PR TIMESのカルチャー
CULTURE 52
DATA:2024.12.27
迷わず突き進んでいるように見える人ほど、周囲からは見えない葛藤と戦い、一歩一歩前進しています。『#PR TIMESなひとたち』は、「PR TIMESらしさってなんだろう?」について、社員の挑戦や努力の裏側、周囲からは見えづらい地道な一面に迫り、わたしたちの日常をお届けしていくコーナーです。
今回は社員総会でROY(新人賞)を受賞した桑原さんにインタビュー。2022年にPR TIMESの営業として中途入社した桑原さん。プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を久しくご利用いただいていないお客様に対して、その課題を払拭し利用再開を促進する担当者として、2023年度下期に部門トップ、2024年度上期はさらにその倍近くの受注を達成しました。
異業種からの転職で苦労を重ねながら成長し、大きな成果を生み出すまでの道のりとは。入社からROY受賞に至る軌跡をたどりました。
桑原由衣(くわばら ゆい)
PR TIMES事業ユニット 第一営業部
埼玉県出身。新卒で株式会社ニトリに入社。店舗の売上管理やパート・アルバイトのマネジメントを経験。2022年に第二新卒としてPR TIMESに入社。現在は第一営業部に所属し、「PR TIMES」をご利用いただいたことのあるお客様の更なる成功に向けたご支援を担当。勉強会の運営リードや営業サポートチーム・請求チームの責任者を兼任。
桑原さんは第二新卒としてPR TIMESに入社されました。それまではどのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?
前職は大手家具メーカーで、店舗運営に携わっていました。店舗での売上管理、販売促進を担当するなかで、目的を持った来店者を増やすことが売上につながると気付いたときがありました。ご来店に何かしらの目的をお持ちいただくためには、企業からの情報発信が欠かせない。たくさん魅力的な商品があっても世の中に知られていなければお客様に届かず販売機会も失ってしまう。そのような思いから必要なお客様に必要な情報を届けたいと思うようになり、広報PR業界に少しずつ興味を持ち始めました。
PR TIMESにチャレンジしたきっかけは、自分自身もっと成長したいという思いでした。販売職から学べることも多くありましたが、同時に今のままで本当にいいのかとも。来店されたお客様にご提案するだけではなく、お客様の課題解決や成功を目指す営業職にチャレンジしたいと思うようになり、転職に踏み切ろうと思いました。
その中でもPR TIMESに惹かれたのは「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」という行動者を応援していくミッションに共感できたためです。このミッションを大きな目標に据えて行動できることは自分にとって貴重な経験になると思いました。学生時代にマネージャーという立場でチームに伴走し結果を追い求めていたときのことも思い出しながら、私がこれまで大切にしてきた価値観にも近いように感じました。
業界も職種も異なる転職。社員総会のプレゼンでも「入社当初は暗いトンネルを歩いているような感覚だった」とお話されていました。どのような感覚だったのでしょうか?
少しでも早く会社に貢献できる人になりたいと思っていましたし、私自身期待もして飛び込んだのですが、なかなかそう簡単にはいきませんでした。目の前のお客様の力にすらなれていないのが現実で、思い描いていた理想とのギャップがしんどかったです。
入社して約1ヵ月間の研修期間を経て、その後は独り立ち。独り立ちすれば、その後は基本的には、自分主体で仕事を進めていきます。営業のスキルも今思えば全く無いに等しく、お客様の話す内容も理解できない。だから、何を聞けばいいのかがわからない。とにかく苦戦の連続でした。
私の仕事は、PR TIMESを過去にご利用されたお客様を対象に、再利用を促す「利用促進」です。ネガティブな理由からサービスを使わなくなっている方もいらっしゃるので、お話を聞いていただけるようになるまでにハードルがあるケースも少なくありません。また、業界が幅広く、会社の規模も個人事業主からスタートアップ、大手企業と様々でした。お客様1社1社それぞれのためになる提案をしなければならないので、営業初心者の私にとっては様々なスキルが一挙に求められ、難易度が高く感じていました。
私は具体的な目標があると突き進めるタイプなんですが、そのためにはまず自分で目標を設定しなければなりません。前職では追うべき目標が具体的に定まっていたのに対し、PR TIMESでは会社としての方向性や、それに基づく部門の目標をもとに、自分がプレイヤーとしてどう貢献したいのかの意思を決めて、自ら目標を設定していく必要がありました。当時はお客様に対して何もできていないような状態でも目標を立てる必要があったので、ここも苦しかったところです。
どのように乗り越えたのでしょうか。
当時、直属の上司は代表の山口さんでした。その時は朝一番に山口さんのデスクに押しかけて、自分の考えた目標をぶつけていました。とにかくがむしゃらに、今自分にできることを考えて行動しなければと思っていました。
