CULTURE 22

媒体価値を高める強い使命感 自身の経験があったから挑戦し続けられた #PR TIMESなひとたち

  • 角田 麻衣子(つのだ・まいこ)(メディア事業部)

DATA:2022.03.15

PR TIMES社員の挑戦や、努力の裏側、周囲からは見えづらい地道な一面に迫る、「#PR TIMESなひとたち」のコーナー。社員に取材をして、原稿にして、編集をしてつくっていく社員インタビューですが、「なるべくきれいで整ったことではなく、ありのままの思想や考え方」を届けられることを第一に、連載しております。

今回は、メディア事業で2媒体の責任者として編集業務を担当する、角田麻衣子さんをインタビュー。角田さんは、2021年4月に開催された「2020年度通期社員総会」で個人賞のひとつである「Super Homerun賞」を受賞しました。

今まで経験のなかった業務をこなしながら、自身が掲げた目標を達成し今回の受賞にいたった角田さん。受賞時の率直な気持ちや、通期を振り返って苦悩したことなどを伺いました。

角田 麻衣子(つのだ・まいこ)

角田 麻衣子(つのだ・まいこ)

メディア事業部

2019年8月に契約社員として入社。2021年5月に多様な正社員へ雇用形態を変更し、メディア事業部にて『STRAIGHT PRESS(ストレートプレス)』と『IGNITE(イグナイト)』の2媒体を担当。掲載本数もPV数も過去最高を記録し、両媒体とも前期比200%超を達成。媒体価値を大きく飛躍させた。

前期比200%超えの達成は、周囲の存在と情報を届ける使命感から

今回、「2020年度通期社員総会」でSuper Homerun賞を獲得したのは、メディア事業部のの角田麻衣子(つのだ・まいこ)さん。ニュースメディアの編集者として、2の媒体の編集やマネジメントを担当されています。

角田さんは現在『STRAIGHT PRESS(ストレートプレス)』と『IGNITE(イグナイト)』の2媒体を担当されていますよね。改めて、各媒体の特性に加えて、どのような業務を行っているのかを教えてください。

角田:『STRAIGHT PRESS』は、幅広い読者層に向けて、「PR TIMES」で配信されるプレスリリースをもとにトレンド情報を届けるニュースメディアです。一方『IGNITE』は、車や時計などの高級商材を40〜50代の男性向けに発信するメディアです。

業務としては、ライターさんから納品された記事の校正以外に、全体の配信管理やディレクションを行っています。ライターさんの採用・研修、発注管理などのマネジメント業務も担当しています。


単に“編集”では括れない、幅広い業務を担当されているのですね。改めて、今回の受賞、おめでとうございます。受賞を知ったときの率直な気持ちを教えていただけますか。

角田:正直なところ、受賞を知らされた瞬間は驚きがありつつも、なんとなくピンときていなかったんです。ただそのあと、メディア事業部の上長である鳥居さんと1on1をする機会があり、通期の業務内容を振り返るなかでやっと実感が沸いてきました。

「ようやく、社内外にバリューを提供できる媒体価値を創造することができたんだ」と。達成感より安堵の気持ちが大きく、改めてPR TIMESでこの業務に携われてよかったなと思いましたね。

具体的にどんな部分を振り返って実感が沸いてきたのでしょうか。

角田:具体的な数値をみながら「大変でしたけど成果が出ましたね」と話をしたときですね。目標に対してずっと前しか向いていなかったけど、やってきたことを一つひとつ振り返ってみると、色々頑張ってきたんだな、とそのときに実感できました。

同時に、部署や編集部のメンバー、ライターさんなど、周囲で支えてくださった皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいになりました。

なので、受賞の名目は個人賞ですが、私のなかでは媒体に対してもらえた賞だと考えています。

両媒体ともに前期比200%超えを達成したというのが、今回の受賞理由のひとつです。媒体の責任者として掲げていた大きな目標に向かって、前進し続けられたのはなぜでしょう。

角田:前職で、PR TIMESを使ってリリース配信をした際の経験が大きく影響しているのかもしれません。

当時、担当していた新規事業の広報に苦戦していて。ある日プレスリリースを配信したところ、いくつかのメディアで掲載されたことがありました。そのときに、今まで情報を届けられなかった人に、メディアを通じて自分たちのサービスを知ってもらえたことが嬉しかったんです。

