ビジネスパーソンに聞く仕事術
OUR WORKS 97PR TIMES
DATA:2019.04.05
これまでと違う仕事をしたい。環境を変えて、新しいことにチャレンジしたい――。
Bリーグに所属するプロバスケットボールチーム「アルバルク東京」で、広報などの業務を担当する蓑輪えりかさん。以前は人材サービス企業に勤め、求人メディアの企画やプロモーション、コンテンツの制作・編集など、幅広い業務に携わってきました。その業務の中で「こんなことにチャレンジしてみたい」と思うことも増えてきましたが、その会社の伝統・ブランドに気兼ねしてしまい、なかなか行動に移せずにいたそうです。
そうした状況を変えようと、思い切って転職を決断。これまで携わったことのないスポーツの世界に飛び込んでみました。しかし、蓑輪さんは学生時代から完全に文化系。運動部に所属した経験さえありません。入社時にはバスケットボールの知識は皆無で、「ルールについて、いまだに詳細が分からないところもある」と言います。
それでもアルバルク東京で働くようになり、知識ゼロだったバスケットボールの世界で奮闘する蓑輪さんに、アルバルク東京でのお仕事についてお話を伺いました。
アルバルク東京で働くようになったのは、1年半ほど前のことと伺いました。どういった経緯で、転職してきたのでしょうか?
新卒から11年間、前職の求人メディア関連の会社で働いていました。いろいろな仕事を経験させてもらえましたが、私が好奇心旺盛な性格であることもあって、次第に「新しいことにチャレンジしたい」という思いが募るようになりました。けれど、前職は伝統があってブランドイメージもある程度固まっている会社でした。「こんなことをやりたい」と思うこともありましたが、「前例がないし、ブランドイメージに合わないな」と私自身の判断で諦めてしまうことが多かったんです。
それで「転職して、新しいことにチャレンジしてみたいな」と思うようになり、思い切って転職先が決まるよりも先に、前職を退職しました。それから「今までと違う仕事をしたい」と転職先を探し始めましたが、今後のキャリアを長期的に考えると、前職の経験を生かせる転職先を探すべきだとも思いました。
そう考えながら転職活動を進めていたころ、以前にプロモーション関連のお仕事をご一緒したことがある方に退職をご報告する機会がありました。すると「今までと違う仕事をしたいけど、プロモーションの業務経験も生かしたい。それならスポーツチームで働いてみるのもおもしろいんじゃないの?」とアドバイスいただき、アルバルク東京の面接を受けることになったんです。
とはいえ、私は学生時代にずっと文化系の部活だったので、スポーツの経験が全くありませんでした。今ではバスケットボールのことを好きになっていますが、それでも実はいまだに試合観戦中、「このルールがよく分からない」と感じることもあります。ですので、面接を受けたときに「私、バスケットボールの知識ゼロですけど、いいですか?」って、正直に聞いたんですよ。すると、「その『バスケットボールのことが分からない』という感覚を生かして、スポーツにあまり詳しくない人たちにもバスケットボールの魅力を伝えられる方法を考えてほしい」と言ってもらえたんです。
当時はプロバスケットボールの「Bリーグ」が立ち上がって間もないころ。これから盛り上がっていく市場で新しい仕事ができればワクワクするだろうと思い、入社しようと決めました。実際にアルバルク東京で働くようになったら、周りは「新しいことをどんどんやっていこう」と考えるメンバーばかりで、いつも刺激を受けています。チームの運営にかかわるフロントスタッフは19人ほどと多くはありませんが、チャレンジしやすい環境が整っていて、すごくおもしろいメンバーと一緒に働けて楽しいです。
入社後は、どんな仕事を担当したんですか?
少人数の会社なので、全員がさまざまな業務を兼務しておりますが、私は、広報業務に加えて、試合会場での飲食店の取りまとめや、地域プロモーション関連の業務を担当しています。入社して最初に担当したのは、イヤーブック(選手名鑑)の編集でした。また同時期に、Bリーグ1部の東京・神奈川の4クラブ合同のシーズン開幕プロモーションも担当させていただきました。
そうした仕事の中でも、特に印象に残っているのが2018年2月に開催した「Alvark Girls Day」です。
準備期間や予算が非常に限られている中でも、赤リボンをドレスコードにして応援する、選手からのメッセージ入りカードを女性客にプレゼントする、オリジナルスイーツを販売するなどの仕掛けを女性社員が中心となって企画しました。女性のお客様だけでなく男性のお客様にも評判が良かったので、内容をさらにパワーアップして続けていこうというイベントになりました。
面接時に「バスケットボールのことが分からない」ことを逆に生かしてほしいと期待されたそうですが、どのように生かしていきたいですか?
