ビジネスパーソンに聞く仕事術
OUR WORKS 10
DATA:2014.02.03
直営店やファミリーマートなどで販売されている「無印良品」。現在の商品点数は約7000点と膨大な数に上ります。その分、「この商品の画像を使いたいんだけど」というメディアからの問い合わせに対応するのはひと苦労。株式会社良品計画 宣伝販促室 宣伝課長の赤峰貴子氏はプレスリリース配信サービス「PR TIMES」導入前をそう振り返っています。インターネットメディア向けの広報活動のためにPR TIMESを導入した同社は、企業サイト内の「プレスルーム」と同じ役割を果たすようにPR TIMESを運用しようと考えました。プレスリリースを掲載する際、そのページから記者が求める関連画像もあわせてダウンロードできるよう、高画質な画像を複数点アップするようにしたのです。
社外向けの広報活動にはあまり重点を置いていませんでした。無印良品はブランドが立ち上がったころからメディアに取り上げられることが多く、特に広報活動をしなくても自然と取材の問い合わせが入っていましたから。
ところが2000年ごろから100円ショップなどが台頭してくることで、無印良品への注目が薄れてきてしまいました。そこで広報にも力を入れるようになり、新商品発売の際などには記者クラブにリリースを投げ込むようにしたのです。
でも、記者クラブから取り上げていただくには大きなニュースでないといけませんよね。新商品のリリースにしても、ニュース性のあるものに限って投げ込むようにしたのですが、あいにくほとんど取り上げられませんでした。「やっていても無駄かもしれない」と感じたこともありましたね。結局、自社ホームページに掲載するのが一番効率的だと判断して、それだけ対応するようにしていました。
広報は新聞向けの活動が中心で、雑誌社からの問い合わせには宣伝担当の部署が対応していました。新聞と雑誌は担当が決まっていましたが、インターネットはどちらの担当か、決まっていなかったのです。ネットで広報をする重要性について、年々意識するようになっていたのですが、なかなか踏ん切りがつきませんでした。
そんな時に上司から、「ネットの広報に取り組むのなら、PR TIMESのようなプレスリリース配信サービスを使えば良いよ」と勧められたのです。
これまではニュース性のあるものに絞っていましたが、ニュース性があるかどうかを気にしないで、新商品なら何でもリリースにして数を打つことで、メディアに取り上げてもらえる機会が増えるかもしれないと思うようになりました。
でも、無印良品には7000点もの商品点数がありまして、新商品を出す頻度もかなりのものです。それほど重要ではないリリースを、同じ記者の方に何度も送り続けるのにはやはり抵抗がありました。その点PR TIMESなら、記者の方にPR TIMESのサイト上で各社のリリースを見ていただけます。いわば、摘み取り方式です。面白そうなリリースを見繕ってニュースにしてくれるので、失礼にはなりません。そんなところも気に入りましたね。
「この商品の写真を使いたい」といったメディアの方からの画像に関する問い合わせが多かったのです。手持ちの画像ファイルの中からすぐに見つかる商品もありましたが、そうでない商品の問い合わせがあった時には苦労していました。結局、以前は自社のECサイトで検索して画像をダウンロードしていました。高画質の画像が少なかったので、どうしても画質が悪くなっていましたね。
そこでPR TIMES導入後は、リリースと一緒に画像も高画質なままアップして、記者の方にはPR TIMESのサイトからダウンロードしていただくように対応を変えました。これまではリリースで取り上げるのは一部の商品だけでしたが、新商品ならとにかくリリースを書くようにもしましたので、漏れはありません。PR TIMESが企業サイトのプレスルームのような役割を果たすようになりました
記者の方が見て分かりやすいように、パッと見て必要な情報が最初の画面内に含まれるようにしています。
私が広報になる前は、商品に対する思い入れが深い分、主語・述語や5W1Hがあいまいなまま、とにかく長いリリースを作成してしまいがちでした。でも、それではリリースを読んでいただいた時に、よく分かりません。今は冒頭で簡潔に要点を述べて、商品の特徴を3点くらいにまとめて伝えるようにしています。
TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを使って、無印良品のファンの方々とコミュニケーションを取るようになってきました。そこで「足なり直角靴下」を売り出す時には、「ソーシャルメディアと広報と宣伝とを戦略的に統合して、マーケティングプランを考えてくれないか」と事業部から相談を受けたのです。
最初に新聞で取り上げていただいて、まずは注目を集める。それからPR TIMESにリリースと画像を掲載し、続いて自社サイトにも情報を載せる。情報提供の準備を整えたところで、ブロガーさんたちにも情報を流して情報を拡散してもらう。このやり方が「足なり直角靴下」では、上手くはまっていますね。
今後、このように広報と宣伝を統合して一気通貫でやっていく上で、PR TIMESには今まで以上にプレスルームの役割を果たしてもらいたいと考えています。
無印良品の強みは、ファンの方々と非常に強く結び付いたコミュニティがあるところだと思っています。ただその反面、ファン以外の方が新しく入ってきにくくなっている感じがします。
ソーシャルメディアに力を入れているのもそんな理由がありまして、これまでのファンの方々以外にもFacebookやTwitterで働き掛けていきたいと考えています。