山口さんから何度もフィードバックをいただき、入社から半年ぐらい経った頃にようやく目標を立てられるようになりました。ただ、目標を設定することが目的になってしまっていることに山口さんからのご指摘で気付かされることになります。
「それは本当に達成できる計画になっていますか?」と問われて、立てた目標は達成しなければ意味がないんだ、と当たり前のことに気付かされました。目標を立てることにばかり意識を向けてしまっていたんです。
でも、その目標を現実的なラインに調整することはしませんでした。ストレッチな目標ではありましたが、不可能ではないと思えたんです。次のステップにいくためには、この目標を達成するところから始めなければいけないと思いました。山口さんとの様々な対話やいただいたフィードバックを通じて必達を決意することができ、6カ月で50件の受注が実現できました。
目標を達成できたことももちろんうれしかったのですが、お客様の事業の成功に向けてメディアへの発信を通じてどのように可能性を広げていくのかなど、お客様と一緒にポジティブなディスカッションができたのが嬉しく、そして楽しかったです。事業を始められたばかりの個人事業主のお客様からは「桑原さんと話したことで勇気と希望が湧いてきました。」というお声をいただくこともありました。事業の成功に向けて力になってくれる相手だと、思っていただけたんだなと。
ネガティブな理由で利用をやめてしまったお客様からは「効果がなかった。もう使うつもりはない。」と言われたこともあります。そうしたお客様には、改めて現状のヒアリングをさせていただき、今のサービスや機能であれば解決できることなどを丁寧にご説明し、サービスの価値や機能をお伝えしています。その結果「もう1回、プレスリリースを出してみようかな。」とお客様からご相談をいただいた時には、お客様の大切な情報がまた新しく発信される一助になれたかな、と思えましたね。
情報発信って本当に大変なことでもあるんです。広報PRの部署が無いお客様だと優先順位が下がってしまうこともありますし、発信タイミングがあっても忙しくて難しいこともあります。それぞれのお客様の状況に寄り添っていきたいですし、利用を再開したいと思ってくれたお客様には徹底的に伴走して、前向きにご検討いただけるように必要な情報を提供することも大切にしています。
桑原さんは2023年下期の目標達成、部門トップの受注数を達成しました。それでも「まだまだ。」と感じられているのは、なぜでしょうか?
利用促進のチームは私が入社したタイミングで立ち上がりました。正解が無い中でメンバー全員で模索しながら歩み、誰かが受注するとみんなで喜びを分かち合ってきました。そんな環境に自分も一員としていられるのだから、成果を出すぞと気合いを入れた結果が表れた形です。
ただ、私が成果を上げられたのは、自分が営業活動に注力できる環境を選択していたからでもあるんです。周囲のメンバーのように社内のプロジェクトに積極的に参画して組織に貢献するということもできましたが、利用促進活動に注力して成果を上げていきたいと考えていました。。今後は、利用促進活動を個人としてだけでなく、チームとして評価してもらえるように全体の目標をより牽引できるように取り組んでいきたいです。
2024年上期には前期の約2倍の利用促進に貢献されました。チームとしても最多の成果ですが、なぜ実現できたのでしょうか?
2倍の受注数を達成するには、利用が難しそうなお客様からも受注することが必要だったため、職能を高めていくことを意識しました。
目標から逆算し、月に何件打ち合せが必要なのか、現在の受注率や確度の高め方を計算して動くように。トレーナーとの1on1では事前に相談し、受注率の向上について話し合いました。また、お客様とは打ち合わせだけではなく定期的なコミュニケーションを図り、細やかな情報提供も心がけました。当たり前のことですが、その当たり前を徹底したことが成果につながったのかなと思います。
前期のMVPに選ばれた上司の小暮さんの言葉にも支えられています。私は“誰よりもPRの可能性を信じ、サービスの良さをお客様に提案できる存在でありたい”と思っているんです。そんな時、小暮さんの「PR TIMESのサービスは最高で、売れないわけがない。売れないのは営業の職能不足です。」という言葉にはっとさせられました。“PRの可能性を信じる”という想いが、より一層強くなりました。
暗いトンネルを抜けた先に見据える今後についてお聞かせください。
「Open and Flat for breakthrough」という会社のバリューが、私を後押ししてくれたと思っています。これは年齢や年次に関係なく、共に自律したプロフェッショナルであるという想いが込められています。PR TIMESにはフラットなコミュニケーションを是とする社風が根付いているんです。私はトレーナーとの1on1でも弱みを含む自己開示ができるようになりましたし、チャットツールでのテキストコミュニケーションも積極的に活用できるようになったと感じています。
今後は、個人の受注目標を更に高く設定して達成していくだけでなく、部署の目標達成を牽引していく存在になれるよう、役割を広げてマネージャーを目指していきたいと考えています。より多くのお客様の成功に向けて、部署の皆さんとポジティブな情報発信を増やしていきたいなと思っています。
執筆=卯岡若菜、構成=牧嵩洋