CROSS TALK 15

企画・提案・効果分析、オールラウンドに活躍するPRプランナーが考える「営業の役割」とは?【PRパートナー事業部キャリアMeetupレポート】

  • 村田 悠太(むらた ゆうた)(PRパートナー事業部長)
  • 髙木 健志(たかぎ たけし)(PRパートナー事業部)

DATA:2023.10.26

PR TIMESでは、今後のキャリアを考えている方に向けて、中途採用向けオンラインMeetupを開催しました。登壇したのは、PRパートナー事業部 事業部長 村田悠太さんとPRパートナー事業部 髙木健志さん。髙木さんの転職活動を追体験したり、入社してから取り組んでいる日々の業務や、事業と組織を作っていく渦中である現在の様子をありのままにお伝えしたイベントの模様をお伝えします。

村田 悠太(むらた ゆうた)

村田 悠太(むらた ゆうた)

PRパートナー事業部長

2008年、当時社員数4名のPR TIMESに中途入社。法人営業を中心にスタートアップらしくあらゆる業務に従事。2021年6月よりPRパートナー事業部の事業部長に就任し、30名ほどのメンバーと共に事業拡大に向けて推進中。

髙木 健志(たかぎ たけし)

髙木 健志(たかぎ たけし)

PRパートナー事業部

2016年大学を卒業後、新卒で名古屋の出版社に入社。営業や雑誌編集、イベント企画の経験を経て、2020年12月にPR TIMESに中途入社。2度の社内異動を経験しながらも、一貫してPRパートナー事業部の営業担当を担う。

営業・雑誌編集・イベント企画など、“オールラウンダー”な1社目

髙木さんの前職は?

髙木:新卒で入社したのは、地元・名古屋にあるタウン誌などを発行していた地域密着系の出版社でした。編集など、雑誌を毎月発刊するための業務がもちろんベースにあるのですが、法人営業や読者向けのイベント、Web版の制作物も手がけていました。雑誌は在籍した約4年間で通算100冊以上担当しましたし、イベントも50回ぐらい企画しましたね。“オールラウンダー”というと聞こえは良いですが、そこまで規模が大きくない会社だからこそ、いろいろなことを体験できたのかなと思っています。

次のキャリアを考え始めたのは、新卒入社して4年経った2020年のタイミング。PR TIMESについては出版社で、報道関係者がプレスリリースを受け取ることができる「メディアユーザー」に登録していたため元々知っていました。PR TIMES入社後は、2度部署異動していますが、役割としては一貫してPRプランニングに関わる営業活動を続けています。

村田:メディアユーザーだった人がPRパートナー事業部に入社した事例はなかなかないですよね。ちなみに前職ではかなり幅広い業務をされていたと思うのですが、髙木さんが一番楽しいと思っていた仕事や、得意だと感じていた仕事はありましたか?

髙木:一番…基本的に全部楽しくて得意でしたね!(笑)

村田:(笑)

髙木:それは冗談ですが、得意というか…難しいとは思わなかったです!規模が大きくなかったものももちろんありますし、確かに編集、営業、イベント事業、Web事業…と業務内容は幅広かったですが、「どうすれば読者の方やお客様を楽しませられるだろう」と考える部分はどの業務でも変わらなかったですし、みんなで一つのものを作るのが好きだったので、得意だったかはわかりませんが、楽しくできていたのかなと思います。


転職軸は、情報発信 × 頑張っている人の背中を押せる仕事

なぜ転職を検討したのでしょうか?

髙木:前職では、目の前のこと、やれることを、とにかく全力でやってきました。もう少し多くの人に届く仕事がしたいなというのと、今思えば当時の若い考えですけれど、「もう全部やりきったな!」という勘違いもあって、転職を考えはじめました。
初めは「別の出版社に行こうかな~」というくらいの安易な考えというか、それしか知らないし、それしかできないと思っていたんです。ただ、仕事をしていく上で大事にしている、頑張っている人や、夢を持つ人の背中を押せるような仕事をしたいという軸に立ち返りました。そういった人たちの頑張りを発信できるよう、雑誌やメディア、PRなどの情報発信に関わる仕事ができたら良いなと考えました。

この考えの軸は、いろいろ理由があるのですが、ひとつあげるとすると、高校時代の環境と経験が基になっています。僕が通っていた高校には、勉強以外にもスポーツやアルバイト、趣味の創作活動や芸能活動などに取り組んでいて、いろんな夢を持った人が結構いたんです。自分にはそういったものがなかったし、純粋にすごいなと思っていて応援していたのですが、そんな風に応援していることを喜んでもらえたことが何回かあって。自分にはこれといった才能や明確な目標がなかったけれど、それでもそういった人たちの背中を押せることもあるんだなと気づくことができました。

PR TIMES入社の決め手は?