この経験がなかったら、メディアで配信した先にどんな反応があるのかをぼんやりとしかイメージできなかったはずです。自社のサービスがメディアに掲載されたときの反応を実体験として知っているからこそ、情報を必要としている人にきちんと情報を届ける使命感を持っていました。だから、挑戦し続けられたんだと思います。


このメディアで書いていることを誇れるように。互いのスタイルで相乗効果が生まれるマネジメントを試行錯誤した

編集や校正の業務以外にマネジメントも担当されていますが、もともとマネジメントのご経験があったのでしょうか。

角田:マネジメントの経験はこの仕事をするまでは無いに等しいですね。執筆や編集・校正に関しては今までも経験があったのですが、メディア運営となると知識がなかったり、勉強不足な部分もあったりして。

入社してから勉強していったのが実情です。

チームとして継続的に成果を出していかなければいけないプレッシャーのなかで、戸惑うこともありました。でもそんな苦労もわりと楽しめましたし、今はやってよかったなって思っています。

目標を達成するため、まずは何から取り組んだのでしょうか。

角田:まずは媒体価値を見直すことから始まり、上長の鳥居さんから配信本数を増やそうというお話をいただきました。STRAIGHT PRESS、IGNITEともに、配信記事数を増やすことでまだまだ多くの人の役に立つことができると感じていたので、その提案に大賛成でした。

本数を増やすのはシンプルで、書く人を増やせば記事本数は増やすことができます。でも、人数が増えてチームが大きくなるほど、同じ方向を向いて、一定のクオリティを維持していくのが難しくなる局面もあって。

記事数が増えてくるにつれ、バリューのある記事を継続的に毎日出すには今までの方法ではだめだと気付きました。

どのような点を変更していったのでしょうか。

角田:まずは、全員が同じスピード感で一定のクオリティを維持できるように、マニュアルを大きく見直しました。特に、記事数が増えたことで、過量なレギュレーションが効率を落としている部分が見えてきたので工程を細分化して整理して。逆に属人的な判断になっているせいで非効率だった箇所もあったので、ライター、校正、編集それぞれの視点から認識や疑問を細かくすり合わせて、共通マニュアルとして追加したり。フィードバックもこまめに共有するように努めました。

結果的には、ただ書く人を増やせばいいというわけでもなかったです。新しいリソースを増やす前に、今あるリソースの生産性を最大限に高める。そして機械ではなく“人”ですから、そのモチベーションを維持していくためにはどうしたらよいかを考えて、フォローの仕方などを見直しました。

ライターさんごとにベストなパフォーマンスを出しやすい取り組み方は違いますよね。ただ記事を作業的に出すのではなく、ライターさんには楽しく、面白く仕事をしてもらいたい。その原点に立ち返ることで、一人ひとりが質の高い記事を継続的に書けるのではと考えました。

具体的に、どのようなやり方を採用されたのですか。

角田:例えば、自ら提案してくださるライターさんには、一方的な“発注作業”ではなく、相談ベースの提案に変更しました。「こういう記事がほしいんですけどどうですか?」「ここをこのように書いた理由は何ですか?」と聞く。そうすると、思わぬところを指摘いただいたり、新しいアイデアを提案いただいたりと、発見が増えていきました。

それから、ライターさんと編集者がいつでも気軽に相談できるように、日頃のやりとりをメールからslackに変更しました。ライターさんの仕事スタイルに歩み寄り、お互いの相乗効果でベストな記事ができるようにしようという考え方に変えて。

ただこのスタイルを採用する上で、特に最初の頃は、頑張っているわりに数字が出なくて苦悩したこともありました。大勢のメンバーが、全員そろって“質と量を両立し続ける”というのは、思ったよりも難しかったです。


始めてみてわかる苦悩というものは多いですよね。苦労の期間はどのように乗り越えたのでしょうか。

角田:個人で悩んで抱え込んでしまっていたら乗り越えられなかったです。編集部のメンバーと一緒に、ああしてみよう、今度はこうしてみようと解決策を考えられる環境だったからこそ乗り越えてこられたと思います。
たとえばライターさんが書いてくださった記事を編集者の視点で見たときに、企業が伝えたいニュアンスとは違うんじゃないかとか。そういう認識のズレが目立つようになっていたときは、一人ひとりが一生懸命やっているのに、なぜか全員が大変な状況でした。毎日1記事でも多く出したい焦りもあって、「よい記事ってなんなんだろう?」って考えたりもして。
全員が同じ方向に向かって足並みを揃えられるよう、こまめに情報を共有したり、疑問に思ったことはすぐに解決したりと、まだ試行錯誤している段階です。今も手探りですね。

