PR TIMESのカルチャー
CULTURE 57
DATA:2025.04.22
迷わず突き進んでいるように見える人ほど、周囲からは見えない葛藤と戦い、一歩一歩前進しています。『#PR TIMESなひとたち』は、「PR TIMESらしさってなんだろう?」について、社員の挑戦や努力の裏側、周囲からは見えづらい地道な一面に迫り、わたしたちの日常をお届けしていくコーナーです。
今回は「2024年度上期社員総会」で、社内外にPR TIMESの価値を高めブランド強化したチーム・プロジェクトを讃えるLead the Public/Social賞を受賞した“顧客と株主がつながる”株主優待制度の水野愛美理さんと山田麻彩さんにインタビュー。
PR TIMESの株主優待制度は、当社をご利用いただいている企業様にご参画いただき、その企業の商品やサービスを優待品としてご用意するユニークな制度です。参画企業様、株主様、当社の3者がHappyになれるよう尽力し、前年度より数字を伸ばした水野さん、山田さんにお話を伺いました。
水野 愛美理(みずの えみり)
PR TIMES事業ユニット 第一営業部
宮城県出身。2023年にPR TIMESに新卒入社。PR TIMESパートナーサービス部で美容・コスメのクライアントを中心に伴走。2024年10月より第一営業部を兼務し、プレスリリース利活用のご支援している。
山田 麻彩(やまだ まあや)
メディア事業部 エディターチーム
千葉県出身。2020年にPR TIMESに入社し、メディア事業部でZ世代向けWebメディア「isuta」の編集・ライティングを行っている。「isuta」では、記事やSNS運用以外にも、ポップアップストアなどのオフラインイベントのディレクションも担当。
Lead the Public/Social賞の受賞、おめでとうございます!受賞時の想いをお聞かせください。
水野:取れるとは思わなかったですよね。
山田:うん、びっくりしました。2023年通期の総会で「受賞できるように頑張ろうね」とプロジェクトメンバーみんなで1枚写真を撮っていました。でもまさか受賞できるとは正直思っていなかったです。
水野:そのときは記念写真ぐらいの感覚でした。プロジェクトメンバーからのDMで受賞を知らされて、本当にびっくりしました。第三者から「今回は例年に比べても良い結果だったよ」と聞けたことで、ようやく実感が沸いてきたという感じです。
山田:総会でスピーチを終えたあと、真輔さんや山口さんからも「すごく良かった」と言っていただけてうれしかったです。その後、引き継いだ2025年度のメンバーからも「刺激を受けました!」と言っていただけました。次は個人でも受賞を狙いたいなという気持ちになりましたね。
水野:私も一緒です。今度は別の場所で狙いたいという気持ちが湧いてきました。PR TIMESは年齢年次問わず活躍できる会社なのですが、なかなか活躍の当事者になることが難しく。今回、本業とは異なる全社プロジェクトに加わって「年次問わず活躍できる」というのがどういうことか体験したことで、新卒も含め、誰でも活躍できる会社であることが伝わってほしいなという想いが強まりました。だから社員総会への気持ちも変わりましたね。これまでは受賞者のスピーチを聞いて心が揺さぶられはするものの、どこか観客的な意識が強かったんです。今回、自分が表彰される側になってみて、誰でも称えられる機会のある会社なのだと実感し、そのことをいろいろな人に知ってほしいと思っています。
お二人のご経歴をご紹介ください。PR TIMESに入社した理由もお聞きしたいです。
水野:私は2023年に新卒入社しました。入社したいと思ったのは、「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」というミッションに共感したからです。がんばっている方々の表には見えない苦労もしっかり情報として伝えていきながら、共に成功を目指すという思想に共感し、ここに入りたいなと思いました。
入社後はPRパートナーサービス部というお客様に伴走支援する部署に配属され、美容やコスメ事業を手掛けるお客様を中心にプランナーとして活動してきました。2024年秋からは、プランナーの仕事と兼務する形で第一営業部に異動となり、プレスリリースを配信いただいているお客様に対して、より情報が上手く広がっていくための支援にも携わっています。業界問わず幅広いお客様にご支援できる機会が増え、PRの重要性を伝えられる仕事ができているのかなと思えています。仕事が楽しいですね。
山田:私はPR TIMESが3社目です。新卒で入ったのは通販会社で、ECサイトのディレクションを経験したあと、バイヤーに異動。クライアント様とのやり取りを経験しました。テレビやラジオ、紙媒体、インターネットなど様々なメディア媒体に携われることが魅力で入社したのですが、バイヤーの仕事はイメージと少し合わず。その後、スポーツ雑誌を出している会社に転職しました。そこで編集や取材の仕事に出会い、やりたかった女性向けメディアのポジションを募集していたPR TIMESに転職してきたという経緯です。