転職活動では、PR TIMES以外にも出版社やWebメディアなどいくつかお話をいただいたのですが、最終的にPR TIMESに入社を決めた一番の決め手は、「提案の幅広さ」でした。出版社では雑誌のみの発信だったのに対し、PRは紙、動画など様々な情報発信の仕方があるので、頑張っている人や商品について少しでも多くの人に届けられると思ったんです。もう一つの理由は、事業のポテンシャルの高さ。入社時点で4.7万社の企業が利用していて、現在は8万社以上に伸びているなどその伸び代は魅力的ですね。


村田:転職する時は業界を選んでからやりたいことを考える人も多いと思うのですが、髙木さんはやりたいことから逆算してPR TIMESにたどり着いたんですね。

髙木:そうですね。あと最後の決め手に、面接の時に対応してくれた社員の方のイメージもありました。人事の方は候補者との一対一のやり取りなので、正直候補者へのフォローや頑張りって全てを会社が見ている訳ではないと思うんです。そんな中で、すごく細かく連絡してくれていたのは今でも印象に残っていますし、そういう仕事の取り組み方をみて入社後のイメージも湧きました。

PRパートナー事業部の営業の特徴とは?

髙木:大きな特徴は二つあって、まず1つは8万社を超える顧客基盤があることです。プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を既にご活用いただいているお客様に対して、プレスリリースに留まらないPR施策の企画提案を実施しています。もう一つが企画の自由度が高く、受注後の施策実行を自ら行うことです。プレスリリースの配信サポートはもちろんですが、より多くの人に情報を伝えられる方法を、お客様と一緒に考えています。毎回0から考えるのが楽しいところでもありますし、営業やプランナーの腕の見せ所でもあります。また案件をいついただくかは決まっておらず、1回案件を実施したらそこで関係が終わるということはありません。“顧客と伴走”を意識しながら、お客様がプレスリリース配信を行ったタイミングや、配信の相談を持ちかけられたタイミングでコミュニケーションを取ります。その中で「もっと広く伝えたい」という抽象的なご相談から、「イベントをやってみたい」という具体的なご相談まで、様々な粒度でご相談をいただいたり、こちらからヒアリングして引き出したりします。なので、業務内容がきっちり決まっていると言うよりは、お客様のお困り事に合わせて伴走の仕方がそれぞれ変わるというイメージです。

その活動の中で、最も大切なのはクライアントとメディア、双方の利益を考え抜くことです。商品やサービスを多くの人に届けるため、情報を受け取るメディアの方々に取り上げてもらうにあたっては、メディアやその先の読者の視点に立って考えることが大切です。情報発信する人の一番の味方になり、紹介すべきポイントや分かりやすい伝え方などを一緒に考える姿勢が欠かせないと感じます。

正解のないPR。お客様と作戦会議をし続ける伴走活動

現在はどんな仕事を?

髙木:現在は特に、コスメやライフスタイル系、食品飲料などの企業に対してのPR活動が多いですね。メディア掲載や世の中での話題作りを実現するべく、日々のお客様とのやり取りの中で相談を受けたり、プレスリリースを見てもっとサポートできそうな企業について話したり、プレスリリースの振り返りを一緒に行い今後どういったことができそうかについて話したり。依頼をいただくだけではなく、能動的に提案する双方向のコミュニケーションを行っています。

具体例として、ある老舗大手食品メーカー様の事例をお話します。その企業様は古くからPR TIMESを活用してくださっていたのですが、プレスリリースの枠を超えた広報活動やPR活動はあまりしたことがなかったんです。その中で商品の良さを直接伝える必要性をご提案し、相談を重ね、2021年から直接メディアに商品やアレンジレシピを紹介する春夏シーズンの新商品発表会の開催が決定しました。その企業様にとって、100周年の歴史で初めての一般メディア向けの発表会を実施することとなったんです。
その後、秋冬の新商品発表会や広報・PRの担当者向けに動画を作る「PR TIMES TV」を組み合わせるなど、いろいろな取り組みでご一緒していただくようになりました。最近はお客様内での社内調整よりも前に、当社にご相談を持ちかけていただけるような良い関係を築くことができています。


この事例のように、やってみたいことから形にするまでの過程をお客様と共に作戦会議するのが僕らの活動なので、深いコミュニケーションを取ることが多いかなと思います。作戦会議をする上で大切にしているのは、相手の気持ちになって考えること。PRは長くやっているからとか、前に成功した時と同じやり方を実践したから上手くいくということは全くなくて、相手の立場に立った上で時代や商品にあった情報の届け方をすることが大事なんです。PRの場合だと企業、メディア、メディアの先にいる読者といろいろな人の気持ちを考えないといけない。難しさと同時に毎回考えるのが楽しいし、やりがいも感じます。

営業の役割は「言い出しっぺ」

髙木さんが考える営業の役割は何ですか?

