CULTURE 84

時間は減った。働きがいは増えた。産育休復帰1年目の自分との約束

  • 片岡 茉理(Jooto事業部 カスタマーリレーションズチーム)

DATE:2026.05.14

初めまして。PR TIMESで、タスク・プロジェクト管理ツール「Jooto」やガントチャートツール「Ganto」のプロダクトやマーケティングを担当している片岡です。
JootoはPR TIMESが運営するタスク・プロジェクト管理ツールで、「今日も、いい仕事ができた」という手応えを日本中に届けることを目指してサービスを運営しています。私は2021年の入社以来、Jooto事業部カスタマーリレーションズチームの立ち上げメンバーとしてずっとこのサービスに携わってきました。

そのJootoに携わりながら、実は、自分自身の「働きがい」について一番悩んでいた時期がありました。産育休から復帰してからの、最初の1年間のことです。
今日お話しするのは「子育てとの両立」の話ではありません。「制約が増えた中でどう仕事と向き合ったか」という話です。働く時間が減ることへの恐怖、復帰後に感じた罪悪感、そしてその先に見えてきたこと。葛藤も失敗も正直に話したいと思います。

もし今、「将来、ライフステージの変化により働く時間が限られたとき、自分は活躍できるんだろうか」と漠然と不安を感じている人がいたら、少しでも届けばいいなと思っています。

だれブロ ーまだ、話していないことー
私が「だれか」お伝えします。働く誰か、働こうとしている誰かに役立ってほしい。
そんな想いでPR TIMESのメンバーが紡ぐブログです。
PR TIMESで働く「私」の仕事とそのほかいろいろ。
うれしいとか、やる気がでるとか、やめようかなぁとか。
だれかの、働く今日の気持ちにつながりますように。

「心がちぎれそうになった」引継ぎの日々

産休に入る前のことです。当時の私は、ジュニアボード会議という全社横断のプロジェクトや、Jooto事業部内でスタンダードプランの料金体系変更やユーザーコミュニティの企画等、複数プロジェクトを担当していました。

妊娠がわかったとき、もちろん喜びもありましたが、正直、最初に頭に浮かんだのは「仕事どうしよう」という焦りでした。当時、Jooto事業部は事業部長も含めて正社員10名の小規模なチームということもあり、業務の属人化が多く残っていました。普段の業務に加えて引継ぎ業務も発生し、ギリギリの状態でした。

引継ぎを進めるなかで、心がちぎれそうになる瞬間が何度もありました。自分が積み上げてきたものを一つひとつ手放していく感覚。「あと少しで形になるのに」「ここだけは自分でやりきりたかった」という気持ちがこみ上げてきては、頭の中で抑え込んでいました。

ちょうどそのころ、同じ事業部の華輪さんが声をかけてくれました。
「片岡さんが戻ってくるまで踏ん張ります。仕事のことは忘れてお子さんとの時間を大事に過ごしてください」

担当のお客様からも、こんな言葉をいただきました。
「子供との時間はかけがえのないもの。後悔しないように。」

この言葉たちが、産休に入る直前の私の背中を押してくれました。
それと同時に、あらためて気づいたことがありました。「ああ、私はこんなに背中を預け合える仲間と働いているんだ」と。自分がいない間も、チームがJootoを守ってくれる。その信頼感があったから、産休中も前を向いていられました。


Jooto事業部のメンバー一部

全力疾走するメンバーの中で、一人ブレーキをかける感覚

その後、私は産育休を終えて、2025年4月に復帰しました。
復帰してからしばらく、ある感覚がずっとついて回っていました。

「迷惑ばかりかけている」

フルタイム勤務であるものの、自由に使える時間が限られており、自分が抱えられるボールの数は明らかに減っていました。周りのメンバーが全力疾走しているのに、自分だけブレーキをかけている。頑張っている人が多い組織だからこそ、その対比がきつかったです。「申し訳ない」という気持ちが、じわじわと積み重なっていきました。

復帰前に、同じく子を持つ立場の人事の名越さんとこんな会話をしたことがありました。

「子供との時間を犠牲にして働くのであれば、働きがいのある仕事じゃないと」

この言葉が、ずっと頭に残っていました。

私は「時間の制約がある中でも、働きがいを諦めない」と決めていました。でも、実際に復帰してみると、ボールを持ち切れない自分への焦り、周りへの申し訳なさが先に立ってしまって、その初心が揺らぐことがありました。そこで自分に問い直したのは、「今の私に何ができるか」ということでした。

以前の私: 残業もいとわず、自分がやりたいことや、自分のボールを全部やり切る。
復帰後の私: ボールを持ち切れないなら、今持てるボールに全力を注ぐ。自分の足場をしっかり守り、やると決めたことに絞る。

「背中を預け合える存在でいたい」という気持ちは変わらない。でも今は、まず自分の持ち場で確実に成果を出すことがチームへの貢献になる、そう腹をくくりました。


2025年6月の中途入社式で上長から授与されたプレスリリース内容

限られた時間で、成果にこだわる

仕事への向き合い方が変わると、具体的な行動も変わっていきました。

以前は「時間をかければよい仕事ができる」という感覚がどこかにありました。細部まで自分でやりきる。残業してでも仕上げる。でも復帰後、その選択肢がなくなったとき、初めて「どうすれば限られた時間の中で最大の成果が出せるか」を真剣に考えるようになりました。

答えはシンプルでした。今やるべき重要事項の“マストワン”とその期日を決める。逆算して段取りを考え、実行する。停滞しそうなときはすぐに相談する。日々の業務に忙殺されると後回しにしがちなことを、あえて口に出す。基本的なことだけど、実際は続けるのが難しい。それを毎日コツコツやる。それだけです。