角田さんご自身はもちろん、チームの気持ちを持続するためにおこなったことがあれば教えていただけますか。

角田:モチベーションは人それぞれですが、そのひとつに、媒体価値の向上があると思います。

これからも同じ媒体で書いていきたいと思っていただけるよう、読者が以前より増えているなど、ポジティブな側面を共有するようにしています。

もちろん金額的なモチベーションもあると思いますが、そうではなくて、STRAIGHT PRESSやIGNITEで書いていることを誇れる媒体にしていかないといけない。書く人のモチベーションによって記事の熱量も変わるので、読む人に伝わる印象も全く違うものになりますよね。今後も質の高い情報を発信していくためにも、強い使命感を感じています。


読者にとって発見のある記事を 「PR TIMESで配信してよかった」と思ってもらうことがゴール

さまざまな苦悩を乗り越えての受賞だったんだな、と伝わってきました。最後に、これからの目標についてお伺いしたいです。

角田:“STRAIGHT PRESSやIGNITEに掲載される”ことが、PR TIMESプレスリリースを出すひとつの理由になるくらいまで、媒体価値を高めたいです。

読者にとっての発見の提供を地道に積み重ねることで、「PR TIMESでプレスリリースを出してよかった!」と思ってもらえる企業・担当者がひとりでも増えるとうれしいなと思います。

そのために、まず何に取り組んでいこうと考えているのでしょうか。

角田:担当者や企業の想い、開発ストーリーなど、ナラティブな部分を今後も掲載していけたらと思います。

特にSTRAIGHT PRESSは、1記事800字前後の制約があります。そのなかで何を伝えようかなというのは毎回葛藤があるのですが、過去にメディア掲載をしてもらった経験を思い出し、「リリースを書いた人はどこをどんなふうにメディアで伝えてほしいだろうか?」をと考えて記事を校正・編集しています。

あわせて、読者にとって発見のある記事にすることで、企業のPRの補足的な意味合いも持たせることができると思うんです。もっと楽に媒体の存在価値を高める方法もあるかもしれないですけどね(笑)

難易度の高い問題にぶつかりつつも、なんとか前進しようとする姿勢にすごくPR TIMESらしい精神を感じます。

角田:編集メンバーやメディア事業部など、PR TIMESにいるみなさんがそういう意識だから、自然と引っ張られているのかもしれないですね。やってみようかなって言いやすい環境だと思います。

媒体価値を高めること以外に考えている取り組みはありますか?

角田:併せて、今後は提携メディアを増やすことも考えています。

STRAIGHT PRESS・IGNITEで発信した記事がより多くの媒体に掲載され、他媒体の読者にも届くような仕組みづくりに取り組みたいです。たとえばSTRAIGHT PRESSでは小規模事業者や地方自治体などの話題も積極的に取り上げているので、これらの情報をさらに多くの人のもとに届けて、地域経済の活性化に役立ちたいという想いです。

リリースを読んでいると、世の中には結構困っている人が多いのではないかなと感じることがあります。そんな困っている人を助けようとか、世の中をもっと楽しくしようと行動を起こしている人・企業の想いを届けられるメディアとなりたい。「PR TIMESでプレスリリースを出してよかった」と思ってもらえるよう、貢献できる部分はもっと貢献したい。

また、前職で自分が困っていたように、同じ想いを抱えた企業の広報担当者がいるのであれば、私たちにできる形でサポートしたいです。この仕事は、やめられないですね。

今回のインタビューを終えて…

角田さんがずっと楽しそうにお話される様子がなによりも印象的でした。
高い目標や、自分の能力を超える仕事でも、地道に前進しつづけた先で初めて「自信」が持てる。その「自信」が、媒体価値を高めたいという次の目標の種になり、種を育む根底には、具体的に力になりたい人の存在や景色が見えている。そんなことを感じながら、角田さんとのインタビューを思い出していました。角田さん、改めてありがとうございました!