髙木:僕が思うにPRパートナー事業部の営業は、一言で言うと「言い出しっぺ」だと思います。売り込んでいくのではなく、どうしたら商品やサービスが広まるかをプロデュースするイメージです。PRは本当に実際にやってみるまで分からないのですが、自分が言い出したからには腹を括り、責任をもって正解にできるようにすることが大事だと思います。

そんなやりがいがある一方で、入社してぶつかった壁は、「未来に期待していただく提案」に対して決断してもらうことの難しさでした。決められた期限までに売り切る出版物とは異なりますし、企業が今までやったことないものに新しくチャレンジするケースも多いので、「どのタイミングで何をするか」「どのPR手法を使うのか」などのイメージを持ってもらうのが難しかったですね。また、PRは正解がないのでやってみないと分からない難しさもあります。ただ商談の中で、広報担当の方々から上手くいったPRや今流行っているものなど、生の声を聞く日々の活動が自身のインプットに直結しています。

適所適材でベストフォーメーションを組み替える


社内異動やキャリアステップについて教えてください。

村田:当社のミッションの実現を目指す上で、大切な考え方のひとつに「決めるべき人(責任者)を決め、決定には全員で協力する」というルールがあり、新卒、中途、入社年次、年齢、など関係なく適した人をアサインしています。それは部署の決定だけではなく、部署横断のプロジェクト責任者の抜擢も該当します。目標を達成することはもちろんのこと、目標に対してしっかり向き合う行動を評価します。最近であれば新卒7年目の20代メンバーで執行役員に抜擢された人もいますし、自分で自分のキャリアを作ることをすごく実感できる文化だと思います。

髙木:僕も「どの部署の配置であれば、その人の幅が広がるか」を考えた配属をしていると感じますね。実際、僕は代表の山口さんから「異動を通して、髙木さんの活躍の幅をより広げてほしい」と言っていただいて、2回部署異動を経験しています。

前職やPR TIMESに入社したばかりの時は、目の前のお客様や案件の事で頭がいっぱいでしたが、今は、少しずつ会社として向かうべき方向性を考えられるようになりました。僕自身も部署横断のPR TIMESのプロジェクトに参加させていただき、広報・PR担当者向けコミュニティイベント「PR TIMESカレッジ」で数百人のお客様と直接お会いできた経験や、プレスリリース発信文化の普及と発展を目指す「プレスリリースアワード」で約1400件のリリースを見て、お客様のいろいろな立場や思いをインプットできた経験などは、考えの変化に影響しています。

事業拡大を見据え、必要なものは自分たちでつくる

新たに挑戦していることは何ですか?

髙木:最近では、多くのお客様に役立つ提案をするためにも、新プロジェクトや新サービスを企画し自ら型を作っています。直近でも、プレスリリースの作成段階からサポートする新しいPRプランを考えました。

村田:新しいプラン作りは、現場の声を聞いたうえで必要だと感じ、且つしっかり価値提供ができそうだと感じたら「とりあえずやってみたら?」と話していて、基本的に髙木さんに任せています。一番のポイントは、売り上げだけを考えたようなプランではなく、会社のミッションやバリューに合っているのかということ。そこを踏まえた上で最近準備しているのが、個社ごとに提案・サポートするだけはなく、複数の企業に集まって商品紹介をしてもらい、メディアに取材してもらう合同タッチアップ会の取り組みです。これまでになかったことだと思いますし、PR TIMESならではの取り組みだとも思います。これが今後社会に根付くと社会の構造やPR業界も変わっていくはず。こうしたまだ世の中にない取り組みにどんどんチャレンジしていきたいですね。


村田:最後に、先ほども話しましたがPRパートナー事業部には「企業とメディアの良き伴走者になる」という戦略があります。ただ、伴走者になると一言で言っても、御用聞きに近しい形にもなりかねないのでかなり難しいんですよね。そうならないためにも、同じ目線にしっかり立って良いものは一緒に作り、良くないものは一緒に改善するような提案ができる体制を目指していきたいと思っています。その戦略を達成するためには、まずは事業としての強みを確立するためにも、美容、コスメ、食品などのカテゴリーの中でナンバーワンを目指していかないといけないですし、スタートアップやベンチャーのようなマインド精神を持ってナンバーワンを目指していかないといけないと思っています。大きな目標ではありますが、みんなでそこを目指して働けるのが楽しいですね。

執筆=藤井美帆(Qurumu)、構成=田代くるみ(Qurumu)