CROSS TALK 05

「最初の仕事」はストレートな議論がカギを握る。企業ミッションを体現するPR TIMESカレッジを目指して

  • オア 明奈(株式会社CRAZY エグゼクティブ プロデューサー)
  • 土佐 雪奈(株式会社PR TIMES マーケティング本部 営業戦略グループ )

DATA:2019.05.09

PR TIMESでは、プレスリリース配信サービスの利用企業である広報担当者に向けてコミュニティイベント「PR TIMESカレッジ」を開催。これまで各界の名だたる面々がゲストとして登壇し、累計1,150名が参加しているPR業界の人気イベントだ。

ゲストによる登壇コンテンツはもちろん、企業の”縁の下の力持ち”とも言える広報担当者同士が互いに交流し、課題やノウハウを共有できる新しい“学びの場”は、2018年2月の初開催以降、これまで3度行われてきた。私たちを取り巻く情報環境の変化を捉えながら、今こそ活用したい“パブリック・リレーションズの考え方”に触れ、広報・PRに関する課題とそれを解決するためのヒントを提供している。

去る2019年2月12日に開催された「PR TIMESカレッジvol.4」は『企業の成長を支えるパブリック・リレーションズ』をテーマに、初めて東京以外の場所――ヒルトン大阪にて開催された。そのプロデュースをサポートしたのは、「株式会社CRAZY」(以下、CRAZY)の法人向けイベントプロデュースチーム「CRAZY CELEBRATION AGENCY」だ。PR TIMESと初めてのコラボでありながら、 “おもてなし”の心を尽くした数々のイベント演出は、参加者からも絶賛の声が寄せられた。

「タッグを組んで最初の仕事」というものは、往々にして互いの想いが行き違い、成功に結び付けるのはそう容易なことではない。PR TIMESとCRAZYにとって初めてのコラボレーションは、どのように成功へと導かれたのか。CRAZYのCRAZY CELEBRATION AGENCY 事業を担うエグゼクティブ プロデューサーであるオア明奈さんとPR TIMESカレッジ運営事務局の土佐雪奈に、その全貌をお話しいただいた。

オア 明奈

オア 明奈

株式会社CRAZY エグゼクティブ プロデューサー

新卒から7年間、経営コンサルタントとして業績改善や新規事業の立ち上げに従事。自身の国際結婚をきっかけに、ウェディングの舞台で「可能性に挑み続ける人生を生きる」と決め、前職の海外抜擢を蹴って2015年1月より(株)CRAZYに参画。CRAZY WEDDINGのブランドマーケティングを担った後、組織の変革に寄与するCRAZY CELEBRATION AGENCYを創業。「法人の人生を祝う」べく、組織コンサルやイベントプロデュースを請け負っている。

土佐 雪奈

土佐 雪奈

株式会社PR TIMES マーケティング本部 営業戦略グループ

大学卒業後はゲストハウス運営会社に就職。ウェディングプランナーとして400組近くの結婚式をプロデュースした後、2018年2月にPR TIMESへ入社。マーケティング本部に所属し、セールス&マーケティングを務める。幅広い業種のクライアントに対して、プレスリリース配信サービスをはじめとしたデジタルコミュニケーションサービスを提案するほか、PR TIMESカレッジの運営に注力。大阪初開催となったvol.4では、プロジェクトの全体統括を務めた。

PR TIMESカレッジが提供したい価値とは? 三度の開催実績を経て、再定義にトライした

これまではPR TIMES社内のメンバーで企画から運営まですべてを完結されてきた「PR TIMESカレッジ」に、今回初めて外部プロデューサーとしてCRAZYさんを迎えられました。どのような背景があったのでしょうか?

土佐: PR TIMESカレッジは、これまで企画から運営まですべての工程を社内のカレッジチームで行い、毎回、何百人単位という多くの参加者にお集まりいただいてきました。すべての回でベストを尽くしてきたのですが、前回開催したvol.3では少なからず当日の参加キャンセルがあり、自分たちの力不足と共に漠然と何かを変える必要性を感じました。

今後「絶対に行きたい」と思っていただけるイベントに育てていくためには、PR TIMESカレッジだからこそ提供できる価値をもっと突き詰めなければいけないなと。そんなときに社内から、当社のお客様でもあったCRAZYさんにイベントプロデュースのご相談をしてみないか?という声があがり、お声がけさせていただくかたちとなりました。

土佐 雪奈(株式会社PR TIMES マーケティング本部)

オア:私がプロデューサーを務めるCRAZY CELEBRATION AGENCYという事業は、ウェディングプロデュースで培ったセレブレーションメソッドを活用し、組織のエンゲージメント向上を目的とした社内イベントプロデュース及びコンサルティングを主とする新規事業で、昨年7月に立ち上がりました。

PR TIMESさんから初めてお話を伺ったのは、確か昨年の12月頃。法人様に向けた新たなサービス提供をかたちにしていこうとしていた矢先のことでした。PR TIMESカレッジは社内イベントではありませんが、PR TIMESさんのサービスを利用されている広報担当者様に向けたブランディングという意味では、私たちにとっても新たな可能性を感じる機会になったと思います。

