プレスリリースに使うものを選んだのでしょうか。

ツベルクリン氏:150枚くらいですかね。車で到着したときのシーン、お店に行くシーン、アクアシティお台場に向かうシーンとか、普段から使う写真点数の10倍以上は撮影するようにしています。
 事前に「こんなシーンを撮ろう」と流れを一通り決めてから撮影に入りますが、実際に撮ってみたらそれほどおもしろくなかったシーン、予定にはなかったけれども意外とおもしろくなりそうなシーンなどが出てきます。撮影現場で臨機応変に対応しながら撮影を進めていきます。

――そうして撮影した写真の入れ替えなどをPR TIMESのプレスリリース配信用の管理画面を使って入力していったわけですね。

ツベルクリン氏:PR TIMESの管理画面は、すごく使いやすかったですね。ブログでいうところのビジュアルモードのような分かりやすい画面になっていて、写真の追加・差し替えなども簡単でした。
 ただ、強いて言うなら、HTMLで入力できるモードも欲しかったです。写真とテキストの“間”をなかなか思いどおりに調整できなくて、そこに時間がかかりました。
 私個人の好き嫌いなのかもしれませんが、画像とテキストのマージンが狭すぎると窮屈に見えて、読みにくいんですよ。文字のフォントサイズが大きすぎないか小さすぎないかといった点も気にしますね。

「休暇のお知らせ」ならLIGにお任せください

――今回のプレスリリースをかなり多くの人に読んでもらえたわけですが、この成果については、どのように感じていらっしゃいますか?

ツベルクリン氏:多くの人に見てもらえて確かにうれしかったんですが、もっといろいろなところに波及していってほしかったですね。
 例えば、PR TIMESのプレスリリースに注目が集まるだけではなく、他のメディアでも取り上げられて、「もっとみんな、しっかり夏休みを取ろう」というムードが生まれてくれたら理想的だったんですが。その意味で、一定の成果を得られたものの、そこまではたどり着けなかったのが少しだけ残念なところですね。

――最後に、今後の抱負などを伺えないでしょうか。

森川氏:今回の「夏期休暇のお知らせ」を見て、「LIGに『長期休暇のお知らせ』を書いてほしい!」という企業からの依頼があるとうれしいですね(笑)

ツベルクリン氏:そうしたら、LIG人事部長のそめひこが、クライアントのオフィスに伺います(笑)

菊池氏:サーフボードを持ってオフィスまで(笑)。夏期休暇、冬期休暇、ゴールデンウィーク、シルバーウィークと「休暇のお知らせ」なら何でも大歓迎です。

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