PR TIMESのカルチャー
CULTURE 50
DATA:2024.12.25
迷わず突き進んでいるように見える人ほど、周囲からは見えない葛藤と戦い、一歩一歩前進しています。『#PR TIMESなひとたち』は、「PR TIMESらしさってなんだろう?」について、社員の挑戦や努力の裏側、周囲からは見えづらい地道な一面に迫り、わたしたちの日常をお届けしていくコーナーです。
今回は、「2024年度上期社員総会」で最高賞であるMVP賞を受賞したJooto事業部のプロダクトマネージャー、平野さんにインタビュー。新卒でPR TIMESに入社し、8年。これまでのさまざまな経験が活かされ、プロダクト設計、ダッシュボード機能の搭載、AI機能のリリースなどプロダクトにとって重要な業務を牽引。サービスの革新にあたり、プラン変更を実施し、それに伴うお客様対応を丁寧にやり切ったことで、事業部の上期目標達成に貢献したことを評価されました。
MVP受賞に至るこの成果は、入社から8年間の道のりがあってこそ。受賞への想いや、これまでの取り組みについて語っていただきました。
平野貴嗣 (ひらの たかし)
Jooto事業部 カスタマーリレーションズチーム
2016年4月に新卒第1期生としてPR TIMESに入社。プレスリリース配信サービス「PR TIMES」のカスタマーサポートや審査体制整備、サポートデスク構築に従事。その後、タスク管理ツール「Jooto」や「Tayori」のサポート体制を新規構築し、RPA・GAS活用で社内の業務自動化やフロー改善も推進。2021年にJooto事業部へ異動、2023年よりプロダクト責任者として開発に注力。
MVPの受賞おめでとうございます。受賞が決まった瞬間はいかがでしたか?
まず一番に思ったのは「ありがたい」です。同時に「でも、これはみんなのおかげだな」とも思いました。私は新卒1期生でPR TIMESに入社しており、社会人人生と共にこれまで歩んできました。その積み重ねが成果につながったのが今回の受賞かなと思っています。今回の社員総会のテーマは「道」で、“原点に返り、進む方向・その先を見つめる機会に”というのが、自分自身にも非常に合っているなと感じています。
個人少人数向けのタスク管理ツールとしてのJootoから、会社や組織の支援ツールにしていったのが主な取り組みですが、変革の背景にはどのようなことがあるのでしょうか?
私が現在携わっているタスク・プロジェクト管理ツール「Jooto」は、2017年に事業譲渡されPR TIMESでの事業展開をスタートしました。そんなJootoを革新しようという話が持ち上がったのは2021年に事業部長として山田真輔さんが入社された頃です。革新のスタートはJootoの意義を見つめ直すことでした。当時は個人のタスク管理が便利になるツールという感じでしたが、当社が掲げるミッション「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」に紐づけて考えると、行動者が仕事で成果を出すために、仕事が前に進む環境を支援するツールにしていこうとサービスの意義が変わってきたんです。
ただ、いきなり方針を決めたところで、それが提供できる状況が整っているわけではありません。2023年頃から、当時カスタマーリレーションズチームのマネージャーだった片岡 茉理さんと私で支援プログラムを用意しました。ご利用企業様の話を聞き、どう使ってもらうのか、どう仕事を変えるのか、新機能の企画から設計までを2人で進めていきました。当時はチーム体制が整っておらず、2人で進めるのが大変でした。
2024年の期初にメンバーが増えました。ただ、その後にさらに大きな困難に直面したと伺っています。
2023年にJootoの開発会社が外部の協力会社への委託だったところから、当社にグループインしたグルコース社に変わりました。2024年に入って、カスタマーリレーションズチームのメンバーも増員し4人体制となり、期初には「これなら広げていけるぞ」というところまできました。その矢先、マネージャーの片岡さんが産休・育休に入ることになりました。
これまで二人三脚でありながら、主に片岡さんがリードしてきてくれたので、当時は正直かなり不安でした。大学との共同研究プロジェクトについても、Jootoのシステム改善についても2人で相談し、最終的に片岡さんが意思決定していました。それが、いざ本格的に走り始めたタイミングで、私が最終意思決定者を担うことになりました。
不安が強かったのですが、かといってこちらの体制を不安視して、事業部長の山田さんが介入せざるを得なくなる状況にはしたくありませんでした。Jooto事業部が目標を達成し、成長していくには、山田さんには山田さんの役割に注力してもらいたかったんです。もともと山田さんはずっと私のことを気にかけてくれていたので、これ以上心配させたくないという気持ちもありました。
そこで、まずはカスタマーリレーションズチーム内のコミュニケーションを改善することで、協力し合える体制を築くことに注力しました。コミュニケーション頻度をあげ、これまでは山田さん・片岡さん・私の3人の相談で完結してしまっていた内容も、細かにメンバーに共有し、共通認識を持てる状態を作りました。これまでは、つい片岡さんに頼ってしまう部分がありましたが、自分にとって心強い存在が一時的にもいなくなったことで、チームとしては強くなれたのかもしれません。私が責任者として全力でやれたことが、MVPにつながったのだと思っています。
マネージャーとの二人三脚だった状況から、最終意思決定者となり、一人で責任を持って全力で力を尽くすことに対して、思うところはありましたか?