振り返ると、この感覚はJootoをお客様と一緒に使い続けてきた中で自然と身についてきたものでした。タスクを可視化し、段取りを共有し、属人化を防ぐ。Jootoがお客様に届けようとしていることを、自分自身の仕事で実践していた——そう気づいたとき、改めてこの仕事の面白さが見えてきました。

製造業、建設業、経理部、技術部——多業種・多職種のお客様それぞれの現場に向き合いながら、プロダクト開発からサービス企画、情報発信まで、少人数チームの一員として広く携わります。今のJootoが目指しているのは、クローズドになりがちなタスク・プロジェクト管理の世界を変えること。Jootoを通じて、組織の中に眠っていたナレッジが見え、メンバー同士で共有しあえるプラットフォームへと進化させていくことです。自分が手がけたことがそのままサービスの変化として出ていく——そのスピード感と手応えが、Jooto事業部ならではの醍醐味だと感じています。

下期の目標として設定したのが、プレスリリースを3本出すことでした。Jooto事業部においてプレスリリースを出すことは、新たな取り組みを形にして社会に届けること。事業として確かに動いている証でもあります。Jootoの料金体系変更Gantoのβ版リリース、そして有識者監修テンプレートの3件です。
中でも印象に残っているのが、有識者監修テンプレートの取り組みでした。

これはJootoにとってもゼロからのスタートとなる新しい取り組みでした。各分野の専門家の実務知見を業務フローとしてテンプレートに落とし込む、というものです。専門家の誰に声をかけるか、どんな業務領域から始めるか、どうやって実務の暗黙知をJootoのテンプレートに変換するか——決まっていることが何もない状態から始まりました。

正直、何度も手が止まりました。「今の自分にはまだ早かったかも」「もっと余裕のあるときにやればよかった」という気持ちが顔を出すたびに、半分やめそうになりました。
でも、そのたびに社内の誰かに相談しました。行き詰まったら声をかける。一人で抱え込まずに、相談しながら前に進む。それが、以前の私とは違う、今の私の仕事の進め方でした。

2026年3月、1万件以上の取材対応実績を持つPRデザイナーの犬飼奈津子さんを監修者に迎え、広報の取材対応管理に特化した「有識者監修テンプレート」第1弾としてプレスリリースを通じて世に出すことができました。属人化しやすい広報業務を、チーム誰もが一定の水準で進められる形に可視化する。そのコンセプトがプレスリリースとして対外的に届いたとき、手応えがありました。「やり切った」という感覚。Jootoの変化を世の中に伝えられたことが、自分の仕事が社会につながっているという実感にもなりました。
実際に、「有識者監修テンプレート」第1弾を監修いただきました犬飼さんからもこのような嬉しい声をいただきました。自分の頑張りが誰かに影響を与え、またその想いが返ってくる。そんな循環を感じられることが、この仕事の醍醐味だと改めて感じています。

私も会社員時代に二人の子どもを出産し、産休・育休を取得しました。時短勤務中は、守るべきものが増えたからこそ、限られた時間の中でどう成果を出すか、日々必死に向き合っていたことを思い出します。片岡さんとのお仕事は、最初から最後までとても丁寧で誠実でした。迷いながらも相談し、一つひとつ前に進め、「やると決めたことをやり通す」姿勢に、片岡さんらしさが詰まっていたように感じます。
ー 犬飼 奈津子さん(PRデザイナー/有識者監修テンプレート監修者)


有識者監修テンプレート第一弾の広報・PR メディア取材対応管理【犬飼 奈津子氏監修】

「成果実感」が働きがいになる。だから自分との約束を守る

この1年間を振り返って、気づいたことがあります。

「働く時間は減った。でも、働きがいは増えた」

なぜかというと、それは時間の量の問題ではなく、「やると決めたことをやり通す」という積み重ねから来ているということです。

有識者監修テンプレートをやり切った達成感。プレスリリースが世の中に出たときの手応え。行き詰まりながらも相談して、少しずつ前に進めたあの感覚。そういった成果実感の積み重ねが、「今日もやりがいを感じながら働けている」という実感を支えています。

もう一つ、この1年で大切にするようにしたことがあります。「ご機嫌は自分でとる」ということ。
私にとってそれは、精神論ではありません。チームへの貢献がわかりやすく見える成果を、自分で目標にすること。今期プレスリリースを3本出すと決めたのも、まさにその考え方からです。目標が明確であれば、達成した瞬間に成果実感が生まれる。その成果実感が、自分のご機嫌を整えてくれる。成果実感とご機嫌は、私にとって表裏一体のものでした。

ただ、正直に言えば、まだ改善すべきfightが残っています。PR TIMESでは課題や成長余地のことを「fight」と呼ぶのですが、自分の持ち場で成果を出すことは、少しずつできるようになってきました。でも、チームや組織全体の目標に立ち返ること、事業の業績として本当に貢献できているか——この問いに対しては、まだ道半ばだと感じています。足場を守ることと、事業を大きく動かすことをどうつなぎ合わせていくか。それが今の私の、一番大きな伸びしろです。

できないことはあります。周囲に負担をかけることもあります。でも、「やると決めたことをやる」。この約束を自分に守り続けることが、チームへの貢献、ひいては自身の成果実感につながり、働きがいになっています。

将来、ライフステージの変化により、働く時間が限られたとき、本当に活躍できるんだろうかと不安になられる人も多いかと思いますが、私は自身の経験を持って、時間が減っても、働きがいはつくれると感じました。

やると決めたことに絞って、やり通す。その積み重ねがある限り、景色は変わります。