CULTURE 70

「お客さまが主語になっていない」。挫折から生まれた営業としての信念と、AIで拓く営業の未来

  • 副島 瑞暉(PR TIMES事業ユニット 第二営業部)

DATA:2025.07.18

こんにちは。PR TIMES 第二営業部の副島瑞暉です。

普段は、上場企業から地域で奮闘する企業まで、様々なお客さまへ「PR TIMES」を通じた情報発信のご提案をしています。

前職での成功体験を胸に入社したものの大きな壁にぶつかりました。この経験を共有することが、新しい環境でリスタートした「だれか」に伝わり、次の一歩踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

だれブロ ーまだ、話していないことー
私が「だれか」お伝えします。働く誰か、働こうとしている誰かに役立ってほしい。
そんな想いでPR TIMESのメンバーが紡ぐブログです。
PR TIMESで働く「私」の仕事とそのほかいろいろ。
うれしいとか、やる気がでるとか、やめようかなぁとか。
だれかの、働く今日の気持ちにつながりますように。

副島 瑞暉

副島 瑞暉

PR TIMES事業ユニット 第二営業部

専修大学卒業後、22年にバイトルを運営する人材紹介会社に新卒として入社。
SaaS商材を扱うDX事業本部に配属され、人事労務システム、ATS(採用管理システム)、採用ページサービス、MEOサービスのフィールドセールスとして従事。
PR TIMESには24年9月に入社。現在はPR TIMES事業ユニット 第二営業部 セールス兼営業企画として活動。
社内プロジェクトでは、プレスリリースエバンジェリスト、酒蔵プロジェクト、AI推進、ナレッジ構築などを経験。

マネージャー候補落選。突きつけられた「自分よがりの営業」という壁

前職で多数表彰を受けていた経験もあり、セールスという仕事には多少なりとも自信がありました。その自負もあってか、入社後すぐにマネージャー候補に選んでいただく機会を得ました。しかし、それは私の慢心を打ち砕く、厳しい現実の始まりでした。

営業部ではマネージャーの役割を担える人材を増やすため、マネージャー候補者に向けた研修を実施しています。
マネージャー研修が進むにつれ、ボロボロとメッキが剥がれていったんです。自分は推奨されている行動が取れていない、そのように感じる場面が多々ありました。

また、研修で出された「組織課題を改善する」という課題に対し、私の提案はいつも組織が主語でした。「組織が上手くいけば、巡り巡ってお客さまも上手くいくはずだ」と本気で思っていたので、何が正しくないのか、自分の提案の何が浅いのか、指摘されても正直分からなかったんです。お客さまとの向き合い方、課題の捉え方、そういった本質的な部分で「お客さまに向き合うこと」がまったく足りていないことを突きつけられました。結果、 マネージャーとしては認められず。悔しさと情けなさで、目の前が真っ暗になりました。


 マネージャー候補として推奨する人の人物像

そんな時1on1で部長の中井さんにお客さまへの提案の仕方を相談したんです。どうすればもっと成果を出せるのか。そこで返ってきた言葉が、私の営業としての転機となりました。

「副島さんは、お客さまが主語になることが少ないですね」

頭を殴られたような衝撃でした。 実はその少し前からずっと、PR TIMESという場所に自分が合っていないのではないか、という焦りを感じていました。今思うと、前職で働いていた頃の自分は営業数字を出すことが最優先で、「お客さま」に寄り添うという考えがどこか形骸化していたように思います。
でもPR TIMESの社員は、みんなが自然にそれを体現している。その理想の姿と、数字に囚われていた自分とのギャップに、どんどんしんどくなっていたんです。そんなタイミングで、部長の中井さんから核心を突く言葉を投げかけられ、自分の弱さを完全に見抜かれた気がしました。いかに「自分がどう売るか」「自分の成果をどう出すか」という自分が主語になっていて、自分よがりの営業をしていました。

お客さまのためと言いながら、本当の意味でお客さまに寄り添い、親身に考え抜いていなかったことに、そこで初めて気づかされたのです。

主語を「自分」から「お客さま」へ。型を捨てて手にした本当の成果

「お客さまを主語に」。その日から私の営業スタイルは180度変わりました。前職の経験から営業はいかにプロセスや提案を「型化」し効率を高め、受注するかが重要だと信じていましたが、その考えを捨てました。そして、成果を出すために、3つのことを徹底しました。

一つ目は、徹底的なインプットとアウトプットです。毎日、ランチの時間は仲間の面会動画を見ることに充て、良いと思った話し方や提案をすぐに自分のお客さまとの面会で実践しました。