それぞれ仕事があるなか、株主優待プロジェクトメンバーに加わることになったきっかけもお聞きしたいです。
山田:私は上長からの推薦です。過去にも部署横断のプロジェクトに参加していたことはありましたが、PR TIMES事業に関わるプロジェクトは初めてで、率直にやってみたいなと思って引き受けることにしました。普段の仕事がメディア運営なので、PR TIMESのお客様の情報を紹介することはあっても、お客様と密に関わる機会は日常的にはありません。株主様と関わる機会もほとんどなかったので、良い機会だなと。
水野:私も山田さんと同じく上長からの推薦がきっかけでしたね。プロジェクト参画は入社して1年8か月ほどのタイミングで、初めての挑戦でした。機会をいただけたのがうれしくて即答で「やります!」と答えました。当時、所属していたPRパートナーサービス部は特定のお客様と密に取り組む仕事がメインで、もっと広く貢献できることもしたいなぁと漠然と思っていたこともあって。株主優待についてイチから学んでいく立場ではあったのですが、年齢年次や部門を問わず他部署の方と一緒に仕事ができるのが楽しみでした。
あらためて、株主優待プロジェクトについてご説明いただけますか?
山田:PR TIMESをご利用いただいているお客様、当社、株主様の3者をつなぐ独自の優待制度で、株主様への優待品として、利用企業様の商品やサービスをお贈りするというプロジェクトです。株主様にとって、魅力的な商品やサービスに出会うきっかけになればという想いで進めてきました。
水野:一般的な株主優待は、投資先の企業の商品やサービスを受け取れるというものだと思いますが、当社の株主優待は、プロジェクトに参画いただいている利用企業様の数だけ優待品をご用意できるのが特徴なんです。有形無形問わず、毎年いろいろな優待品から選んでいただけるのが、当社ならではだと思います。
プロジェクトメンバーの数、役割分担についてはいかがですか?
水野:2024年度は4人でした。2023年度は3人、2025年度は6人と、プロジェクトメンバー数も固定ではありません。株主様対応と利用企業様対応とで役割を分けていて、山田さんは株主側、私は企業側。とはいえ4人しかメンバーがいないので、必要なときには助け合うという流動的な形で進めていきました。
2024年度の株主優待は、ご参画いただいた企業様が87社となりました。また、申し込みいただいた株主様は総株主の88.3%の4677名と、過去3回が60%前後だったところから大きく飛躍し、これらがLead the Public/Social賞を受ける評価理由となっています。チームでは、どんな目標を立てていたのでしょうか。
山田:いくつかの定量的な指標で、それぞれ右肩上がりにはしたいねという話をしていました。
水野:関係者がHappyである状態を作る取り組みであるうえで、本プロジェクトとして数字も伸ばしたいという感じでしたね。
どのようにプロジェクトを進めていったのでしょうか。
山田:まずは水野さんともうひとりのメンバーとで利用企業様にお声がけをし、説明会を開いてもらいました。
水野:先ほどもお話したように、前年度よりも参画いただく企業数を増やしたい想いはあるものの、ただ数が増えればいいというわけではない。利用企業様と株主様と私たちPR TIMESが良い関係性を結べるものであることが前提にあります。そのため、利用企業様には納得感を持って参画していただきたいと思い、優待制度の魅力を「楽しく」伝えることを大切におこないました。責任者の丸花さんにも「ふたりが本当に楽しみながらやることで、ポジティブな気持ちが伝わるからね」とフィードバックをいただきました。説明会は複数回開いたのですが、回を重ねるごとに表情や声色にも気を配れるようになっていったのではないかなと思います。
初めて参画する企業様ばかりなのでしょうか。
水野:いえ、前年度も参画してくれていらっしゃる企業様もいます。ただ、すべて同じになってしまうと、優待品を選ぶ株主様にとって新鮮味がないため、ラインナップには変化を持たせたいなと。ジャンルもバリエーション豊かにしたいと思い、40社ほどの企業様に対して、説明会だけではなく個別のコミュニケーションも取っていきました。
プロジェクトについてはポジティブな反応が多かったですが、社内体制などそれぞれにご事情もあるため、すんなりとご快諾いただけるケースばかりではありませんでした。少しでもご参画いただきやすいよう、できるだけ企業様の負担を減らすことも意識しました。
関係者全員を巻き込み、良い方向に向かっていくために動くというのは、PR TIMESらしさ、PRそのものだと感じました。それを自分なりに落とし込んでいった感じです。自分自身もワクワクしながら取り組んでいたと思います。
山田さんは株主様側を担当されたとのことですが、どう取り組まれていきましたか?
