CULTURE 78

「育成って、結局、何?」 考え抜いた末に辿り着いた私なりの今の答え|22卒営業部長の苦悩と試行錯誤

  • 中井 健太(PR TIMES事業ユニット 第二営業部 部長)

DATA:2025.12.10

こんにちは。PR TIMESの中井健太です。私は2022年4月に新卒でPR TIMESに入社し、現在は第二営業部にて部長を務めています。

このだれブロを書くにあたり、私の入社後3年半と少しを振り返ると、「今が一番挑戦していて、大変で、楽しい。」という感覚を常に更新し続けられていることが嬉しく、また、そう思えていることがすごくありがたいことだと感じています。

今回、そんな私が今、一番挑戦していて、大変で、楽しいまでは昇華していないけれど、前向きに取り組んでいる「育成」についてお話しします。

だれブロ ーまだ、話していないことー
私が「だれか」お伝えします。働く誰か、働こうとしている誰かに役立ってほしい。
そんな想いでPR TIMESのメンバーが紡ぐブログです。
PR TIMESで働く「私」の仕事とそのほかいろいろ。
うれしいとか、やる気がでるとか、やめようかなぁとか。
だれかの、働く今日の気持ちにつながりますように。

中井 健太

中井 健太

PR TIMES事業ユニット 第二営業部 部長

神戸大学を卒業後、2022年4月に新卒でPR TIMESに入社。大企業や地域企業、自治体、スタートアップなどさまざまなお客様に対して、幅広く提案し、2024年1月に第二営業部副部長、2025年1月より部長に就任。4月1日に夢を発信する文化をつくるApril Dream2024のプロジェクトメンバーを担当し、プレスリリースアワード2025の責任者を務める。

壁はあれど、チームで目標を達成できる組織へ

2年目の終わりに差し掛かる2024年1月に、営業部門が第一営業部・第二営業部という現体制の2部門に分かれ、私は第二営業部の副部長になりました。代表の山口さんが部長を兼任しサポートしてもらう形でスタートしましたが、まずぶつかった壁がチームで目標を達成する難しさでした。

当時、入社後1年未満の社員が部門全体の75%を占めていました。「自分がプレーヤーとして引っ張り、自分が注力したことをメンバーの皆さんも再現できるように…」と鼻息荒く意気込んでいたことを記憶していますが、結果、(今となっては当然)うまくいきませんでした。正直、「こんなにうまくいってほしいと考えているのに、どうしてわかってくれないんだろう」と思ってしまう局面もありましたが、営業としてお客様の立場に立つのと同じように、目の前の社員の立場に立てていないことに気づきました。

社員との対話の議事録を取って代表の山口さんに相談したり、目的や目標を繰り返し言葉にし続けたり、メンバーを理解し、信じて任せて支えるということを少しずつ実践しました。また、第一営業部の小暮さんと一緒に営業職能をレベルとともに明文化し、共通言語で職能向上が実現できる研修制度も結果に大きく影響しました。(現在もオンボーディング研修~その後のレベルアップまで機能し続けています。)
現在は、個々人が共通の目標を目指し、チームで達成する組織になってきている感覚を持っています。


※23年-24年にかけて、部長・マネージャーで研修を構築。営業職能の言語化を進めました。

「育成はそんなに甘くなかったし、全然甘くない」

営業全体が次第に一つのチームに近づきつつある中で、うまくいっていないことももちろんあります。それは、一度ご利用いただいたお客様のその先の継続率が目標に届いていないということと、他部門への人材の輩出がそこまで進んでいなかったということです。言い換えると、マネージャーや部長といった、今後PR TIMESで重要な役割を担う人材が台頭するということを、目指しています。
そのような中で半期の業績目標と組織の目標について、代表の山口さんに相談をした際に、育成部分で下記のようなフィードバックをいただきました。

「営業はこれまでも個人に委ねた成長で、このままだと部も人も成長が緩やかになる。人を育てる・人ができるようになるということをいい加減に考えている。ずっと止まっていますよね。」

「あれ?」と唖然としました。考えられていなかったことを痛感したし、ぎくりともしました。でも考えていないことはなく、むしろ「一番注力しているはずなのに…」と悔しさも混ざり、自分の唇が震えたことにまず戸惑いました。
次にその震えを隠そうとしたり、文脈を理解しようと、とにかく山口さんの発言の議事録を取っていると、気づけば1on1の30分が終了してしまいました。びっくりしました。

