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本社と各ホテルの担当者で回す広報業務フローの確立とPR活動の活性化に成功

DATA:2018.02.03

「ニッコー・ホテルズ・インターナショナル」「ホテルJALシティ」という2つのブランドで、国内36ホテルを運営する株式会社JALホテルズ。本社の広報担当である日下部春哉マネージャーは、各ホテルの宿泊プランやキャンペーンに関する広報を活性化することで、自社ブランドの訴求力を高めようと考えました。

貴社では各ホテルの広報と、本社の広報とで、役割が分かれていると伺いました。どのような体制になっていらっしゃるのですか?

それぞれのホテルが魅力的な宿泊プランやキャンペーンを企画していますので、各ホテルの広報担当者から、プレスリリースを発信するようにしています。一方、私のような本社の広報担当者は、ホテルの開業や全ホテル共通のキャンペーンなど、本社としての活動を中心に広報しています。
本社広報は、各ホテルの広報活動を支援するのも役割の1つ。各ホテルのリリースが活性化すれば、チェーン全体での露出が増え、ブランド自体の訴求力が高まるわけですから。

各ホテルの広報担当者と定期的な会議は行っているのですか?

2009年から、全国から国内ホテルの広報担当者を集めた広報担当者会議を開催するようにしました。担当者会議でアンケートを取って各ホテルの状況を調べたところ、広報活動への力の入れ方にホテルにより大きな差が見受けられました。リリースを定期的に配信できているホテルもあれば、なかなかうまく広報業務を回せていないホテルもあったのです。

どこが問題なのかと各担当者に悩みを聞いてみたところ、リリース配信先の媒体・担当者リストの管理が大変なことと、配信するリリース文の作成に手間が掛かることが課題として浮かび上がってきました。そこで各ホテルの広報活動を底上げするためには、リリースを簡単に配信できるシステムの導入が必要だと考えるようになったのです。

プレスリリース配信サービスを導入した理由を教えてください。

ホテルという事業は、地元の新聞や情報誌などのメディアとのつながりが一番大事。配信リストの中には地方紙も含まれていますので、それが良かったのです。地元メディアとのつながりを築けていなかったホテルは、特に助かっていますね。

地元メディアとの関係をしっかりと構築できていたホテルからは「東京の雑誌社などにもリリース配信したい」というリクエストが届いていました。地元との関係を維持しつつ、大都市圏のメディアにもリリース配信できる。広報活動が進んでいるホテルにとっても、使い勝手が良いサービスだというのも理由です。

導入目的であった各ホテルの広報活動の支援という点から見て、手応えはいかがですか?

2010年8月から2011年3月まで、123本のリリースを配信することができました。2010年に開いた2回目の広報担当者会議で、「8カ月間に全社でリリース配信100本を目標にしよう」と訴えたところ、「そんなに大きな目標を立てても……」という声も出ていましたが、見事に目標をクリアできたのです。

リリース配信の本数が増えただけではなく、1配信当たりの配信先の媒体数を増やすこともできました。それまで、配信リストの件数は、多いホテルでも200媒体くらい。それに加えて300媒体まで送れるようになりましたから、送信できる媒体数を倍以上に増やしたホテルも多かったのではないでしょうか。リリース配信未経験だったホテルにとっては、手間を掛けずに基礎となる配信リストを入手できたので、大きな成果を得られたと思いますね。

リリース文を作成するところも、課題に挙げていらっしゃいましたが。

広報担当者会議で毎回、リリースの書き方について勉強会を開いています。社会に対して情報発信する上で、どういう心構えを持たなくてはいけないのかと学習しました。またプレスリリース配信サービスを導入する前までは、会社としてリリース配信のフローを整えられていませんでした。本社側の確認無しで各ホテルがリリース配信できるようになっていたのです。

その問題も、プレスリリース配信サービスを利用することで解決できました。各ホテルの担当者が登録したリリースの内容を、私が一度チェックするようにしています。改善点があれば直し、最後は必ず私が配信ボタンを押す、というフローにしたのです。

リリース配信数・配信リストの増加、配信フローの確立といった成果が出たわけですが、今後はどのような点に注力する計画ですか?

ただリリースを送るだけではなく、メッセージ性を打ち出すことも大切だと考えています。例えば、高速道路の休日料金が上限1000円になる政策の期限が切れました。そこで、遠方から車でお越しになられていたお客様に引き続き、ご利用をいただきたいということから、ガソリン代の補助になればとクオカードを差し上げる宿泊プランを用意したところ、注目を集められたのです。

また、震災の被災地域在住の方へ元気を贈りたいということから、室数限定で宿泊を半額でご提供するプランをリリースしたところ販売から1カ月半で1000室を超えるご利用をいただいたホテルもございました。そのように話題となる内容を考え、うまくPRしていく必要性も感じています。

今後の広報活動についてお聞かせください。

プレスリリース配信サービスを使うようになってから、各ホテルの担当者から「こういうネタがあるんですが」といった相談を受けることが増えました。定期的にコミュニケーションを取れるようになった分、そのやり取りをプレスリリース配信サービスのシステム上でほかの担当者とも共有して、広報担当者間の横のつながりを強めていきたいですね。