山田:サイト制作を委託している会社の方とミーティングを重ね、昨年度に株主様から寄せられた声を元に改善策を練りました。特に多かったのはスマホのユーザビリティで、責任者の丸花さんをはじめ、チーム全体で課題視していたポイントだったので、真っ先に要望を出しました。
難しかったことは何でしょうか。
山田:優待品の割り振りです。希望が集中したものは抽選になってしまうのですが、せっかく株主優待を利用していただいているわけですから、できるだけ希望の高いものをお贈りしたいという気持ちがありました。
丸花さんが「手動でやりましょう」と方針を決め、人力で対応することになりました。正直、「えっ」と思いましたね(笑)。何せ、4000名以上の株主様の希望を取りまとめ、割り振りを考えていく必要があるわけですから、「できるのかな」と。
ただ、この経験から、これまでの私は今ある問題に対して「何となくこうすれば大丈夫」という気持ちで臨み、ラッキーなことにそれで上手くできてきてしまったんだなと思いました。自分のできる範囲で考えていただけで、本当は課題の根本となる原因を探る必要があったんだなと。「できないと言われたから、できる範囲でやろう」ではなく、できる手段を探す経験が積めたなと思います。今回の場合、株主様の満足度を上げるためには必ずやる必要があることだったので。
ロジックを組んでどうにかできるものではなかったため、株主様から第3希望まで書いていただき、優先度の高い優待品が届くように調整しました。2口参加された株主様には、必ず1つは第1希望のものを届けられました。
水野:株主様にご希望のものをお贈りできるように工夫する一方、優待品の魅力をきちんとお伝えする取り組みも行いました。参画企業様には事前に「希望される方がゼロの可能性もある」とご説明をしていますが、それでも希望する株主様が極端に少ないと、やはり残念な気持ちになってしまうものですから。
そこで参画企業様の一覧サイトを作り、企業ページを各社に作っていただきました。申し込みサイトの記載内容は一度出したら変えられないのですが、こちらは変更可能とし、あまり申し込みが増えない場合には「企業ページを刷新しませんか」とご提案し、株主様が使いたくなる言い回しや画像に差し替える提案をギリギリまでおこないました。例えば、スキンケア商品の場合、ブランドコンセプトに合うビジュアル画像はおしゃれで素敵なんですが、モデルの方が商品を使っているような写真のほうが株主様に実用性を伝えられます。ページを微調整することで、実際に申し込みが増えたケースもありました。
プロジェクトを進めるなかで「もう無理!」と思ったことはありましたか?あった場合、それを乗り越えられた要因は何だったのでしょうか。
水野:正直、「無理」と思った瞬間がほとんどでした(笑)。最後までやり抜けたのは、メンバー全員に成功させたい想いが強かったからだと思います。ただ、「頑張るぞ!」と口に出すわけではなく、みんな内に熱い思いを秘めている感じでしたよね。そのふつふつとした熱さを互いに感じ取っていて、みんなが淡々と成功に向けて取り組んでいく良いチームだったんじゃないかなと思います。最初からメンバーの目線が合っていて、そのまま走り切れたのかな。
山田:元から利用企業様への愛が強いメンバーだなとは思っていたので、そういう意味では目線が揃っていたと思います。ただ、私はプロジェクトを進めるなかで株主様への視点を知れたなと思っているので、本当の意味で「揃った」のは、プロジェクト進行中のことだったのかなと。「3者がWinになれるよう、みんなで頑張ろう!」という意識が醸成されたことで、必然的に目線が揃っていったように感じます。