今となっては言葉尻だけを捉えてしまったことを反省しているのですが、1on1でお話したことを振り返ると、ようやく理解ができました。

PR TIMESの営業の醍醐味は、PR(パブリックリレーションズ)を通じて、お客様が向き合っているお客様との関係が良くなる(事業の前進/拡大)、お客様の従業員との関係性が良くなる(組織の前進/拡大)等の一大事に本当に介在していくことです。
そのために、もちろん職能は重要だし、向上する仕組みを時間と労力をかけてつくってきました。ただ、それ以上に、自分のためだけではなく、相手や社会のために頑張ろうと思えたり、相手の立場で想像して言動できる人間性のようなものが前提になると考えています。執行役員や部長、マネージャーに求められるのも、同様に人としての素養が大きいです。例えば、他者からの意見やフィードバックを素直に吸収できたり、自分の都合で諦めない姿勢を持っていると、能力は飛躍的に向上し、それに応じて役割も広がっていくのだと確信しています。

人間性を育むことは重要だと、わかっていた。いや、本当にわかっていたのか?
人間性を育むためには本人が変わるしかない。いや、本当に? それを「しょうがない」と思っていなかったか?
自分はどうなのか、そのような人間性を育めているのか? ん、育成って結局、何?
…といったことを考えるきっかけになりました。

みんなが変わるために、自分が変わる


いろいろと考えましたが、それでもやっぱり、育つ・成長するためには本人が変わるしかないと思っています。(私自身も含めて)

ただ、だからといってその人次第と片づけてしまうのではなく、その人が変わるきっかけになるために自分が変わらないといけないということが一番の気づきです。第二営業部のメンバーも、PR TIMESで働く人たちも、十中八九めちゃくちゃ頑張っているし、リスペクトしています。そのようなリスペクトや感謝を根底に持ち、目の前の人が一歩踏み出せるようなコミュニケーションや機会づくりに徹しようと考えています。

これを実践することは至難の業なのですが、まずは小さなことから実践しています。例えば、自分や他者の些細な機微にアンテナを張って自己内省や観察、対話をするようにしています。感情が乗ってしまう局面があったか、それはなぜなのか、メンバーから学びや気づきを得た瞬間はあったか、それを伝えられているか等を毎日内省し、対話するようにしています。

最近、自分の中でPR TIMESで働く醍醐味が一つ増えました。
それはメンバーが不安や期待等、いろいろな感情が混ざった状態で、何かをやると決意した瞬間や、決意して行動した結果をまっすぐ話す顔を見ることです。先日社員総会で受賞し舞台に立つメンバーの話を聞いていると、自分が受賞したときよりも数倍嬉しかったし、誇らしかったです。

本当の育成とは、人として成熟することであり、そのために自分自身が変わるべきことはないか、と問うて行動し続けること。その結果、PR TIMESで重責を担う人が台頭したり、ここで働いてよかったと思える人が増えること。
そのように現時点では考えています。

「こんな未来は、想像もしていなかった」を増やす

PR TIMESは適所適材を原理原則として、躊躇なく組織を再編し、年齢や年次を問わず重要なポジションに対して抜擢と交代を行う文化があります。

私自身、入社した頃はどこかで他人と比較したり、真っ当にチャレンジする人をどこか斜に構えて見ていたような記憶があります。今の自分の状況なんて想像してもいなかったですし、自分の性格が180度変わっているかもしれないとさえ思えてきました。
なぜこんなことになっているのか、きっかけはなかったか..と振り返ったのですが、きっかけはありませんでした。社内の皆さんやお客様からの、愛のある、ときにはびっくりするフィードバックとともに、経験を少しずつ広げる過程の中で、自分の性格も0.5度ずつくらい変わっていったような気がします。

これまで、私というひとりの人間に向き合ってくれていたのだと、今になってようやく思い当たる節が出てくることに申し訳なさも感じますが、今はそれよりも、感謝と「次は自分の番だ」という気持ちが強いです。
「誰かのために自分が変わるんだ」と信じて、挑戦を重ねる人が集まった組織は強いし、そういう組織をつくりたい。「こんな未来は(いい意味で)想像もしていなかった」と言ってくれる人を増やしたいと考えています。

私自身の役割も、営業部門の在り方も、組織全体の体制も、今が最終形ではないので、皆さんと一緒に思ってもいなかった未来に向けて、チャレンジし続けていきたいです。