PR TIMESのカルチャー
CULTURE 72
DATA:2025.10.22
はじめまして。株式会社PR TIMESで、カスタマーサポートツール「Tayori」事業責任者の竹内です。気づけば私がPR TIMESに参画した2022年8月から3年が過ぎました。事業責任者として、この3年でどのように行動してきたかを振り返りたいと思います。これから新しい挑戦をしたいと思う人、同じように責任のある立場の方へ参考になれば嬉しいなと思ってお話します。
だれブロ ーまだ、話していないことー
私が「だれか」お伝えします。働く誰か、働こうとしている誰かに役立ってほしい。
そんな想いでPR TIMESのメンバーが紡ぐブログです。
PR TIMESで働く「私」の仕事とそのほかいろいろ。
うれしいとか、やる気がでるとか、やめようかなぁとか。
だれかの、働く今日の気持ちにつながりますように。
竹内 一浩(たけうち かずひろ)
執行役員兼Tayori事業部長
三重県出身。2008年に新卒でリクルートへ入社。同社で営業リーダーや商品企画を担当。2015年アイティメディアに転籍し、メディア企画部部長として商品売上に責任を持ちマーケティング、アライアンス、商品開発を推進。在籍中にアイティクラウド株式会社を合弁会社として設立し、取締役兼副社長に着任。SaaS口コミサイト「ITreview」をローンチし、メディア作り、マーケティング、営業など幅広く担当。2022年8月にPR TIMESに入社し、カスタマーサポートツール「Tayori」事業部長として着任。2024年10月執行役員に就任。
私はTayoriというカスタマーサポートSaaSの事業責任者として着任しました。Tayoriは、プレスリリース配信後の問い合わせ対応などのコミュニケーションを積み上げ「いい関係」を構築できるようにするために2015年からサービスを開始し、私が着任した2022年当時は既に5万を超えるアカウント数があり、サービスの歴史と支持する顧客がいる事業でした。長くIT領域のメディア畑で企業のデジタル化(DX)推進を応援してしていた私にとって、自らが貢献する立場として行動できることにワクワクしていました。
とはいえ新参者である私にいきなりサービスの事業責任を託すのは心配に思うはずです。しかし会社にとっても重要で成長する事業においても、社長の山口さんは成功確率を高める意見は伝えるものの、最終的には私の決断を尊重し託してくれました。PR TIMESには「決める人が決める」というルールがあり、事業部門や社内プロジェクトにおいても、すべて社長に判断を委ねるのではなく、その責任者の決定に全員が協力することを共通認識としています。もちろん自分なりに考え行動することは前提でありながら、その文化には当初驚いたのを覚えています。
例えば、入社して2ヶ月目で配信したTV CMは、当初はタクシーCMの計画でクリエイティブも決まらず暗礁に乗り上げていましたが、当社のクリエイティブディレクターの武藤雄一さんにご協力もいただきながら、多くのBtoB企業が似たような形式で広告を配信していたことから埋もれてしまうことを避けながらも本質を伝えられるクリエイティブ「顧客満足度に技あり」を練り、顧客接点を増やす時間帯のTV CMに切り替えた際も、山口さんには当社のバリューに沿うクリエイティブであることを確認いただた上で、その後の進行は任せてくれました。
「顧客満足度に技あり」TV CM放映開始のプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001227.000000112.html
経営者がTayori導入を通じて顧客満足度を高めていく過程を柔道をモチーフにした「顧客満足度に技あり」クリエイティブ
また、着任6ヶ月目でTayoriの新プラン「エンタープライズプラン」をリリースした際も多くは語らず任せていただき、利用幅を増やしたい顧客と事業の成長を想いスピード感をもって実現しました。このように成果責任を担いながら自由と責任がある環境は、本当に「ヒリヒリ」しますが、裁量権がある環境であり、とても働きがいを感じています。今まで日本を代表する大手企業に所属してきましたが、PR TIMESは掛け値なしにそれらを超える働きがいのある組織だと感じています。
山口さんと話していて印象に残る言葉はいくつかあります。「社会に求められているならば、同時に成長することも求められている」と声をかけていただいたときは、自分が役割を果たすことが社会から求められることだと解釈し、日々心に留めています。当社に参画した際にTayoriのお客さま数十社にお話を聞いて、プロダクトへの愛着や業務における必然性をお伺いして以来、もっと多くの社会にとっても同じような存在にできると感じていますし、それは同時に事業を成長していくことに責任を持つことであるし、社会がそう求めていると使命を感じています。
2023年に生成AIがビジネスの世界でも広まり始め、単なる流行から革命へのうねりを感じたのを覚えています。Tayoriが属するカスタマーサポートの分野はテキストコミュニケーションと特に相性が良く、間違いなくイノベーションが生まれるはずと確信をもっていました。このまま何もしないことは停滞を意味し、前述した社会への期待が果たせなくなることへの恐怖心も同居していました。このままでは、歴史とともに引き継いだ事業を責任者として全うできないのではないだろうかと。