バスケットボールのルールは、私のような未経験者からしたら、わからないことも多いと思うんです。試合が途中で止まっている理由がわからないことも多々あります。私と同じように感じているお客様は少なくないと思います。そういったお客様でも、今後も楽しんでいただけるように、ルール解説のコーナーを設けるなど、バスケットボールをより身近に感じてもらえる企画を考えていきたいです。
入社からわずかな期間で、いろいろなアイデアを実現してきているんですね。
実は私自身、アイデアが次々と湧き出るタイプではありません。しかし、新卒1年目の社員をはじめ、インターンシップの学生さんなど、世代の違うまわりのスタッフがアイデアをたくさん出してくれます。私は彼女たちのアイデアを形にするため、前職での業務経験を生かして、それを実現する方法を考えることがほとんどです。
バスケットボールを観戦してくれるお客様の年齢層は、他スポーツと比べて比較的若いです。そのため、企画を立てるときには若手メンバーの意見を積極的に取り入れ、チームとして連携できることを意識しています。
アルバルク東京のような少人数の組織で働いていると、多くの仕事を同時進行することになります。Alvark Girls Dayを開催するときも、全体のスケジュールを常に意識しながら、関係各所を次々に回って打ち合わせを重ね、対応が必要なタスクを洗い出し、一歩ずつ前に進めてきました。
こうした実務を着実に進めていくのは、前職での経験もあるため、比較的得意とする分野です。若手が考えてくれたアイデアを私が取りまとめ、ひとつでも多くの企画を実現させていきたいと考えています。
そうして実現してきた取り組みのひとつとして、スポーツチームや団体が自ら情報を発信することを支援するプロジェクト「SPORTS TIMES(スポーツタイムズ)」に、発足時から参画いただきました。
SPORTS TIMESに参画している理由は、スポーツに普段関わりのない方々にもバスケットボール、ひいてはアルバルク東京に興味を持っていただきたいからです。バスケットボールチームの情報は、メディアに取り上げていただく回数もまだまだ多くはありません。そのため、バスケットボールにそれほど興味がない一般の方々にまで伝わる情報は、まだ少ないと思います。
そうした状況を変えたくて、バスケットボールと関係ない媒体にも東京アルバルクの取り組みを知ってもらおうと、SPORTS TIMESに参画してPR TIMESのプレスリリース配信サービスを無料で利用させていただこうと思いました。
結果として、順調に反響は増えてきています。例えば、トヨタ自動車が開発した「狙ったシュートは100%外さない」AIバスケットボールロボット「CUE」について、PR TIMESを使ってプレスリリースを配信したところ、スポーツ関連のメディアに加えて、テクノロジー系やビジネス系のメディアにも取り上げてもらえました。他のリリースと比較しても、非常に反響は大きかったです。
最後に、今後の抱負についてお聞かせください。
これからも、私のように今までスポーツに触れてこなかった人たちにもバスケットボール観戦を楽しんでもらえる環境をつくっていきたいと考えています。そして、そのためにバスケットボール観戦の楽しみ方を伝えていきたいとも思っています。
例えば、一般の方がバスケットボールの試合を観戦するとき、「早めに会場に行こう」とは思わず、試合開始時刻に到着していればいいと思うかもしれません。でも、実はバスケットボールの試合会場は、試合前から盛り上がっているんです。 開場後から、グッズや飲食売店、会場内の各ブースで楽しむこともできますし、試合前に、選手が出てきてアップをしている様子が見れたり、プライムタイムショーも実施しています。また、試合後のヒーローインタビューも、選手について知れば知るほど楽しめるようになります。
選手をはじめとするチームのがんばりのおかげで、アルバルク東京はBリーグの2017-18シーズンに優勝できました。注目されることも少しずつ増えてきましたし、今度はチーム運営に当たる私たちフロントスタッフがこのチャンスを生かし、さらにアルバルク東京の価値を高めていけるようにがんばっていきます。