二つ目は、一社一社、オリジナルの提案を考えることです。「このお客さまにとっての目指すべき状態・成功とは何だろう?」「PR TIMESを通して、このお客さまが本当に解決したい困りごとは何か?」と、お客さまのビジネスやその先にいる人々へと思考を巡らせるようになりました。

三つ目は、あえて高い壁に挑むこと。意図的に規模の大きいお客さまにアプローチし、エンタープライズセールスに挑戦することで、より深く、より複雑な課題解決に向き合う経験を積みました。

思考する際の主語を「自分」から「お客さま」に変えたとき、いままで以上に結果がついてきました。5ヶ月連続で部内の受注件数トップ、そして6月には部内でトップとなる月間17件の受注を達成。何より嬉しかったのは、数字以上に「副島さんだからお願いしたい」とお客に言っていただける機会が増えたことです。

個人の成功をチームの力に。営業企画とAIで描く新しい景色

個人の成果が見えてきた今、私は「営業企画」という新たな役割に挑戦しています。そのミッションは、営業担当がよりお客さまと向き合う時間を創出し、さらにお客さまに営業担当が適切な提案をできる環境を整備すること。
外部協力先との連携強化や、中長期的な観点でお客さまが広報活動に取り組めるような提案のための施策立案など、その業務は華やかではなく、地道な作業も多く、正直大変さを感じることもあります。

しかし私が所属する第二営業部には、部長を除いて15人の営業担当がいます。営業企画が止まれば、15人の仲間たちにお客さまとの面会機会を供給する流れが滞ってしまう。営業担当はお客さまに向き合う時間をこれ以上作れず、提供できる価値が頭打ちになってしまう。その責任の重さが私を突き動かす原動力であり、この役割の魅力なんです。

特に注力しているのが、AIの活用です。AIの活用といっても、AIをうまく使いこなせる組織ではなく、常に成果を意識して、提供価値を高めるという観点での活用を模索しています。

活用においては、AIとひたすら対話しながら試行錯誤することもありますが、多くは周りの人との繋がりから得たものです。
以前のトレーナーの高山さんや同じ営業企画メンバーの髙津さんがシェアしてくれる情報を試したり、SNSで有益なプロンプトを調べて実践したり。時にはこの分野に詳しい前職の同僚にカジュアルに相談して、得た知識をすぐにアウトプットすることもあります。

こうした地道なインプットとアウトプットを繰り返し、これまで営業担当が手作業で行っていた、面会の事前準備や面会後の作業といった業務をAIが補助できる仕組みを構築してきました。
最近では社内に蓄積された膨大な活用事例を、AIを使ってお客さまの困りごとに合わせて瞬時に検索できるシステムもインターン生と協力して開発を進めています。

これらは全て営業担当が「人でなければできないこと」、つまり「お客さまの思いに寄り添い、真の課題解決へ伴走すること」に、1秒でも多くの時間を使えるようにするためです。

私が「介在」する価値を、すべてのお客さまと未来の仲間のために

前職の私はサービスを売りたいと、自分のことばかりを考えている存在でした。そこには私自身の幸せも、発注していただいたお客さまの本当の幸せも考え切れていなかったのかもしれません。だからこそPR TIMESの営業として、「副島が介在することによって幸せになるお客さま、成功するお客さまを増やしたい」と心から願っています。

その想いを実現するため、私の挑戦は続きます。

まずは営業企画において、未来の仲間が私と同じ苦労をしないよう、誰でも成果を出せる「再現性のある仕組み」を整えていきます。 もともと営業企画は、膨大な業務量を一人で担っていた状態でしたが、現在は2人体制でチームとして動き出しました。業務を引き継ぐだけでも本当に大変だった経験もあり、だからこそ属人化しない強いチームを作ることが、巡り巡ってお客さまへの価値提供につながると信じています。

さらにお客さま一社一社の支援という枠を超えていきたく、プレスリリースへの愛と知識と経験を持ち、プレスリリースの活用を周りへ広める「プレスリリースエバンジェリスト」のプロジェクトメンバーとして、より広く社会に貢献することも私の大きな目標です。専門家であるエバンジェリストの方々とタッグを組み、地域のお客さまが抱える課題に対し、広報・PRの力で何ができるのかを共に考え、啓蒙していく活動に力を注いでいきます。

こうした挑戦の原動力は、いつも「お客さまが主語」という、あの日の気づきにあります。だからこそ、このだれブロを読んでくれている「だれか」の気づきのきっかけになると嬉しいです。