一方で当時の開発では大掛かりなリファクタリングやUI改修を進めており、優先順位を変えることすら難しい状況でした。また、生成AIへの知見がないことなども進めていく上で大きな障壁となりました。正直にいうと動かない理由はたくさんありましたが、日々プレスリリース配信されるお客様のAIへの取り組みをみていて、自分も動かねばと奮い立たされたのを覚えています。システムの根幹となる部分ではなく、切り離して開発できるところから、かつ技術的にもOpen AIのAPI連携だけで実現できるものならスモールスタートできると考えました。
その結果、FAQ案を作成したり、お問い合わせ返信文を作ったりできる「カスタマーサポートAIアシスト機能β版」をリリースしました。当時は生成AIの取り組みをするのは比較的早い方でお客さまからも好意的にうけとっていただきましたが、無料で公開する範囲に留まっていました。
一歩進んで事業成長の変化点となるレベルまでに高める機会を作らないといけないと思い、取り組んだのが「未来のプレスリリース」で、成し遂げたい目標を宣言することでした。
当社では半期に一度、各事業部長が参加する経営合宿があり、毎年1月には各事業の「未来のプレスリリース」を書いています。この「未来のプレスリリース」とは事業責任者が会社や自身の事業が成功するための重要な施策を想像し、作成したプレスリリースを社内で発表するものです。プレスリリースとして書くことでその先の顧客や社会や従業員を想像することにつながります。
2024年1月4日に開催した経営合宿では、生成AIを使ったAIチャットボットをリリースすることを宣言しました。カスタマーサポート分野においてチャットボットは確立していたものの私達は取り組めずにいました。しかし、生成AIを使えば実現でき、これまで以上に顧客の期待に応えることができると確信していました。社会に求められているプロダクトをもっと伸ばすための機会とするには恐れず行動し、言い訳をせず退路を断つ必要がありました。
2024年1月4日経営合宿の書初めで発表した「規律と飛躍」
宣言することで覚悟を決め、お客さまへの広がりを想像し、品質やコミュニケーションの細部を設計していきます。自社だけで実現できないことは開発パートナーを巻き込み実現していく、事業責任者として「なんとかする」ことが大切な時もあります。事業を創っていく際は、何かが欠けていることのほうが多いのですが、それを言い訳に待っていては責任が果たせませんし、当社が大切にしている「ANDの思考」を持ち実現に向けてリソースを超えて行動していくことが責任者として必要な考え方だとこれまでの経験からも痛感しています。その他予定していた開発リリースは一時的に事業への影響を判断し、一部リリース延期を決断しました。もちろん、延期した側のダウンサイドの恐れもありますが、それら全ての最終責任をもって決断しました。
リリースしてすぐ多くのお客さまから「AIを試したかった!」とお声をいただき、今では様々な分野でAIチャットボットをご利用いただいています。AIチャットボットは、プロフェッショナルプランという私たちの中では上位のプランで、これを機会にアップグレードや継続利用したいという事業的な成果にも繋がっています。
TayoriがAIチャットボットβ版を公開した際のプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001384.000000112.html
Tayoriがカスタマーサポート表彰制度 特別賞「おもてなしテック」を受賞
Tayoriはブランドメッセージとして「お客さまとのいい関係をつくる」を掲げています。私たち、Tayori自身が「お客さまとのいい関係をつくる」をどう実現していくのかを、先述した一連の取り組みで深めることかができたことに気づきました。
その想いを整理する意味でも、当社が発信文化として提唱している、4月1日を夢を語る日にする「April Dream」の取り組みで、Tayoriの夢として「“意識しないAI”をカスタマーサポートに。2030年、人材不足は知らぬ間にAIが解消」を掲げたプレスリリースを発信しました。
「April Dream2025」でTayoriが発信した夢のプレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001517.000000112.html
私たちが毎年調査しているカスタマーサポート白書では、AIへの取り組みに感心がないと答える層が40%以上います。その背景にはカスタマーサポートを兼任している方が多く、当該領域での情報収集や検証に余裕のない表れでもあると想像しています。一方で、一般消費者はAIがある体験を身近に経験し、サービスに求める質の基準が高くなっていくと考えています。そこで私たちが、意識してなくてもAIを提供する環境を作ることで、「お客さまとのいい関係」をTayoriのお客さまが作れることが私たちの「お客さまとのいい関係」なのだと考えています。
Tayoriが目指す世界を実現していくには、マーケティング・セールス・カスタマーサクセス全てにおいてまだまだ重要な役割を担っていただける仲間が必要です。各方面で採用強化していくとともに、Tayoriメンバー一人ひとりが能力を高め、事業を推進できるよう邁進してまいります。