やるべきことの責任の大きさや業務量に対して、自分のキャパシティを大きく超えるのではないかと感じましたが、人事チームの配慮や上長のサポートがあり、安心して「やってみよう」と前向きに踏み出せたのはとても大きな支えでした。
PR TIMESには、未経験に臆さず全力で挑戦することを応援する文化があります。もちろん掲げた目標を達成するに越したことはありませんが、全力で挑戦し力を尽くした上での失敗経験には寛容だと感じています。そのカルチャーをよく知っていたので、今の自分にとっての全力を尽くそうと思いました。この“自分にとっての全力”が精神衛生上とても大切なんです。片岡さんがいたら出せるであろう成果を100%として、そこを目指すと上手くいかなかったと思います。片岡さんと比べ、私が出せる成果が80%なのだとしたら、せめてその80%を全力で積み重ねる。その結果、気付くと100%を超えていたというのが今期の成果です。
知識がゼロのところから、AI機能の実装や、大手外食産業会社での導入など、さまざまな実績を打ち立てられています。総会のプレゼンでは、「新卒時代から多様な経験を積んできたから」と振り返られていましたね。
そもそも何もできない新卒からのスタートでしたから、「吸収しなくちゃ」という想いが強かったんです。何でも楽しんでやってみるタイプなので、できることの幅が広がっていったのでしょう。新卒配属後はPR TIMESの営業や請求周りの仕事、カスタマーサポート部門に異動してプレスリリースの審査体制の整備などを経験したのちに、Jooto事業部に異動しており、この8年間で本当にいろいろなことを経験してきたんです。新卒時代には、業務の自動化をしたいと思い、プログラミングの勉強を自主的に行ったこともありました。その時々にやってきた仕事の経験が、今回の成果に活かされたなと。
PR TIMESは、いろいろな経験を積める会社だと思いますね。何かチャレンジしたいことがあったら、「起案してください」と言われるんですよ。挑戦心を前向きに捉えてもらえ、その結果の失敗に対しては寛容。だからこそ、いろいろやってみようと思えるところがあるのかもしれません。
今回の業績貢献で最も大きな成果について、ご自身では何だと思われますか?
4名無料のプランを完全に廃止し、人数無制限の無料トライアル機能を実装したことです。これは新規ユーザー、既存ユーザー双方に大きな影響のある変更だったため、約2万人のお客様に対してメールでご案内をお送りしたり、電話でご説明をしたり、オンラインで個別相談を行ったりと、真摯に丁寧に進めていきました。
大きな変更だったため、チャットでのサポートも全ユーザーに展開し、特に最初の1週間は2人しかいない人員をチャットに割き、張り付いてもらいました。既存ユーザーの方の戸惑いには、営業チームからの協力もいただき、1社ずつ丁寧にJootoが目指す未来の説明も含めてサポートしていきました。その結果、大きな混乱が起きることなくプランの変更を実現できたと感じています。
カスタマーリレーションズチーム以外の方の力もお借りできたんですね。
むしろ、部署を超えた仲間の協力が不可欠だったなと思います。PR TIMESには「Open and Flat for breakthrough」というバリューがあり、これが社風にもなっているんですね。役職や年齢年次にかかわらず相互にプロフェッショナルとして尊重しあいフラットに相談しあうことを大切にしています。例えば、新プランを作るにあたり、経理面のことを考えるために財務経理チームの方に相談したり、規約や契約書のことを考えるために総務法務チームに相談したりと、部門を超えて協力し合える社風があるんです。
よくMVPの受賞者が「皆さんとのつながりのおかげで」と感想を述べますが、私も社交辞令一切なしで本当に感謝しています。
バリューが定められたところで、それが社風として実感できるものであるかどうかは別の話だと思いますが、平野さんはなぜこうした雰囲気が醸成されていると感じますか?
私たちはバリューを定めるだけではなく、バリューに紐づく具体的なルールを設けて開示し、運用されているからですかね。例えば、チャットツールの使い方1つとっても、情報をオープンにする基本的な考え方がルールになっています。チャットツールが導入されたばかりの2016年頃は、まだDMなどクローズドなコミュニケーションも多いと感じていたんですが、今は小さなことでも、どんなことでもオープンに報告されています。バリューが浸透するように人事チームが動いていて、「業績評価だけではないバリューに基づく評価制度」や「13のTimes Rule」といった社風が反映された仕組みづくりをされている積み重ねだと思います。
では最後に、平野さんの今後の「道」をお伺いしたいです。
Jootoをただの管理ツールではなく、お客様の組織の仕事を前に進めることを支援するツールにしたいですね。より個社ごとに最適化できるよう、データ活用やAPI連携、AIの活用などをもっと進めていきたいです。ただツールを提供するのではなく、インフラとして提供するという側面をより強めていくことがこれから進む道です。
執筆=卯岡若菜、構成=牧嵩洋