水野:優待品が株主様のお手元に届き始めたころから、「3者がWin」を実現できたなと感じられるようになりました。私はプレゼンで「つながりをどこまでも広げられる可能性を秘めている」と話しましたが、この「どこまでも広げられる」可能性を特に感じられたのは、「第一希望のものを受け取りました」とか「優待品でこういう体験を楽しめました」といった株主様からのお声でした。アンケートでも、「優待品でもらった商品をこれからも使いたい」というお声があり、株主優待を機に商品の素敵さを知ることが、輪を広げる一助になるんだなと思いました。例年に比べてXでも発信が多く、直接お声を感じられやすかったように思います。
山田:お申込みいただいた株主様が飛躍的に増えたため、その分、感想を投稿してくださる方が増えたのかもしれません。
あらためて、今回のプロジェクトを振り返ってみての感想、成功の要因をお聞かせください。また、今回の総会のテーマ「道」に絡めて、お二人の今後の展望をお聞かせください。
山田:思い返すと、PR TIMESのバリュー「Act now, Think big」があったからこそ、今回の取り組みを完遂できたのかなと思います。これは「未経験にも臆さず、まずやる」といった意味なのですが、本プロジェクトは誰かが「やろう」と言い出してからの動きがスピーディーだったなと。昨年は申込がなかった株主様に対して、開始前にお知らせをお送りしたのも、「やろう」という話になってすぐに取り組んだことの1つでした。お知らせを見て「今年は申し込んでみよう」と思ってくださった株主様もいたと思います。こうした「まず、やる」が積み重なったことが、大きな成果につながったのかもしれません。
私はこれまで、メディアの読者に対して矢印を向けがちだったのですが、このプロジェクトに携わったことで、株主様、利用企業様とこれまでとは違う関わり方ができました。これまで行ってきた「メディアに掲載しませんか」というお願いと、今回の「こういうプロジェクトをやっているんです。ご参画いただけませんか」とお伝えするのとは、少し違うものがあったなと。
実は、優待への参画を持ちかけるやり取りをするのは、非常に緊張感があったんですよ。私が下手なことをしてしまうと、営業の方が築き上げてきたお客様との関係性を崩してしまうので。今回のプロジェクト経験で得た考え方を活かして、これからは自分の仕事でも読者・企業・当社の3者がWin-Win-Winになる取り組みを考え、臆することなくトライしていきたいと思います。
水野:私はこれまで「今を生きる」という価値観で生きてきたのですが、今回の総会後からは「少し先の未来」に思いを馳せ、何を実現したいのかを考えることが増えてきました。2025年は社員総会プロジェクトのメンバーとしても動きはじめていて、社員にもより良いことをやっていきたいですね。
横断プロジェクトの良いところは、普段の仕事だと関わる機会が多くない他部署の方、異なる雇用形態の方、年齢年次の異なる方と一緒に頑張れる機会を持てることだと思います。同じ部署のメンバー同士は「背中を預けて頑張ろう」という関係性ができていますが、いろいろなプロジェクトで他部署の方との関係性が増えていくことで、背中を預けられる仲間を少しずつ増やせていく気がするんですよね。
その積み重ねが評価され、称えられる人が増え、称えられているのを知ることがまた誰かの力になる。今回、私も「みんな頑張ってるから頑張ろう」と思いながら取り組めましたし、今日こうして山田さんのお話を聞きながら「もっと頑張れることがあるな」と思っています。そういう良い循環が生まれる体験を、ぜひ次の人につなげていきたいです。
執筆=卯岡若菜、構成=牧嵩洋、編集=名越里美