土佐さんを始めとするカレッジチームの皆さんからは、“おもてなし”の演出を追求する部分に課題があることを明確に提示いただきました。この点については、従来CRAZY WEDDINGとして積み上げてきた実績やバリューを発揮できると思い、是非お力になりたいなと。

オア 明奈(株式会社CRAZY エグゼクティブ プロデューサー)

それに加えて可能であれば、PR TIMESカレッジそのものの再定義についてもこのタイミングでトライできないでしょうかと、キックオフ時の議題にあげさせていただきました。そもそもPR TIMESカレッジというイベントはどのような価値を提供する場所なのか。どのようなメッセージを発信し、参加する方にどんな気持ちになって帰ってもらいたいのか。 1度のイベントを成功させることに終始せず、イベント自体の定義についても一緒になって考え、PR TIMESさんが望むイベントを作り上げていきたいというところからスタートしていきましたね。

土佐さんとしては、再定義の必要性をどのように捉えていましたか?

土佐:カレッジの再定義にチャレンジするのは、このタイミングがベストだったと思います。非常に短期間のプロジェクトの中で、vol.4の成功に向けて力を注ぎつつ再定義の必要性を感じながら取り組めたのは、オアさんからの提言のおかげでした。

私たち自身、回を重ねるごとにカレッジの手応えを感じてきてはいましたが、パブリック・リレーションズのプラットフォームである当社がPR TIMESカレッジを開催する意義は、ゲスト講演会+業種交流会の場を定期的に開催することではないなと。この先カレッジを大きく育てていくために、チームメンバー間においてもブレない軸が絶対的に必要でした。

心に焼き付くような体験を目指して。目の前のHOWよりもミッションを重視する

PR TIMESカレッジとしての課題や再定義への意欲を受けて、実際にどのようなところから着手していったのでしょうか?

オア:まず、私たちのチームは“本質を捉える”ことを最も大事にしています。今回で言えば、PR TIMESの皆さんが掲げているミッションに対して、PR TIMESカレッジというイベントがどう紐づいてくるのかという点です。この本質を正確に捉えない限り、良いイベントというのは実現できないんですよね。

例えば、今回も「参加者のロイヤリティや満足度を高めたい」というイベント単位の目標はありましたが、そこだけを追求してしまうと、「キャンセルを防止するためにテレマーケティングをしよう」だったり、「満足度を高めるためにスタッフを増やそう」という、HOWの部分にしか目が向けられなくなっていきます。それではあまり意味がない。


土佐:過去3回開催してきた故の課題は、まさにHOWの追求ではなく、ミッション発想でどのようにイベントを作り上げていくかという点でした。私たちのミッションである「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」の実現に向けて、プレスリリース配信サービスを継続的にご利用いただいているお客様と共に作り上げるPR TIMESカレッジが、どのように寄与していけるのか。

私たちは、カレッジという場所にお越しいただくことで、参加された方の感情を揺さぶって、心に焼き付くような体験を提供したいですし、家や職場に戻っても心が温まっているような状態を目指したい。CRAZYさんには、サプライズやおもてなしの観点から、これらの部分を是非フォローアップいただき、明日以降の機動力が生まれるような場所にしたいということをお願いさせていただきました。

オア: カレッジチームの皆さんと、この本質的な部分についてストレートに議論できたことは、私たちにとって非常に大きかったです。開催まで決してゆとりのあるスケジュールとは言えない中で、直接顔を合わせたミーティングは僅かな回数でしたが、皆さんが自社のミッションを真剣に考え、カレッジに対する明確なウォンツを持っていることは、コミュニケーションを重ねる度に感じました。このミッションやウォンツがそもそも弱い企業様も多い。CRAZYに対して、その部分から任せますというご相談もしばしばありますが、それは私たちが考えても絶対にいいものにはなりません。今回の主体者であるカレッジチームの皆さんは、ミッションやウォンツを具体化する部分で私たちを頼りにしてくださったので、私たちのバリューを発揮しやすかったですね。

土佐:ありがとうございます。私たちとしては、オアさんを始めとするCRAZYの皆さんの理解力と実現力に感激するばかりでした。ミッションやカルチャーは得てして抽象的なもので、言葉で伝えること自体がとても難しいんです。一人ひとりが“行動者”として社会をより良くしていこうという思いを、オアさんたちも一緒になって大切にしてくださいました。この概念の共有が事前にできていなければ、今回のような結果には繋がらなかったと思います。


オア:わたしは、土佐さんやチームの皆さんが会社の理念を体現しようとする姿勢から、コーポレートサイトに記載されている文字情報以上に、PR TIMESさんのミッションに対する「感覚的な理解」ができました。「行動者の背中を押したい」という誠実さ、真面目さ、真っ直ぐさが感じられたからこそ、カレッジにおいても、けっして奇をてらった個性的な会ではなく、誠実にお客様が喜ぶものを提供すべきだなと。それを土佐さんたちは、「四方良し」と表現されていましたよね。私たちもその部分を一緒に大事にしていこうと考えていました。

NEXT

「参加者の感情を揺さぶる」イベント実現に向けて。生まれた様々なアイディアとは

取材・文:阿部美香 撮影:川島彩水